事務の仕事の段
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『戸部先生、入ってもよろしいでしょうか?』
「ああ、入りなさい」
目的の戸部の部屋に辿り着き、入室許可が出てから中に入れば部屋の中で何かを書いている戸部と視線が合った。
「珍しいな
わたしに何か用事か?」
『はい、吉野先生からこちらを記入して欲しいと言われまして』
「どれ…」
吉野から託された書類を戸部に渡すと、何か嫌なことを思い出したのか眉間に皺を寄せてため息をついた。
「抜けていたか、すまんな
これを書いていた時に…その…少し取り込んでいてな
望まぬ客人…とも呼びたくない奴が来ていたもので…」
『そういった事情であれば仕方ありません
吉野先生も怒っておられるわけではないので大丈夫かと思います』
「そうか
これで大丈夫だろうか」
さらさらと筆を走らせた戸部は抜けていた箇所を埋め、書類を恋歌へと手渡した。
『はい、問題ありません
ありがとうございます』
「手間をかけた
ところで恋歌くん、土井先生から一度君に稽古を、と言われているのだが聞いているか?」
『いえ…初耳です』
護身術という名目で1年は組が実技の授業中は土井の実技授業を受けている。
だが、それを戸部にも依頼していたとは知らず、ぱちりと目を瞬かせればにやりと戸部が口元に笑みを浮かべた。
「わたしはこの忍術学園の剣術師範
その目でわたしの剣術を見れば、目に見える範囲であれば大抵の攻撃を避けることができるはずだ」
『…なるほど
ですが、戸部先生の剣術は…剣豪と呼ばれるほどの実力であると聞いております
それを…わたしが“見る”のは…』
「剣豪と言われていようとまだまだ修行する必要がある身だ
わたしより強い剣豪はたくさんいる
それに君のその細腕ではわたしと同じ動きができても相手を斬ることはできまい」
あくまでも恋歌の目は動きの模倣。
恋歌には戸部と同じ筋力はない。
「土井先生からも言われているはずだ
生きる力を身につけて欲しいと」
『…ありがとうございます
お心遣いに感謝いたします』
「わたしは忍びではないからな
対忍びのことは土井先生から学び、対忍び以外はわたしから学ぶといい」
『はい、よろしくお願いします』
戸部から剣術を習う日取りを決め、今は事務員の仕事に戻るようにと言われたため書類を持って退室した。
真っ直ぐに事務室へ戻り、その後は3人でお茶を飲みがら休憩をし、1日の事務仕事を終え自室への廊下を歩いている時間はすでに夕陽となっている頃。
今から1年は組の良い子たちと夕飯を作り、何もすることがなければ湯浴みをして、土井から出された宿題を終わらせてから寝るだけ。
平和すぎる日々にいずれ醒めてしまう夢なのではないかと思ってしまう時もあるが、何度寝て起きてもこの夢は覚めない。
事務員としての仕事も小松田も吉野も簡単なことから覚えていけばいいと優しく仕事を教えてくれる。
『(侵入者だ…行ったほうがいいかな…)』
小松田の探知能力も模倣しているため、今し方忍術学園の塀を越えた侵入者の気配を察知できたが、向かった方がいいかと一瞬考え、万が一小松田が落とし穴にでもはまって侵入者の元まで辿り着けていなければいけないと、寝巻きに羽織ものをし、サングラスをかけてから侵入者の元へと向かった。
『(侵入者は…と)』
入門票に名前を書いていない人物だけを感じ取ることのできる不思議な能力のおかげで、すぐに茂みに隠れている侵入者を見つけることができた。
一応辺りを見渡してみたが小松田の姿はない。
『あのー…すみません』
「え!?おれ!?」
『はい、入門票にサインお願いします』
「え…あ、はい」
持ってきていた入門票を渡せば少し戸惑いながらも名前を書いてから入門票を恋歌へ手渡した。
『ありがとうございます
ちなみに御用件はなんでしょうか』
「御用件ってあんた…
まぁいい
学園長の暗殺だよ!」
『そうですか
それは良くありませんね』
「いや、良いとか悪いとかそういう話じゃ…」
暗殺は依頼主からすれば良いことで、忍術学園の人間からすれば悪いこと。
だが、そんなわかりきったことを伝えると、恋歌はきょろと辺りを見渡した。
『誰もいないか…
少しここでお待ちください』
「はぁ?」
誰もいない場所から侵入したのだから周りに誰もいなくても当然だと思ったが、なぜかおとなしくその場で恋歌が戻ってくるのを待つ。
「(なんで待ってんだろ…)
…う、うわ!!」
ぼー、っと空を見上げながら待っていると、突然足元に数本苦無が突き刺さりそれに驚いて尻もちをついてしまった。
「あいつが侵入者ですか?」
『うん、学園長先生の暗殺に来たんだって』
「なるほど」
「って!!誰!?」
あいつ、と指をさしているのは小平太で、恋歌の側についていてくれているのは長次。
