恋愛は難しい。

誰よりも、何よりも幸せになって欲しい人がいるのにその人の傍にいれなかったり、離れ離れになったり。

喧嘩したり、すれ違ったり。

たとえ人を好きになったとしてもその人と結ばれる確率はごく僅か。

愛するという感情と憎む感情は全く違うようで紙一重の感情。

運命なんて言葉じゃ軽いかも知れないけどある2人が出逢えたことも、恋に落ちたのも、恋人になれたことも、夫婦になれたこともこの世界では奇跡…と呼ぶのだろう。

その奇跡がいつか自分自身にも訪れると信じて…










ロ「（ふぅ、なんか今の私には無縁の言葉ばかりでてきたわね）」

パタン、と読んでいた本を閉じて本棚に直すのはエース率いる２番隊隊員ローラだ。

普段読書など殆どしない彼女が本を開いたのは、書庫の整理をマルコに言いつけられたからである。

ロ「（ったく、ちょーっと喧嘩しただけなのに…）」

この間街に降りた時に、白ひげのことをバカにした発言をした者と喧嘩をしてしまったことが事の発端である。

喧嘩と言ってもローラに怪我はなく、相手側に少し怪我があったぐらいだが。

原因はどうであれ自分より弱いものを傷つけたことと、発砲して騒ぎをおこしたことをマルコに怒られ罰として書庫の整理を命じられたのだ。

しかし、ローラの気持ちもわからないではないマルコだったので”やるならもう少し静かにバレないようにやれ”との有難い助言もいただいた。

そしてある程度片付いたのでふと目についた本を開いてみると書いてあったのが冒頭の文。

ロ「（恋愛ねぇ…

したいけど相手がいないんじゃねー）」

のろのろと残りを片付けるために動き始めたローラだったが、先ほどの本の内容が気になってしまう。

ロ「（運命か…

私にもそんな風に思える人がいつか現れるのかな…）」

ふと脳裏ある1人の女がよぎる。

ロ「（運命とかって言葉はあいつに一番似合うかもね

好きじゃないけどわたしの居場所を守ってくれたことには感謝してるし…

ま、本人には絶対言ってやらないけど）」

それから30分ほど片付けをしていると見張り台からの”島が見えた”という声が聞こえてきたため、適当に残りを片付けて書庫から出た。