とん、頭をサボに預けるように寄りかかると、どうしたらいいかわからないサボの手が背中でうろうろしているのが感じ取れた。

ニ「わたしがどんなにこの船のみんなと打ち解けようと、服装が変わろうと…


わたしに気軽に触っていい男はサボだけ」

サボ「……そっか」

ニーナの言葉を聞いてうろうろしていた手は、痛くない程度に強くニーナを抱きしめた。

ニ「わたしが先にサボのことを好きになったんだからね

サボに可愛いって思ってもらう為なら頑張れるよ」

サボ「え！？そんな話初めて聞いたぞ！？

い、いつから！？」

鈍感なサボは出会った当初からニーナがサボのことを想っていたことを知らない。

慌てたようにニーナを離すが、楽しそうに笑っているだけで答えてはくれなかった。

ニ「内緒に決まってるでしょ

鈍感でおバカなサボくん」

サボ「誰がおバカだ！」

からかうように笑われ、ニーナを捕まえようとしたがするりと躱されてしまった。

ニ「サボが想ってくれた日よりずーっと、ずっと前から好きよ」

サボ「なっ…！///」

普段簡単に好きと言わないニーナが満面の笑みで言えば、サボは一気に顔に熱が集まるのがわかった。

もう負けだと赤い顔を隠すようにしゃがみ込んだサボは、自分を落ち着かせるために大きく息をはいた。

ニ「（ずっと前から好きだしこれからもずっと大好きよ

本人には言わないけどね）」

慰めるようにサボの肩を叩くニーナはこの後仕返しをされることをこの時はまだ知らなかった。












そして、サボがニーナを意識し始めたのがニーナがサボを好きになった日時とそう変わらないということもニーナは知らない。