くるくると手元で苦無を回しながら品定めをするように小平太が侵入者の忍者を見下ろす。
「ああ、入りなさい」
目的の戸部の部屋に辿り着き、入室許可が出てから中に入れば部屋の中で何かを書いている戸部と視線が合った。
「珍しいな
わたしに何か用事か?」
『はい、吉野先生からこちらを記入して欲しいと言われまして』
「どれ…」
吉野から託された書類を戸部に渡すと、何か嫌なことを思い出したのか眉間に皺を寄せてため息をついた。
「抜けていたか、すまんな
これを書いていた時に…その…少し取り込んでいてな
望まぬ客人…とも呼びたくない奴が来ていたもので…」
『そういった事情であれば仕方ありません
吉野先生も怒っておられるわけではないので大丈夫かと思います』
「そうか
これで大丈夫だろうか」
さらさらと筆を走らせた戸部は抜けていた箇所を埋め、書類を恋歌へと手渡した。
『はい、問題ありません
ありがとうございます』
「手間をかけた
ところで恋歌くん、土井先生から一度君に稽古を、と言われているのだが聞いているか?」
『いえ…初耳です』
護身術という名目で1年は組が実技の授業中は土井の実技授業を受けている。
だが、それを戸部にも依頼していたとは知らず、ぱちりと目を瞬かせればにやりと戸部が口元に笑みを浮かべた。
「わたしはこの忍術学園の剣術師範
その目でわたしの剣術を見れば、目に見える範囲であれば大抵の攻撃を避けることができるはずだ」
『…なるほど
ですが、戸部先生の剣術は…剣豪と呼ばれるほどの実力であると聞いております
それを…わたしが“見る”のは…』
「剣豪と言われていようとまだまだ修行する必要がある身だ
わたしより強い剣豪はたくさんいる
それに君のその細腕ではわたしと同じ動きができても相手を斬ることはできまい」
あくまでも恋歌の目は動きの模倣。
恋歌には戸部と同じ筋力はない。
「土井先生からも言われているはずだ
生きる力を身につけて欲しいと」
『…ありがとうございます
お心遣いに感謝いたします』
「わたしは忍びではないからな
対忍びのことは土井先生から学び、対忍び以外はわたしから学ぶといい」
『はい、よろしくお願いします』
戸部から剣術を習う日取りを決め、今は事務員の仕事に戻るようにと言われたため書類を持って退室した。
真っ直ぐに事務室へ戻り、その後は3人でお茶を飲みがら休憩をし、1日の事務仕事を終え自室への廊下を歩いている時間はすでに夕陽となっている頃。
今から1年は組の良い子たちと夕飯を作り、何もすることがなければ湯浴みをして、土井から出された宿題を終わらせてから寝るだけ。
平和すぎる日々にいずれ醒めてしまう夢なのではないかと思ってしまう時もあるが、何度寝て起きてもこの夢は覚めない。
事務員としての仕事も小松田も吉野も簡単なことから覚えていけばいいと優しく仕事を教えてくれる。
『(侵入者だ…行ったほうがいいかな…)』
小松田の探知能力も模倣しているため、今し方忍術学園の塀を越えた侵入者の気配を察知できたが、向かった方がいいかと一瞬考え、万が一小松田が落とし穴にでもはまって侵入者の元まで辿り着けていなければいけないと、寝巻きに羽織ものをし、サングラスをかけてから侵入者の元へと向かった。
『(侵入者は…と)』
入門票に名前を書いていない人物だけを感じ取ることのできる不思議な能力のおかげで、すぐに茂みに隠れている侵入者を見つけることができた。
一応辺りを見渡してみたが小松田の姿はない。
『あのー…すみません』
「え!?おれ!?」
『はい、入門票にサインお願いします』
「え…あ、はい」
持ってきていた入門票を渡せば少し戸惑いながらも名前を書いてから入門票を恋歌へ手渡した。
『ありがとうございます
ちなみに御用件はなんでしょうか』
「御用件ってあんた…
まぁいい
学園長の暗殺だよ!」
『そうですか
それは良くありませんね』
「いや、良いとか悪いとかそういう話じゃ…」
暗殺は依頼主からすれば良いことで、忍術学園の人間からすれば悪いこと。
だが、そんなわかりきったことを伝えると、恋歌はきょろと辺りを見渡した。
『誰もいないか…
少しここでお待ちください』
「はぁ?」
誰もいない場所から侵入したのだから周りに誰もいなくても当然だと思ったが、なぜかおとなしくその場で恋歌が戻ってくるのを待つ。
「(なんで待ってんだろ…)
…う、うわ!!」
ぼー、っと空を見上げながら待っていると、突然足元に数本苦無が突き刺さりそれに驚いて尻もちをついてしまった。
「あいつが侵入者ですか?」
『うん、学園長先生の暗殺に来たんだって』
「なるほど」
「って!!誰!?」
あいつ、と指をさしているのは小平太で、恋歌の側についていてくれているのは長次。
くるくると手元で苦無を回しながら品定めをするように小平太が侵入者の忍者を見下ろす。