恋歌が泣きはじめてから暫くするとジンベエに聞いた話をぽつりぽつりと話はじめた。

エースはその話を軽く相槌をうちながら最後まで静かに聞いていた。

だが内心エースも驚いていた。

でも恋歌のことを思って焦る心を隠した。

『私のせいで…たくさんの関係のない人が死んだの…

私が…帰ってきたって、まだ生きてるって…あんなことしたから…

でも…』

あんなことというのは海軍本部に乗り込んだ時の話だろう。

それが桜姫が復活したと全世界に知らせる結果となった事件だからだ。

でもそれを後悔していないからこそ様々な思いに葛藤しているのだろう。

本部に乗り込まなければ白ひげのことを悪く言われたままだった、しかしそれによって黒髭にも知られたくさんの命が失われた。

エ「恋歌は間違ったことを何一つしてねぇよ

俺たちとした約束のために帰ってきてくれて、俺たちのために怒って海軍本部まで行ってくれた

それを間違ってるとは思わねぇ」

『でも…』

エ「気にすんなとは言わねぇし恋歌にはそう言っても気にするだろうしな

だからさ、俺たちを頼れよ」

『え？』

エ「俺たちは家族だ

恋歌が望むならどれだけだって力を貸す

いつも俺たちを想って怒ったり、戦ったりしてくれてんだ

たまには俺たちにも何かさせてくれよ」

抱き寄せていた恋歌の頭を軽くぽんぽんと撫でるとエースは恋歌の腕を引いて立ち上がる。

エ「いろいろお節介なやつらも聞き耳たててたみたいだしな」

エースが呆れたように、でもどこか嬉しそうに笑いながら扉に視線を向けると慌てたような足音がいくつも遠ざかっていくのが聞こえた。

エ「な？みんな恋歌が心配なんだよ」

『心配…かけちゃったね…』

エ「さ、まずは帰ってきたこと親父に報告しに行くか」

『うん…』

嬉しそうに笑う恋歌の手を引いて薄暗い倉庫から二人で外に出た。

















白「グララララ！

帰ってきてそうそう引きこもるたぁ珍しいじゃねぇか！」

船長室に入ったとたんに大声でそう言われた恋歌は白ひげには既に誰かが報告したんだなと理解した。

『聞いてほしいことがあるの』

真剣な目をした恋歌に白ひげは笑うことを止め、恋歌の目を見返す。

白「なんだ」

『今、ルフィの仲間のジンベエに聞いてきた話なんだけど…』

恋歌は白ひげに先ほどエースに話したことを全て話した。