事務の仕事の段
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ある程度安全な場所にある床に散らばった備品は回収し終わり、あとは棚を戻してからの方がいいだろうと上級生の留三郎か守一郎を待つことになった。
『食満くんは呼びに行かなくて大丈夫?』
「けっ、食満用具委員会委員長は本日修補の作業があるのでわたしたちに用具倉庫に集まるようにと指示されましたので、もう少しでいらっしゃるかと」
『そうなんだ
修補の作業があったのに仕事増やしちゃってるね…ごめんなさい…』
「いやいや、恋歌さんが謝ることじゃないですよ」
「そうそう、小松田さんが悪いんですよ」
「で、でも…食満先輩怒るかな…」
『その時はわたしが謝るよ』
平太が留三郎の怒った姿を想像したのかぶるりと震えたが、用具委員たちは誰も悪くないため大丈夫だと平太の頭を撫でてやればへへへ、と笑顔を向けてくれた。
(ビビりの平太が懐いてる…
あー…食満先輩、浜先輩!早く来てくれぇ!)
恋歌が嫌なわけではないが大人の女性にどのように接していいかわからない作兵衛は、なかなか来ない上級生たちに少しイラついたが、遠くから待ち望んだ2人が歩いてくるのが見えてぱぁっと顔を輝かせた。
「あれ?恋歌さんどうされたのですか?」
いつものメンバーの中に事務員の服を着た恋歌がいることに気づき、なにか必要な物があるのだろうかと首を傾げる。
『えっと…ごめんなさい
ちょっとぐちゃぐちゃになっちゃって…』
「へ…?」
申し訳なさそうに謝りながら指をさされたのは用具倉庫。
それに嫌な予感がした留三郎は急いで用具倉庫の中を確認し、びしりと身体が固まった。
「恋歌さんじゃないですよ!」
「そうです!小松田さんです!」
「ああ…わかってる…」
しんべヱと喜三太が留三郎が怒る前に恋歌ではないと伝えようと声をあげたが、留三郎も恋歌がやったことではないと何となくわかっていたのか大きなため息をついた。
「よし、お前たちまずは用具倉庫を片付けるぞ
その前に守一郎、恋歌さんに挨拶だ」
「は、はい!
初めまして、4年ろ組の浜守一郎です!!」
『初めまして恋歌です』
「浜先輩…そこまで声は大きくなくても聞こえてます…」
目の前にいるというのに大声で挨拶をした守一郎だったが、にこにこと笑顔で恋歌が差し出した手を握り返してくれた。
「よし、お前たちちょっと用具倉庫から出ていろ」
そう言って1人で用具倉庫に入った留三郎は、棚を全て元の位置に戻した。
『食満くん力持ちだね…』
「え…?そ、そうですか?」
『うん、すごいよ
かっこいいね』
「食満先輩はかっこいいんです!」
「武闘派用具委員長ですから!」
重そうな棚を1人で軽々と元の位置に戻したのを見て、すごいすごいと褒めてくれる恋歌と後輩たちに留三郎は照れ臭そうに頭に手を当てた。
「と、ところでこの書類は小松田さんが落とされたものですか?」
『うん、ありがとう
あと何枚かあるはずだから回収させてもらってもいい?』
「もちろんです
まだ散らばっている用具もあるので気をつけて下さい
守一郎、作兵衛、お前たちも手伝え」
「「は、はい!」」
「しんべヱ、喜三太、平太は修補する道具を持ってきてくれ」
「「「はーい」」」
留三郎の指示に従って二手に分かれ、1年生3人は修補する道具を取りに走っていき、残りの4人で用具倉庫へ入った。
散らばった縄梯子や桶を拾い、それを元の位置に戻していく。
その間に見つかった書類は1箇所にまとめて置き、黙々と作業を続けたおかげですぐに用具倉庫内は元通りになった。
「ふぅ…あとは在庫確認をして全部揃っていれば問題ないな
書類は全部ありそうですか?」
『うん、聞いてた枚数ちゃんとあるみたい
助けてくれてありがとう』
「こちらこそ倉庫内の片付け、手伝っていただいてありがとうございました」
『じゃあこれ吉野先生に持って行かなくちゃいけないから行くね』
ひらひらと手を振って帰っていく背中を見送ると、作兵衛が止めていた息を全てはくかのように長く息をはいた。
「どうしたんだ?作兵衛」
「いえ…なんだか緊張しちまって…」
「ああ…恋歌さん綺麗な人だもんなー」
「いえ!そういう…いや、それもありますけど…
なんていうかこう…少し近寄りがたいというか…
うまく言い表せねぇんですが…
あの目…綺麗なだけじゃないように思えて…」
「そうかぁ?
