漆黒の布が現れベラドンナの体を締め上げる。

ベ「（なんだこれ…！）」

どんなに力を入れても破ることができず、バランスを崩して地面に倒れこむ。

『【弐曲 百連閂】』

倒れ込んだ直後に鉄の串がベラドンナを完全に地面に固定した。

ベ「くっ…、これなら…どうだ！！」

『え…』

ぱりん、という何かが割れる音が後ろから聞こえた直後にベラドンナの力が増大し、先ほどまで破れなかった布を引き裂いた。

ベ「はぁ…はぁ…

あたしに…これを使わせるなんてね…」

『今の…あの部屋にあった珠の力ですか？』

ベ「ああ…

あれはあたしがこの島に来てから少しずつ蓄えてた力

たとえ桜姫の攻撃だろうとあたしには無意味さ！」

恋歌の蹴りでも壊せなかった珠は蓄積された力だった。

それを一気に解放したことで恋歌の技を破ることができた。

『正直今の破られるとは思ってませんでした

でも所詮は一時的なものですよね』

またしても恋歌の足元に魔法陣が浮かび上がり、力を増大させる魔法を自分に付与する。

『これで…終わりにしましょう

【卍解 雀蜂雷公鞭】』

自分の身の丈以上のミサイルのような物を構え、照準を合わせる。

ベ「は、反則だ！！

そんな力！悪魔の実の能力者でもないくせに！！」

逃げようとするベラドンナは恋歌に背を向けたが、それで許されるはずもなく躊躇なく放たれた攻撃で島の3分の2が削られ、ベラドンナは黒焦げになってこの騒ぎは終了した。













『大丈夫？』

ベラドンナが倒れたことにより、力を吸い取られていた海軍も海賊も復活した。

倒れたまま動かないベラドンナは海軍に任せ、ルフィたちに怪我はないかと声をかける。

ル「ああ、なんともねぇよ

相変わらず母ちゃんは強ぇえなぁー！！」

いつも通りのきらきらした視線を向けられ、ありがとうと返す。

藤「お嬢さん」

無事に解決したことで和気あいあいと話していると、恋歌の後ろから声をかけられた。

『はい』

藤「今回あっしらだけじゃこんなに早く解決はできやせんでした

ありがとうございやした」

深々と恋歌に頭を下げた藤虎はそれだけを伝えると後片付けがあるからと踵を返す。

『……変な人だね』

まさか海軍大将直々にお礼を言われると思っていなかった恋歌は藤虎が背後に来た時に逃げた方がいいか、攻撃を受ける準備をした方がいいのか少し悩んでいた。

ル「悪いやつじゃねぇよ、たぶん」

『ふーん…』