外に出ればそこは先程までいた場所かと疑うぐらい地形が変わっていた。

『どうやったらこんなことに…』

ベラドンナの力よりもっと強力な力で地面が抉れ…否、陥没している。

しかも周りは火のついた石が転がっている。

ロー「これは…」

めんどくさそうな顔をしたローは目当ての人物を探す為に辺りを見渡す。

『心当たりがあるんですか？』

ロー「ああ…こんなことができるのは俺が知る限りじゃただ1人

海軍本部大将藤虎」

『大将…』

そういえば新しい大将が就任したと新聞記事に書いてあったなと思い出す。

戦いの場所は移動しているようで、扉の前には誰もいない。

しかし、敵はベラドンナだけだと思っていたが、戦闘音は数カ所から聞こえる。

『取り敢えず…』

抱えていたナミとロビンを肉雫?（みなづき）の背に乗せる。

『サニー号に行ってみんなを出してあげて

ルフィの仲間がいるから助けてくれるはず

全員出したら刀に戻って』

ぽん、と肉雫?（みなづき）の頭を撫でて行くように促すとふわふわとサニー号に向かって飛んで行った。

チ「俺ナミとロビンが心配だ

着いていってもいいか？」

『もちろん

2人をお願いね』

チョッパーはナミとロビンが未だに目を覚まさないことを心配し、肉雫?（みなづき）に続いてサニー号に帰っていった。

『さて、私はルフィのところに行きますけどどうしますか？』

ロー「俺も麦わら屋のところへ連れて行け

なにが起こってるか把握したい」

『わかりました』

恋歌が手を出せば、一瞬躊躇ったが迷ってる暇ないと思ったのか恋歌の手を握った。

ロー「（こいつ…）」

先程恋歌を支えた時も感じたが、最強と呼ばれるには小柄な身体、小さな手に驚いた。

『目と口を閉じててください』

ロー「あ、ああ」

ローが目と口を閉じた直後、ぐんっ、とものすごい力で腕を引っ張られ風が吹いたかと思えば地面にゆっくりと足がついた。

『もういいですよ』

目を開けると景色が変わっていて目の前ではルフィたちが、海兵と一緒にベラドンナと戦っている最中だった。

先ほど話していた大将と思われる人物もいる。

恋歌はローの手を離して、一度イノセンスを解いた。

『あれが新しい大将…』

ロー「重力を操る悪魔の実の能力者だ

さっきのはその力を使って隕石を落としたんだろう」

『隕石ですか…

それはまた…周りに被害が出そうな能力ですね』

もうほとんど原型が残っていない惨状に苦笑いしながら、海賊と海軍が共に戦っている異様な光景を眺める。

藤虎はたしかに強い。

ベラドンナよりも確実に強く、ルフィたちもベラドンナに勝てるだけの戦力だ。

だが、ベラドンナはどんな怪我をしてもすぐに治り反撃をしている。

それに苦戦しているルフィたちはどうすれば倒せるのかを相談しながら戦っている。

『靄をなんとかしないとあの人は倒せないみたいですね』

ロー「そうみてぇだ

だが、女の力を吸収しているという珠はお前の蹴りでも壊れなかった」

『……なにかカラクリがあるはずです』

恋歌は少し考えようか迷ったが、考えるより本人に聞いた方が早いとベラドンナに視線を向ける。

『私は参戦してきますけど、どうしますか？』

ロー「俺も行く」

2人で戦場に向けて走り出した。