サッチ「くそっ！

なんでもこい！」

腹をくくったとでも言うようにサッチが恋歌の正面に座る。

『命令…』

何にするか悩んでいるのか顎に手をあてて考えている。

ハ「別に無理難題押し付けてもいいんだよ」

エ「リーゼント切れとかな！」

サッチ「バカ野郎！これは俺の命だぞ！」

サッチはリーゼント切るのだけは止めてという目線を恋歌に送るが、考えているようでサッチの目線に気づいていない。

『リーゼント…リーゼント…』

不吉な呟きが聞こえたサッチは顔を真っ青にする。

イ「本当に切るつもりだろうか」

ジ「さぁな

だが逃げたところで恋歌からは逃げられん」

『決めました、サッチさん』

サッチ「はい！」

『そのリーゼント…』

恋歌の次の言葉を唾を飲み込んで待つ。

『触らせてください』

サッチ「へ？」

あまりにも拍子抜けな言葉にサッチは間抜けな声をだす。

サッチ「そ、それだけ？」

『はい

一度触ってみたいと思ってたんです

嫌ですか？』

サッチ「あ、いや、どうぞ」

エ「ちぇっ、やっぱり恋歌は切らねぇか」

つまらなそうに言うエースにサッチが睨んだが、エースは冗談だと笑ってやり過ごした。

『じゃあ失礼しまーす』

サッチに近づいて座り、リーゼントに手を伸ばす。

ワックスなどで固められた髪は恋歌がぽんぽんと触ったぐらいでは崩れもしなかった。

『おおー』

少し感動している様子の恋歌に隊長たちは笑う。

ハ「恋歌もあんなフランスパン触りたいなんて変わってるよね」

イ「まぁ姫さんが楽しそうだからいいんじゃないか？」

ジ「あいつの髪形がはじめて人の役にたったな」

エ「いつもはただ邪魔なだけだもんな」

散々な言われようにサッチは怒鳴ろうとしたが目の前に恋歌がいることを思い出して止めた。

目を輝かせて自分の髪形に触れている妹が楽しそうならいいかと自身を落ち着かせるために深呼吸をした。











サッチ「次いくぞ！」

罰ゲームの終わったサッチがまたトランプを配り出して二回戦を始めようとしている。

他の隊長もやる気のようですでに配置についている。

サッチ「次は勝つ！

そんでお前らに罰ゲームやらせてやる！」