カ「色んな島に行って行き場をなくした人たちをこの島に連れてきました

みんなそれぞれ事情があったみたいですが、もう来てもらえるだけでよかったのでよっぽどの理由がないかぎりは受け入れていました

そうしてこの島にまた活気が溢れました

昔のように…俺が愛した時のような島に…」

満足そうに語る初代だが、それだと現状に納得がいかない。

ロ「じゃあなんで今はこんなことを？

こんな住民を苦しめるような生活をさせて…

愛してたなんて嘘なんじゃないの？」

カ「嘘じゃないですよ

このカミラはあまり気に食わないみたいですが、島を愛しているならここを出て行くことは許さない

この島で生まれたならこの島で死ぬべきなんですよ」

ロ「まさか…この島の人たちがここから出られないのって…」

カ「私たちも島と運命を共にしました

だからこそ子孫である今の住民たちもここで生まれここで死ぬ

当然だとおもいませんか？」

ローラは初代の言い方が癇に障ったのか拳を握りしめた。

ロ「そんなの…ただ押し付けてるだけじゃない！」

カ「なんですか？

押し付けてる？」

ロ「ええ、そうよ！

あんたたちがここで死んだから子孫である今ここに住んでる人たちもここで死ぬべき？

ふざけるんじゃないわ

どこで死のうと生きようとそれぞれの人生なんだから勝手にさせてあげたらいいのよ！」

怒鳴るローラに初代は肩をすくませてため息をつく。

カ「余所者にはわからないのでしょうね

我々がどれだけこの島を愛していたか」

ロ「わからないわ

そんなのわかりたくもない

確かにあんたが生きていた頃はみんながこの島を愛していたかもしれない

でもそれを今生きてる人に押し付けるのは間違ってる！

そいつだってそう思ってるから自分が領主だと名乗らなかったし、壊した店の片付けだってしてたんじゃないの？」

カ「代々領主の役目は乗り憑った部下を引き連れて島を出ようとしている者をなくすことです

だから税を重くして資金を貯めなさせないようにし、島を商売でさえ出ることは禁じました」

ロ「そんなつまらないもののためにここの人たちは今まで辛い思いをしてきたってこと…？」

カ「つまらないとはなんですか

俺はこの島がもう２度とあんなことにならないようにと工夫をですね…」

初代にはなにを言っても無駄だと感じたローラは大きくため息をついてカミラに背を向ける。