暴れた後の後始末は全て海軍に任せ、海軍が捕まえに来る前に出航するとのことでサニー号に捕われていた仲間を迎えにきた男たちで溢れかえった。

チ「全員ちょっと衰弱してるけど、ちゃんと食べて寝たらすぐに回復する」

「わかった」

「ありがとな」

全員を診察したチョッパーにお礼を言い、海賊たちは仲間を背負って帰っていった。

『ナミとロビンは大丈夫？』

チ「ああ、2人とも捕まってからそんなに時間経ってなかったから、他の奴らよりは大丈夫だ」

『そう

ならよかった』

1番気がかりだった2人が大丈夫と言われ、恋歌もほっとしたように笑った。

バ「あんのぉ…恋歌さん？」

2人が起きるまでいようか悩んでいると、おずおずとバルトロメオが声をかけてきた。

恥ずかしそうにもじもじとしながら隠しているものを出そうか悩んでいるように見える。

『なんでしょう？』

バ「おらとしたことがまさかあの伝説の桜姫がルフィ先輩のお母様だったなんて…！！

知りませんでした！！

ルフィ先輩の子分失格だっぺ！！」

『え、いやまぁそれは知らない人の方が多いし別に失格とかは…』

バ「いんや、ルフィ先輩のことはなんでも知りたいんだべ！

んで…大変失礼ですけんど…サインくだせぇ！！」

ばっ、と頭を下げて後ろから出したのは色紙。

『え…』

見事に90°に腰を曲げながら恋歌に色紙を突き出してくる。

サインなど今まで求められたことのない恋歌は、助けを求めるようにルフィに視線を向けた。

ル「おいこらトサカ！

母ちゃん困ってんだろ」

バ「サインだけ！

一生のお願いだべー！」

ルフィに縋り付くように腰に抱きついたバルトロメオは、鬱陶しいとルフィに離れるように言われる。

『あの…わたしサインとか持ってなくて…

だから…ごめんなさい…』

バ「そう…だっぺか…」

今度はルフィが困っているため、バルトロメオに書けないと伝えるとかなり落ち込んでいた。

ル「今日はどうすんだ？」

『一応ナミとロビンの無事を見届けてから帰ろうかなって思ってるんだけどいてもいい？』

ル「もちろんだ！」

ぶつぶつと何かを言っているバルトロメオは無視され、ナミとロビンが目覚めるまで船にいることにした。

『ん？』

ふと身体を動かすと、全身に鈍い痛みがはしった。

ゾ「どうした？」

『いや、なんか…ちょっと身体が痛くて』

近くにいたゾロに声をかけられたが、何の痛みかわからず首をかしげる。

ゾ「怪我したのか？」

『怪我はしてないはずなんだけどなー』

ゾ「おい、こいつが身体痛えってよ」

ロー「あ？」

ナミとロビンにつきっきりのチョッパーに気を遣ってか、少し離れたところにいたローに声をかける。