店の秘密とお礼の段
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『ではこれの解読をすれば良いですか?』
「恋歌さん!そんな簡単に話してしまっていいのですか?」
もう殺気は止めてくれており、恋歌も大丈夫だと言うので3人は恋歌の横に腰を下ろした。
『…わたしの心身に関わることはお伝えしない、ということではいかがでしょう』
「わかったところでどうこうするつもりはないけど、それでいいよ
つまりは何が書いてあるの?」
『神の目でできること、できないことが書かれています
大まかな力は模倣で間違いないですが、それ以外にもできることが少なからずあるのです』
「へぇ…
じゃあこれ、読んでみて」
目の前に移動させられた本に手を触れると一度濡れて乾いたかのようなぱり、っとした紙の感触がした。
ヨレて分厚く見えるだけで本のページ数自体はそこまで多くはなく、表紙と次のページをゆっくりと捲る。
「たしかに読めん…」
『最初のページには模倣のことについて書かれてるみたいです
要約すると“見た”ものを自分のものにすることができる、と書かれています
その次も…“見た”というのは何を指すのかが書かれているみたいです』
ぺらり、と次のページを捲り、要約しながら書かれていることを声に出して読み上げていく。
『神の目を持つ者に対して相手からの善悪の区別をつけることができる
神の目を持つものは一代に1人だが神楽は目と共に継承される
万病を治すことはできない
心を読むことはできない』
「これで全部?」
『そうですね
要約してますので…最初の何ページかは模倣のことばかりでしたし…』
「ふぅん…」
最後のページを捲り終えたところで、雑渡は頬に手を当ててしばらく無言になった。
「いくつか質問なんだけど…」
『はい』
「善悪の区別、というのはどういうこと?」
『神の目を持つ人物、つまり今であればわたしに対して現時点で悪意を持っているか、善意もしくは何も思っていないかを見て判断することができます』
「わたしたちは君の目にはどう写っているのかな?」
『雑渡さんも諸泉さんもわたしに対して悪意も善意も持っておられません』
「ふぅん…
じゃあこれは?」
「「「!!」」」
先ほどより強い寒気に肌がピリついた感覚、冷や汗と身体の震えで動きにくいが、強い殺気を出している雑渡に武器を構えようと文次郎、小平太、長次の3人は震える指で懐に入れた武器に手を伸ばした。
『3人とも無理はしないで
きっと大丈夫だから』
「恋歌さん…」
「なぜ…平気なのですか…」
守ってくれようとしていると気づいた恋歌が、3人に無茶をする必要はないと伝えてくるが、この重い空気の中いつもと何ら変わりのない恋歌の様子に疑問が浮かぶ。
いくら忍者ではなく一般人だとしても、今雑渡が出している殺気は感じ取れるはず。
「予測できる原因は2つ」
もうわかった、と殺気をおさめた雑渡は面白いものを見るような目で恋歌のことを見つめてきた。
「生きることを諦めているか、“模倣”したかのどちらか、だね?」
『どちらも正解です
以前もお伝えしたように雑渡さんの強さがわからないほど愚者ではありません
あなたに狙われたとあればわたしは逃げることはしないでしょう
もうひとつのは…そうですね
今わたしは雑渡さんと同じレベルの殺気が出せるように模倣してしまっているので、身体が勘違いをしているのでしょう』
「なるほど
やはり便利な力だね
それで?今の場合はわたしから悪意を感じた?」
『いえ、今のは敵意であって悪意ではありません
あくまでも邪な考えをしている、とわかる程度ですので』
「悪意と敵意ね
確かにそれは別物だ」
楽しそうに話す雑渡に尊奈門からですら何がしたいのかわからないと訝しげな視線を向けられている。
「あとは…神楽はその目を授かる理由になったものだったね
それはその目と共に継承されると?」
『はい
同じ時に神の目を持つ人物は2人いません
ですが神は完璧な神楽を求めておられるようで…かつての気に入った神楽を舞った者の動きを目と共に継承させてくるのです』
「なるほどね…
それじゃあ次の万病を治すことはできない、というのは?」
『わたしたちに相談に来られる方は飢え、病気、金銭的な問題を抱えている方がほとんどでした
近年は…お布施と称して金銭を受け取っていたようなので飢えや病気で困っている方はわたしはお見かけしたことはありませんが…
飢えに関しては神の目を使わずともできることがあったようです
良くも悪くも神埜家に従ってくれる人はたくさんいたようなので…
ですが、病気となればわたしたちはほぼ無力です
通常の薬で治るものであれば何とかそれを手配して…お渡しすることで快復に向かわれる方はいたようですが…』
「流行病とか未知の病気とかだと難しいってことだね」
『当時は優秀な薬師の模倣をして薬を作ることを手伝ったりした程度だったようです』
「ふぅん…」
何か言いたげな視線を恋歌へと向けたが言葉にすることはなく、恋歌に渡した本を手に取った。
「内容はこれで全部?」
『はい』
