カ「もうお察しの通りこの人たちは亡くなっています

この島に勝手に入り込み、島を、森を荒らそうとした報いを受けたのです」

ロ「意味わかんないわよ！

じゃあ…じゃあなんで動いて…！！」

倒したと思っていた男たちが立ち上がり、襲って来るのを避けながら先ほどと同じように足だけを狙って撃つ。

だが、撃っても撃っても当たっているはずなのに痛みなど感じないような動きで攻撃を仕掛けられる。

カ「今した話覚えてますよね？

昔、この島の人たちはこの島をとても愛していたと」

ロ「それが…なんだってのよ！！」

カ「…死んでもなお愛しているんですよ」

ロ「は？」

カ「愛する家族と、仲間と、島と、過ごしたこの空間を

今でも愛しているんです

共に死を選ぶくらい愛したこの島を亡霊となって守ってるんです」

ロ「ゆ、幽霊が取り憑いてるってこと！？」

カミラの話はまるで御伽噺でも聞いているかのよう。

亡霊が死体に乗り憑り、邪魔者を排除する。

幽霊の存在すら信じていなかったローラには衝撃的な話でしかない。

だが目の前に広がり、自分を襲ってくる男たちはどう見ても人間ではない。

手がちぎれようと、足がちぎれようとローラに向かってくる。

最初に気配を感じれなかったのも生きた人間ではなかったと言われれば納得できる。

ロ「じゃあなんであんたは無事なのよ！」

ナイフを投げても、銃を撃ってもきりがない。

どんな怪我もものともせず向かってくる。

しかしなぜかカミラは襲わない。

カ「俺は…襲われないんですよ

俺は…俺が…この島の領主ですから…」

ロ「…ん？

ん？

え？」

あはは…、と軽く笑いながら言うカミラにローラは戦闘中であるにもかかわらず一瞬ぽかん、としてしまった。