店の秘密とお礼の段
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恋歌に指摘されたことで対応できることは素早く手直しし、残りはきちんとメモを取って夜に手直ししろと言って気になって仕方のない三郎を抑えて持ってきてくれた甘味を食べようと勘右衛門が提案した。
もうすぐ夕飯の時間なので無理はしなくてもいいと恋歌から言われたが、勘右衛門は平気だと笑ってくっきーをひとつ口に入れた。
「…んっま」
「勘右衛門のほっぺたが…!!」
「落ちた!!」
さくさく、とくっきーを食べた勘右衛門は笑顔のまま固まり、ぼとんという音を立てて頬が落ちていた。
慌てて兵助と雷蔵が勘右衛門の頬を元の位置に戻すと、そっとくっきーの入っている箱の蓋を閉めた。
「なんで閉めるのだ?」
「これはお前たちには危険だ
おれが全て食べておく」
「何を言ってるんだ、勘右衛門」
「お前…独り占めするつもりだな!!」
「これはやばいから!!」
「なにがだ!!わたしたちにも寄越せ!」
箱を持ったまま逃げようとした勘右衛門だったが、他の4人に追いかけられ狭い室内ではあっという間に捕まり、箱は三郎に取り上げられていた。
「これはわたしたちに下さったものだろう」
「わかってるけどさぁ…
いやほんと、まじで美味い
まじでやばい」
「語彙力どこへやったんだ」
甘味好きの勘右衛門がそこまで言うのであればと、全員でひとつくっきーを手にして口の中に入れた。
「こ、これは…!」
「やばい…!!」
「うん…やばいね…」
「やばいな…」
「なー?おれの言った通りだろ?」
やばい、と繰り返す他の4人に頷いている勘右衛門はもうひとつ食べようと手を伸ばし、口に入れて幸せそうな顔を浮かべている。
「こっちはお煎餅だよ!」
「くっ…恋歌さん、絶対に学園長先生にこれ渡しちゃダメですからね?」
『え?どうして?』
もうひとつの箱に入っている煎餅もきっと美味しいのだろうと予想ができるほど香ばしい醤油と海苔の匂いに、学級委員長委員会としてひとつの危険に気づいた。
「学園長先生が知ったら事あるごとに作ってくれと言ってくるはずです
ただでさえ委員会では予算を取り合っているというのに、こんな高級なお菓子を食べていると知られたら…」
『これはわたしの自費だし、甘味を作ることは好きだから別に構わないよ?』
「いいですか?
学園長先生はお元気ではありますがかなりの高齢です
なので甘味ばかり食べていては健康によくありません」
『たしかに尾浜くんの言う通りだね
わかった
元々これは特別な時にしか作らない甘味だし、学園では作らないようにするよ』
「いや、おれたちには作ってくださっても…「勘右衛門」ちぇっ…」
学園長に恋歌のこの甘味のことが知れれば予算を使って砂糖を買ってこいだの、この甘味を作る設備を整えろだの言われかねない。
そしてその思いつきに振り回されるのはいつも学級委員長委員会のメンバー。
もっともらしい内容で恋歌を軽く説得すればすぐに頷いてくれたため、勘右衛門と三郎はほっと息をはいた。
「それにしてもこれすごいですね
手裏剣の形してる…」
「こっちはお花かな?
いろいろな形があるね」
『それお手伝いに来てくれた3人が形を作ってくれたんだよ
初めてなのに上手だよね』
丸や星などはたくさんあるが、たまに形の違うくっきーが入っており、それを八左ヱ門が手に取って眺めていると雷蔵も箱の中から違う形のものを見つけてそれを口の中へと入れた。
だが、その後に続いた恋歌の言葉に5人とも身体が固まった。
「ち、ちなみにどなたがお手伝いを…?」
『潮江くん、七松くん、中在家くんの3人だけど…』
やっぱり、という顔をする5人はだらだらと汗をかいて目線だけで会話を始めた。
『3人ともいつも手伝ってくれるし、たまにきり丸くんとアルバイトにも来てくれてね
良い子たちだよね、ほんと』
「い、良い子…ふっ…」
「三郎!!」
尊敬する先輩たちではあるが、なにかといじめられることもある5年生は年上の女性に良い子、と言われていることが面白かったようで、声を出して笑っている三郎につられて他の4人も肩を震わせて笑い始めた。
「あ、そうだ
恋歌さん、おれのこと勘右衛門でいいですよ
長ければ勘ちゃんでもなんでも」
『勘ちゃんって可愛いね
せっかくだし勘ちゃんって呼ばせてもらおうかな』
「はい!
