ロ「（人数は多いけど実力は大したことないわね）」

的確に足を狙って撃っているローラは男たちの中に実力者がいないとわかり、心の何処かでほっとした。

さすがのローラと言えど1人でも実力者がいた場合は人数の関係もあり危なかったからだ。

カ「さすが…白髭海賊団のクルーですね」

ロ「お褒めに預かり光栄よ

それで？あんたはあたしを騙してたってことかしら？」

カ「……騙してた？」

ロ「だってそうでしょう？

この場所のことはあんたしか知らないはずなのにこんなに大勢の仲間で待ち伏せて」

カ「そうですね…

言い方が悪かったかもしれません」

ロ「？」

カミラと話しながらも最後の1人の足を撃ち抜き、銃をホルスターに仕舞う。

カ「この場所を知っている”生きた”人間はこの島で俺だけなんですよ」

ロ「”生きた”？」

カミラの言っている意味がわからないローラは首を傾げるが、倒した男が立ち上がる気配を感じてまた銃を抜く。

ロ「しつこいわね」

カ「何度やっても倒せませんよ」

ロ「は？」

カミラの忠告は一瞬遅く、ローラは先ほど撃った足とは反対方向の足を撃ち抜いた。

カ「言いましたよね？

この場所を知っている”生きた”人間は俺だけだって」

ロ「そうね」

カ「…だからここにこの人たちがいるのはおかしいと思いませんか？」

ロ「……なにが言いたいの」

カ「”生きた”人間でここを知っているのは俺だけ

ということはこの人たちは？」

ロ「まさか…で、でも動いてるじゃない！」

カ「そうですね

でも…」

ロ「！！」

ひんやりとした感触が足首に巻きついたため背筋に寒気がはしった。

声にならない悲鳴。

ローラの足首にあるのは先ほど撃った男の手。

それは驚くほど冷たく人間の体温では有りえない。

向けられた目は陥没し、眼球はすでになかった。

ほぼ反射的に掴まれていた腕を撃ち抜いて後退りする。

だが両足を撃ち抜かれ、片腕もなくした男は体を引きずるようにローラとの距離を縮めてくる。