優しそうな人だけどなぁ」
「平太が懐いてたんで優しい人なんだろうな、ってのは…なんとなく…」
「まぁいいじゃないか、守一郎、作兵衛
優しい人なのは間違いない
そうでなければ小松田さんの散らかした用具倉庫を片付けようなどとは思わん」
「「そ、それは確かに…」」
あながち作兵衛の直感も当たっているな、と留三郎は思ったがそれを口にも顔にも出すことはない。
同輩が月のようだ、と表現したあの瞳は神の目。
見られて緊張すると感じるのも無理はない。
「さぁ、今日の修補に取り掛かるぞ」
『食満くんは呼びに行かなくて大丈夫?』
「けっ、食満用具委員会委員長は本日修補の作業があるのでわたしたちに用具倉庫に集まるようにと指示されましたので、もう少しでいらっしゃるかと」
『そうなんだ
修補の作業があったのに仕事増やしちゃってるね…ごめんなさい…』
「いやいや、恋歌さんが謝ることじゃないですよ」
「そうそう、小松田さんが悪いんですよ」
「で、でも…食満先輩怒るかな…」
『その時はわたしが謝るよ』
平太が留三郎の怒った姿を想像したのかぶるりと震えたが、用具委員たちは誰も悪くないため大丈夫だと平太の頭を撫でてやればへへへ、と笑顔を向けてくれた。
(ビビりの平太が懐いてる…
あー…食満先輩、浜先輩!早く来てくれぇ!)
恋歌が嫌なわけではないが大人の女性にどのように接していいかわからない作兵衛は、なかなか来ない上級生たちに少しイラついたが、遠くから待ち望んだ2人が歩いてくるのが見えてぱぁっと顔を輝かせた。
「あれ?恋歌さんどうされたのですか?」
いつものメンバーの中に事務員の服を着た恋歌がいることに気づき、なにか必要な物があるのだろうかと首を傾げる。
『えっと…ごめんなさい
ちょっとぐちゃぐちゃになっちゃって…』
「へ…?」
申し訳なさそうに謝りながら指をさされたのは用具倉庫。
それに嫌な予感がした留三郎は急いで用具倉庫の中を確認し、びしりと身体が固まった。
「恋歌さんじゃないですよ!」
「そうです!小松田さんです!」
「ああ…わかってる…」
しんべヱと喜三太が留三郎が怒る前に恋歌ではないと伝えようと声をあげたが、留三郎も恋歌がやったことではないと何となくわかっていたのか大きなため息をついた。
「よし、お前たちまずは用具倉庫を片付けるぞ
その前に守一郎、恋歌さんに挨拶だ」
「は、はい!
初めまして、4年ろ組の浜守一郎です!!」
『初めまして恋歌です』
「浜先輩…そこまで声は大きくなくても聞こえてます…」
目の前にいるというのに大声で挨拶をした守一郎だったが、にこにこと笑顔で恋歌が差し出した手を握り返してくれた。
「よし、お前たちちょっと用具倉庫から出ていろ」
そう言って1人で用具倉庫に入った留三郎は、棚を全て元の位置に戻した。
『食満くん力持ちだね…』
「え…?そ、そうですか?」
『うん、すごいよ
かっこいいね』
「食満先輩はかっこいいんです!」
「武闘派用具委員長ですから!」
重そうな棚を1人で軽々と元の位置に戻したのを見て、すごいすごいと褒めてくれる恋歌と後輩たちに留三郎は照れ臭そうに頭に手を当てた。
「と、ところでこの書類は小松田さんが落とされたものですか?」
『うん、ありがとう
あと何枚かあるはずだから回収させてもらってもいい?』
「もちろんです
まだ散らばっている用具もあるので気をつけて下さい
守一郎、作兵衛、お前たちも手伝え」
「「は、はい!」」
「しんべヱ、喜三太、平太は修補する道具を持ってきてくれ」
「「「はーい」」」
留三郎の指示に従って二手に分かれ、1年生3人は修補する道具を取りに走っていき、残りの4人で用具倉庫へ入った。
散らばった縄梯子や桶を拾い、それを元の位置に戻していく。
その間に見つかった書類は1箇所にまとめて置き、黙々と作業を続けたおかげですぐに用具倉庫内は元通りになった。
「ふぅ…あとは在庫確認をして全部揃っていれば問題ないな
書類は全部ありそうですか?」
『うん、聞いてた枚数ちゃんとあるみたい
助けてくれてありがとう』
「こちらこそ倉庫内の片付け、手伝っていただいてありがとうございました」
『じゃあこれ吉野先生に持って行かなくちゃいけないから行くね』
ひらひらと手を振って帰っていく背中を見送ると、作兵衛が止めていた息を全てはくかのように長く息をはいた。
「どうしたんだ?作兵衛」
「いえ…なんだか緊張しちまって…」
「ああ…恋歌さん綺麗な人だもんなー」
「いえ!そういう…いや、それもありますけど…
なんていうかこう…少し近寄りがたいというか…
うまく言い表せねぇんですが…
あの目…綺麗なだけじゃないように思えて…」
「そうかぁ?
優しそうな人だけどなぁ」
「平太が懐いてたんで優しい人なんだろうな、ってのは…なんとなく…」
「まぁいいじゃないか、守一郎、作兵衛
優しい人なのは間違いない
そうでなければ小松田さんの散らかした用具倉庫を片付けようなどとは思わん」
「「そ、それは確かに…」」
あながち作兵衛の直感も当たっているな、と留三郎は思ったがそれを口にも顔にも出すことはない。
同輩が月のようだ、と表現したあの瞳は神の目。
見られて緊張すると感じるのも無理はない。
「さぁ、今日の修補に取り掛かるぞ」