事務の仕事の段
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小平太と長次に部屋まで送ってもらい、寝る準備をしようと布団を敷いたところで襖をこんこんと軽く叩く音が聞こえた。
「夜分遅くにごめんね
少しだけ話、いいかな?」
襖を叩いたのは雑渡昆奈門だったようで、部屋の主の許可があるまで開ける様子はない。
『はい、大丈夫ですよ』
恋歌からの許可がでれば、襖を開けて中に入ってもよいかとジェスチャーで聞いてきたためどうぞと入室を促した。
向かい合わせに座り、雑渡が懐から一枚の紙を恋歌に渡した。
「さっき学園長先生と話をしてきたんだけど、君の茶店を少し利用させてもらいたいと思ってる」
『わたしの店をですか…?』
「うん、実はあの近くでタソガレドキが追っている人物が潜伏してるっていう情報をつかんでね
捕らえたりすることは簡単なんだけど、たぶん捕まえちゃうと欲しい情報を手に入れる前にまずいことになりそうなんだよね」
『…忠誠心の厚い方なんですね』
「話が早くて助かるよ」
つまり捕まえるだけでは拷問などをする前に自害をしてしまう、ということなのだろう。
それではタソガレドキが欲しがっている情報は手に入らない。
「そこで君の茶店を利用させて欲しいんだ」
『わたしの店と何か関係があるのですか?』
「わたしたちが手に入れた情報によるとそいつ、甘味に目がないらしいんだよ」
『なるほど…でもその方がくるかどうかはわからないのではないですか?』
近くに潜伏しているということはわかったとしても恋歌の茶店に来るかどうかはわからない。
「そこはわたしたちの腕の見せどころ
君の店の評判を広げてそいつが店に来るように仕向ける」
『わかりました
お休みの日であればお店を開けることはなんの問題もありません
ただ、こちらからもお約束していただきたいことがあるのですがよろしいですか?』
「もちろん」
『いつも忍術学園の良いこたちにお店を手伝ってもらっています
その子たちに被害なく、悟られないようにしていただきたいのです』
「そこは安心してよ
わたしたちだって忍たまたちを怖がらせるつもりはないからね」
『それを守っていただけるのであれば問題ありません
日程を教えていただければその日にお店を開けられるように準備をします』
「助かるよ
学園長先生からは君の判断に任せると言われてしまってね
勝手に店を使うのも気が引けるし…」
勝手に店を利用することもできただろうが、きちんと話をしにきてくれただけで十分義理を通してくれている。
『ところで、この紙はなんでしょう』
「ああ、うちからの報酬だよ
そこから必要経費なんかも出して欲しいけど、もし足りなければ請求してくれたら出すし
その金額で問題なければ忍務完了後に渡すからさ」
そう言われておそるおそる受け取った紙を開くと、そこには平民が5年間は働かずとも生きていけるであろう金額が書かれていた。
『こんな大金いただくわけにはいきません
甘味作りもわたしの趣味の範囲ですし、先ほどの条件を守っていただければそれだけで十分です』
「まぁまぁそう言わず
これで忍たまたちに美味しいお菓子作ってあげてよ」
『…わかりました、ありがとうございます』
これ以上不要だと伝えても無駄なのだとわかり、素直に好意として受け取ることにした。
「また日程が決まれば伝えるよ
それまでは普通にお店もしてくれていいからね」
『わかりました』
「じゃあ話もできたしそろそろわたしは行かせてもらうよ
若い娘さんの部屋にこんな時間に長居するわけにはいかないからね」
『お気になさらず
お気をつけて』
雑渡が本気を出せばどれだけ警戒していようと逃げることはできない。
「うん、じゃあまた来るよ」
雑渡がひらりと身を翻してから恋歌が瞬きをひとつをすると、雑渡はその場からいなくなっていた。
「夜分遅くにごめんね
少しだけ話、いいかな?」
襖を叩いたのは雑渡昆奈門だったようで、部屋の主の許可があるまで開ける様子はない。
『はい、大丈夫ですよ』
恋歌からの許可がでれば、襖を開けて中に入ってもよいかとジェスチャーで聞いてきたためどうぞと入室を促した。
向かい合わせに座り、雑渡が懐から一枚の紙を恋歌に渡した。
「さっき学園長先生と話をしてきたんだけど、君の茶店を少し利用させてもらいたいと思ってる」
『わたしの店をですか…?』
「うん、実はあの近くでタソガレドキが追っている人物が潜伏してるっていう情報をつかんでね
捕らえたりすることは簡単なんだけど、たぶん捕まえちゃうと欲しい情報を手に入れる前にまずいことになりそうなんだよね」
『…忠誠心の厚い方なんですね』
「話が早くて助かるよ」
つまり捕まえるだけでは拷問などをする前に自害をしてしまう、ということなのだろう。
それではタソガレドキが欲しがっている情報は手に入らない。
「そこで君の茶店を利用させて欲しいんだ」
『わたしの店と何か関係があるのですか?』
「わたしたちが手に入れた情報によるとそいつ、甘味に目がないらしいんだよ」
『なるほど…でもその方がくるかどうかはわからないのではないですか?』
近くに潜伏しているということはわかったとしても恋歌の茶店に来るかどうかはわからない。
「そこはわたしたちの腕の見せどころ
君の店の評判を広げてそいつが店に来るように仕向ける」
『わかりました
お休みの日であればお店を開けることはなんの問題もありません
ただ、こちらからもお約束していただきたいことがあるのですがよろしいですか?』
「もちろん」
『いつも忍術学園の良いこたちにお店を手伝ってもらっています
その子たちに被害なく、悟られないようにしていただきたいのです』
「そこは安心してよ
わたしたちだって忍たまたちを怖がらせるつもりはないからね」
『それを守っていただけるのであれば問題ありません
日程を教えていただければその日にお店を開けられるように準備をします』
「助かるよ
学園長先生からは君の判断に任せると言われてしまってね
勝手に店を使うのも気が引けるし…」
勝手に店を利用することもできただろうが、きちんと話をしにきてくれただけで十分義理を通してくれている。
『ところで、この紙はなんでしょう』
「ああ、うちからの報酬だよ
そこから必要経費なんかも出して欲しいけど、もし足りなければ請求してくれたら出すし
その金額で問題なければ忍務完了後に渡すからさ」
そう言われておそるおそる受け取った紙を開くと、そこには平民が5年間は働かずとも生きていけるであろう金額が書かれていた。
『こんな大金いただくわけにはいきません
甘味作りもわたしの趣味の範囲ですし、先ほどの条件を守っていただければそれだけで十分です』
「まぁまぁそう言わず
これで忍たまたちに美味しいお菓子作ってあげてよ」
『…わかりました、ありがとうございます』
これ以上不要だと伝えても無駄なのだとわかり、素直に好意として受け取ることにした。
「また日程が決まれば伝えるよ
それまでは普通にお店もしてくれていいからね」
『わかりました』
「じゃあ話もできたしそろそろわたしは行かせてもらうよ
若い娘さんの部屋にこんな時間に長居するわけにはいかないからね」
『お気になさらず
お気をつけて』
雑渡が本気を出せばどれだけ警戒していようと逃げることはできない。
「うん、じゃあまた来るよ」
雑渡がひらりと身を翻してから恋歌が瞬きをひとつをすると、雑渡はその場からいなくなっていた。
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