ロ「今回は自由行動か」

隊長であるエースが今回の島では自由行動だと告げたためぱらぱらと島におりて行く。

遠くの方でエースと恋歌、サボとニーナが４人で降りて行くのを見てローラも気分転換に降りることにした。

マ「掃除は終わったのかよい」

ロ「もちろんです」

マ「今度は騒ぎを起こしてくれるなよ」

ロ「…善処はします」

タラップに足を掛けたところでマルコに声をかけられたが喧嘩しない保証はないため曖昧な返事を返すとため息が聞こえたが聞かなかったことにして島へと上陸した。









ロ「（なんとなく1人で出てきちゃったけど1人じゃつまんないわね）」

今回上陸した自然に囲まれたこの街は治安もまぁまぁ良いようで商店街は活気がある。

呼び込みの声に足を止めて商品を見たり、白ひげへのお土産になにか買っていこうかと物色しているとたまたま聞こえた耳障りな音。

「だから！！ここは領主様の土地だっつってんだよ！」

「ここで店を出したかったら場所代払えっていつも言ってんだろ？」

「し、しかしこの島は全ての土地が領主様のもの

家の土地代も払っていますしこれ以上は…」

がちゃーん、と派手な音を立てて店がひとつ潰れる。

その様子を見ていても誰も助けない。

むしろ店じまいを始めるところの方が多かった。

「そ、それを壊されると売るものが…！」

男数人で跡形もないくらいに破壊し尽くすと店主の胸ぐらを掴み持ちあげる。

「口答えするな

壊されたくなかったら場所代を払うこった」

店主を殴るために握られた拳を高く振り上げた。

反射的に目を瞑った店主だったが、いつまでたっても衝撃は来ない。

ロ「胸糞悪いからあたしが怒らないうちにお家に帰りなさい」

「は？」

振り上げた拳を掴んで止めているのは若い女。

「（こいつ…）」

華奢な身体に似つかない握力で掴まれたところをぎりぎりと力を込めて握られる。

その力に驚いた男は店主を離した。

ロ「賢明な判断ね

さ、さっさと帰りなさい」

店主を離したことを確認して男への威嚇をやめたローラはこれ以上関わりたくないと言わんばかりにくるっと、背を向けた。

「おい、このまま大人しく帰すとでも思ってんのか」

予想通りすぎる展開にローラははぁ、っと重苦しいため息をひとつはいた。

ロ「あたしあんまり騒ぎを起こしたくないんだけど

また掃除するの嫌だし」

「わけわかんねぇこと言ってんじゃねぇよ」

ロ「どうしてもってなら人の少ない目立たないとこに行くわよ」

「いいだろう」

「お、お嬢さん…

やめておいた方が…」

話がとんとん拍子に進み、もう移動を開始している自分を救ってくれた女に声をかけるが、笑って大丈夫だと返される。

ロ「あたしのことは気にしないでいいわ

ただ、あいつらにむかついて勝手にしてることだし」

そう言って男たちについていく女の足に世界最強と名高いマークがあることに気づく。

「ま、まさかあんた…

あの白ひげの…」

しー、っと口に人差し指をあてて綺麗に笑った女は今度こそ振り返ることなく男たちについてった。