「「きゃー!!」」

海に飛び込んだ恋歌を見てナースたちが悲鳴をあげる。

「なんだ!?」

「どうした!?」

宴をしていた隊員もナースの悲鳴が聞こえて駆けつけてくる。

マ「どうしたんだよい」

人混みを抜けてマルコが悲鳴をあげたナースに尋ねる。

「あの…金髪の…女の子が…」

マ「金髪？

恋歌かよい？」

「多分…その子が…」

エ「恋歌がどうしたって？」

傍観していたエースも恋歌の名前が出てきたことで雰囲気がかわる。

「海に…」

ナースが震えながら海を指差した。

それで察したのかマルコは慌てて海面を見る。

まだ微かに波紋が広がっている。

マ「まだ落ちてからそう時間は経ってないみたいだよい！

全員、海を照らせよい！

泳げる隊長は救助に当たれ!!」

マルコの指示に恋歌が落ちたと悟った白ひげ海賊団は宴を中断して慌ただしく動く。

ローラも何事もなかったかのようにそれに従う。

エ「なんで海に…」

そんなヘマをするとは到底考えられないエースは船から海面を見つめる。

エ「海ん中じゃ…守れねぇだろ…!!」

エースの悔しそうな声は誰にも届くことはなかった。











『(どこ…

この辺のはずなんだけど…)』

一方海の中の恋歌はイヴの変身(トランス)能力で人魚(マーメイド)になり海の中を探していた。

あの髪飾りにも気配がするようにはしてあったのだが、小さい上に暗いため見えないのだ。

『(なに？)』

暫く気配のするあたりを探していると上から光が射してきた。

それは隊員たちがマルコに指示されて照らした光だった。

その光に反射して近くに光るものが見えた。

『(あった！)』

髪飾りをつかんだのと同時に恋歌の腕も誰かに掴まれた。

『(ビスタさん？)』

ビスタは恋歌を抱えると海面に向かって泳いでいく。








ビ「見つけたぞ！」

海面に上がった途端船に向かってビスタがそう叫んだ。

ビ「恋歌、その人魚になっているやつ戻しとけよ

隊長たちならともかく隊員に見られては説明できんからな」

『わかりました』

それから船から出ている梯子を恋歌を背負いながらビスタが登ってくれ、船に帰ることができた。