兵助も兵助でいいですよ
兵ちゃんとかにする?」
「いや、兵助でいいけどさ…
急にどうしたの?」
「ふふん、先輩方は潮江先輩、七松先輩、中在家先輩、だろ?」
にやり、と笑った勘右衛門に意図に気付いた三郎が同じようににやりと笑い、雷蔵と八左ヱ門は困ったように笑うだけ。
「わたしのことも三郎で構いません
なぁ?雷蔵、八左ヱ門」
「まぁ僕は別に気にしないけど…中在家先輩が…怖い…」
「おれも別にいいけどさ…後が怖くないか…?」
「あの先輩方の悔しそうな顔を一度でも見られるなら安いもんさ」
こうなった三郎と勘右衛門は止められないとわかっており、特に下の名前で呼ばれることについて抵抗はないため呼び名については全員が了承した。
もうすぐ夕飯の時間なので無理はしなくてもいいと恋歌から言われたが、勘右衛門は平気だと笑ってくっきーをひとつ口に入れた。
「…んっま」
「勘右衛門のほっぺたが…!!」
「落ちた!!」
さくさく、とくっきーを食べた勘右衛門は笑顔のまま固まり、ぼとんという音を立てて頬が落ちていた。
慌てて兵助と雷蔵が勘右衛門の頬を元の位置に戻すと、そっとくっきーの入っている箱の蓋を閉めた。
「なんで閉めるのだ?」
「これはお前たちには危険だ
おれが全て食べておく」
「何を言ってるんだ、勘右衛門」
「お前…独り占めするつもりだな!!」
「これはやばいから!!」
「なにがだ!!わたしたちにも寄越せ!」
箱を持ったまま逃げようとした勘右衛門だったが、他の4人に追いかけられ狭い室内ではあっという間に捕まり、箱は三郎に取り上げられていた。
「これはわたしたちに下さったものだろう」
「わかってるけどさぁ…
いやほんと、まじで美味い
まじでやばい」
「語彙力どこへやったんだ」
甘味好きの勘右衛門がそこまで言うのであればと、全員でひとつくっきーを手にして口の中に入れた。
「こ、これは…!」
「やばい…!!」
「うん…やばいね…」
「やばいな…」
「なー?おれの言った通りだろ?」
やばい、と繰り返す他の4人に頷いている勘右衛門はもうひとつ食べようと手を伸ばし、口に入れて幸せそうな顔を浮かべている。
「こっちはお煎餅だよ!」
「くっ…恋歌さん、絶対に学園長先生にこれ渡しちゃダメですからね?」
『え?どうして?』
もうひとつの箱に入っている煎餅もきっと美味しいのだろうと予想ができるほど香ばしい醤油と海苔の匂いに、学級委員長委員会としてひとつの危険に気づいた。
「学園長先生が知ったら事あるごとに作ってくれと言ってくるはずです
ただでさえ委員会では予算を取り合っているというのに、こんな高級なお菓子を食べていると知られたら…」
『これはわたしの自費だし、甘味を作ることは好きだから別に構わないよ?』
「いいですか?
学園長先生はお元気ではありますがかなりの高齢です
なので甘味ばかり食べていては健康によくありません」
『たしかに尾浜くんの言う通りだね
わかった
元々これは特別な時にしか作らない甘味だし、学園では作らないようにするよ』
「いや、おれたちには作ってくださっても…「勘右衛門」ちぇっ…」
学園長に恋歌のこの甘味のことが知れれば予算を使って砂糖を買ってこいだの、この甘味を作る設備を整えろだの言われかねない。
そしてその思いつきに振り回されるのはいつも学級委員長委員会のメンバー。
もっともらしい内容で恋歌を軽く説得すればすぐに頷いてくれたため、勘右衛門と三郎はほっと息をはいた。
「それにしてもこれすごいですね
手裏剣の形してる…」
「こっちはお花かな?
いろいろな形があるね」
『それお手伝いに来てくれた3人が形を作ってくれたんだよ
初めてなのに上手だよね』
丸や星などはたくさんあるが、たまに形の違うくっきーが入っており、それを八左ヱ門が手に取って眺めていると雷蔵も箱の中から違う形のものを見つけてそれを口の中へと入れた。
だが、その後に続いた恋歌の言葉に5人とも身体が固まった。
「ち、ちなみにどなたがお手伝いを…?」
『潮江くん、七松くん、中在家くんの3人だけど…』
やっぱり、という顔をする5人はだらだらと汗をかいて目線だけで会話を始めた。
『3人ともいつも手伝ってくれるし、たまにきり丸くんとアルバイトにも来てくれてね
良い子たちだよね、ほんと』
「い、良い子…ふっ…」
「三郎!!」
尊敬する先輩たちではあるが、なにかといじめられることもある5年生は年上の女性に良い子、と言われていることが面白かったようで、声を出して笑っている三郎につられて他の4人も肩を震わせて笑い始めた。
「あ、そうだ
恋歌さん、おれのこと勘右衛門でいいですよ
長ければ勘ちゃんでもなんでも」
『勘ちゃんって可愛いね
せっかくだし勘ちゃんって呼ばせてもらおうかな』
「はい!
兵助も兵助でいいですよ
兵ちゃんとかにする?」
「いや、兵助でいいけどさ…
急にどうしたの?」
「ふふん、先輩方は潮江先輩、七松先輩、中在家先輩、だろ?」
にやり、と笑った勘右衛門に意図に気付いた三郎が同じようににやりと笑い、雷蔵と八左ヱ門は困ったように笑うだけ。
「わたしのことも三郎で構いません
なぁ?雷蔵、八左ヱ門」
「まぁ僕は別に気にしないけど…中在家先輩が…怖い…」
「おれも別にいいけどさ…後が怖くないか…?」
「あの先輩方の悔しそうな顔を一度でも見られるなら安いもんさ」
こうなった三郎と勘右衛門は止められないとわかっており、特に下の名前で呼ばれることについて抵抗はないため呼び名については全員が了承した。