「ありがとう
参考になったよ」
にっこり笑って手元に戻した本を尊奈門に渡した。
「恋歌さん!そんな簡単に話してしまっていいのですか?」
もう殺気は止めてくれており、恋歌も大丈夫だと言うので3人は恋歌の横に腰を下ろした。
『…わたしの心身に関わることはお伝えしない、ということではいかがでしょう』
「わかったところでどうこうするつもりはないけど、それでいいよ
つまりは何が書いてあるの?」
『神の目でできること、できないことが書かれています
大まかな力は模倣で間違いないですが、それ以外にもできることが少なからずあるのです』
「へぇ…
じゃあこれ、読んでみて」
目の前に移動させられた本に手を触れると一度濡れて乾いたかのようなぱり、っとした紙の感触がした。
ヨレて分厚く見えるだけで本のページ数自体はそこまで多くはなく、表紙と次のページをゆっくりと捲る。
「たしかに読めん…」
『最初のページには模倣のことについて書かれてるみたいです
要約すると“見た”ものを自分のものにすることができる、と書かれています
その次も…“見た”というのは何を指すのかが書かれているみたいです』
ぺらり、と次のページを捲り、要約しながら書かれていることを声に出して読み上げていく。
『神の目を持つ者に対して相手からの善悪の区別をつけることができる
神の目を持つものは一代に1人だが神楽は目と共に継承される
万病を治すことはできない
心を読むことはできない』
「これで全部?」
『そうですね
要約してますので…最初の何ページかは模倣のことばかりでしたし…』
「ふぅん…」
最後のページを捲り終えたところで、雑渡は頬に手を当ててしばらく無言になった。
「いくつか質問なんだけど…」
『はい』
「善悪の区別、というのはどういうこと?」
『神の目を持つ人物、つまり今であればわたしに対して現時点で悪意を持っているか、善意もしくは何も思っていないかを見て判断することができます』
「わたしたちは君の目にはどう写っているのかな?」
『雑渡さんも諸泉さんもわたしに対して悪意も善意も持っておられません』
「ふぅん…
じゃあこれは?」
「「「!!」」」
先ほどより強い寒気に肌がピリついた感覚、冷や汗と身体の震えで動きにくいが、強い殺気を出している雑渡に武器を構えようと文次郎、小平太、長次の3人は震える指で懐に入れた武器に手を伸ばした。
『3人とも無理はしないで
きっと大丈夫だから』
「恋歌さん…」
「なぜ…平気なのですか…」
守ってくれようとしていると気づいた恋歌が、3人に無茶をする必要はないと伝えてくるが、この重い空気の中いつもと何ら変わりのない恋歌の様子に疑問が浮かぶ。
いくら忍者ではなく一般人だとしても、今雑渡が出している殺気は感じ取れるはず。
「予測できる原因は2つ」
もうわかった、と殺気をおさめた雑渡は面白いものを見るような目で恋歌のことを見つめてきた。
「生きることを諦めているか、“模倣”したかのどちらか、だね?」
『どちらも正解です
以前もお伝えしたように雑渡さんの強さがわからないほど愚者ではありません
あなたに狙われたとあればわたしは逃げることはしないでしょう
もうひとつのは…そうですね
今わたしは雑渡さんと同じレベルの殺気が出せるように模倣してしまっているので、身体が勘違いをしているのでしょう』
「なるほど
やはり便利な力だね
それで?今の場合はわたしから悪意を感じた?」
『いえ、今のは敵意であって悪意ではありません
あくまでも邪な考えをしている、とわかる程度ですので』
「悪意と敵意ね
確かにそれは別物だ」
楽しそうに話す雑渡に尊奈門からですら何がしたいのかわからないと訝しげな視線を向けられている。
「あとは…神楽はその目を授かる理由になったものだったね
それはその目と共に継承されると?」
『はい
同じ時に神の目を持つ人物は2人いません
ですが神は完璧な神楽を求めておられるようで…かつての気に入った神楽を舞った者の動きを目と共に継承させてくるのです』
「なるほどね…
それじゃあ次の万病を治すことはできない、というのは?」
『わたしたちに相談に来られる方は飢え、病気、金銭的な問題を抱えている方がほとんどでした
近年は…お布施と称して金銭を受け取っていたようなので飢えや病気で困っている方はわたしはお見かけしたことはありませんが…
飢えに関しては神の目を使わずともできることがあったようです
良くも悪くも神埜家に従ってくれる人はたくさんいたようなので…
ですが、病気となればわたしたちはほぼ無力です
通常の薬で治るものであれば何とかそれを手配して…お渡しすることで快復に向かわれる方はいたようですが…』
「流行病とか未知の病気とかだと難しいってことだね」
『当時は優秀な薬師の模倣をして薬を作ることを手伝ったりした程度だったようです』
「ふぅん…」
何か言いたげな視線を恋歌へと向けたが言葉にすることはなく、恋歌に渡した本を手に取った。
「内容はこれで全部?」
『はい』
「ありがとう
参考になったよ」
にっこり笑って手元に戻した本を尊奈門に渡した。