店の秘密とお礼の段
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次の日、土井の座学の授業が終わってから手紙を小松田に託し、昨夜呼ばれていたため土井と山田がいる職員室へと向かった。
『大丈夫ですか?』
「ああ、うん
いつものことだよ…ははは…」
許可を得てから入室したが、入室の許可を出した土井は机に突っ伏してお腹を押さえている。
心配で声をかければ脂汗をかきながら無理矢理笑顔を浮かべていた。
「昨日の宿題、提出してくれたのは庄左ヱ門と恋歌さんだけだったからさ…」
『そ、そうでしたね…』
1年は組の良い子たちは昨日出された宿題をほとんどやってきていなかった。
教室でも怒られていたが、今はその宿題を放課後までに出さないと追加の宿題を出すと言われて必死に問題を解いているところのはず。
恋歌と庄左ヱ門は教えることもしてはいけないと言われ、授業が終わってから2人はすぐに教室を出てきた。
「せっかく来てくれたのにすまないね
えー、と…実技のことだけど、山田先生とも学園長先生とも話して君の能力を活かした授業をしようと思ってる」
『…それはこの目のこと、ですよね?』
「うん
恋歌さんはその目の能力を使うの嫌だろうけど、生きていく上ではこれ以上ない力だ
わかるね?」
『……はい』
一流の忍者がいるこの学舎は見ただけで模倣できる恋歌の能力があれば、生きていく上で必要な能力はすぐに身につくだろう。
だが、それを恋歌本人が良しとしていない事が一番の問題だった。
現に浮かない顔をしており、不服そうな返答の仕方に思わず苦笑いをしてしまった。
「わたしもそうだけど、学園長先生も恋歌さんのおばあさんも恋歌さんに生きてほしいと願ってるんだ
それがどんなに泥臭い生き方でも
君が健やかでいてくれることが幸せだと思ってくれると思うよ」
『わかっているつもりではあります…
でもいずれ…嫌になる時がきます
今は良くともいずれ…きっと…』
「恋歌さん自身はそう言うけどさ
わたしたちの世界は上には上がいる
それにわたしたちは恋歌さんに忍者に勝ってほしい、とは思っていない
1人の時に何かあった時、生き抜く術を備えていてほしいんだ
近くにわたしや他の誰かがいれば頼ってくれて良い
それでも1人になってしまう時は必ずある
そうなった時、生きていてほしいと思うのはわたしたちの我儘だ
でもその我儘を受け入れてくれると嬉しい」
すごく優しい笑顔を向けてくれる土井の言葉に嘘はなく、本当にただ生きてほしいと思ってくれているとわかり、思わず恋歌にも口元に笑みが浮かんだ。
『ありがとうございます
土井先生の…山田先生の、学園長先生のお心遣いに心から感謝します』
「そんなかしこまらなくていいよ
じゃあしばらくは実技もわたしが教えるからね
そうだな…護身術だと思ってくれれば良い」
『はい、よろしくお願いします』
1年は組の良い子たちは恋歌の目の能力のことを知らない。
いずれ知る時が来るかもしれないが今ではない。
1年は組が山田の実技の授業を受けている間は、恋歌が土井に実技の授業をしてもらえることになった。
『雑務であればお手伝いできることは仰ってください』
「はは、それが一番助かるよ」
教科担当である土井がいつもは雑務ができる時間を恋歌の実技の授業に当ててしまうと、仕事の進捗が悪くなってしまうはず。
手伝える範囲で手伝うと伝えれば嬉しそうに笑ってくれた。
「じゃあ早速だけど…そうだな…
攫われた時のことを考えて縄抜けからいこうか」
『はい』
「いや、まぁ…わかってたけどさ…」
『?』
「実際に見るとすごいね…」
恋歌の能力のことはわかっていたつもりではあったが、一度見せればなんでも真似ができている。
あらゆる縛られ方を想定し、いくつかの縄抜けの方法を実践して見せると、一度見せただけで縄抜けができてしまう。
「教え甲斐のある生徒だよ」
『それならよかったです』
「よし、じゃあ次は縄抜けができなかった場合だけど…」
縄の結ばれ方によっては縄抜けができなかったり、見張りがいて縄抜けをしても逃げ出すことができない場合を想定しての話をし、一度聞いただけで覚えてしまう恋歌の理解力に土井は涙が出てきた。
「うう…優秀な生徒が増えて嬉しい…
あ、そうだ!本は好きかい?」
『本は…あまり読んだことがなくて…
中在家くんが一緒に本を読もうと誘ってくれているので、今度読んでみたいなと思ってはいます』
「うんうん、本はいいぞ!
もし興味がでてきたらわたしのおすすめも読んでみてほしい」
『はい
土井先生のおすすめ楽しみです
あ、またお時間ある時でいいのですが、今までの座学の授業も聞きたいのです』
「え!?」
『だ、だめならいいんです』
「だめなもんか!
そんな言葉あの子たちからは聞けないから驚いてしまって…」
感動したように目をるうるうるさせている土井は思わず抱きついてしまいそうになる身体を抑えた。
『それともうひとつ、今度のお休みに外出したいのですが…』
「誰かと一緒かい?」
『潮江くんがついてきてくれると言ってくれています』
「そうか
恋歌さんだけじゃなく1年生はみんな共通して1人での外出届はよっぽどの理由がない限り認められないことは覚えていてくれ
今回は文次郎が着いてくれているなら問題はないよ」
『わかりました』
「ちなみにどこへ?」
『実は…』
土井から外出先と外出の理由、それと合わせて先ほど小松田に出した手紙の事を伝えると少し考える素振りを見せたが最終的には気をつけて、とそれだけだった。
「さて、じゃあ次はにんたまの友の最初の頁から授業をしようか」
『はい、お願いします』
『大丈夫ですか?』
「ああ、うん
いつものことだよ…ははは…」
許可を得てから入室したが、入室の許可を出した土井は机に突っ伏してお腹を押さえている。
心配で声をかければ脂汗をかきながら無理矢理笑顔を浮かべていた。
「昨日の宿題、提出してくれたのは庄左ヱ門と恋歌さんだけだったからさ…」
『そ、そうでしたね…』
1年は組の良い子たちは昨日出された宿題をほとんどやってきていなかった。
教室でも怒られていたが、今はその宿題を放課後までに出さないと追加の宿題を出すと言われて必死に問題を解いているところのはず。
恋歌と庄左ヱ門は教えることもしてはいけないと言われ、授業が終わってから2人はすぐに教室を出てきた。
「せっかく来てくれたのにすまないね
えー、と…実技のことだけど、山田先生とも学園長先生とも話して君の能力を活かした授業をしようと思ってる」
『…それはこの目のこと、ですよね?』
「うん
恋歌さんはその目の能力を使うの嫌だろうけど、生きていく上ではこれ以上ない力だ
わかるね?」
『……はい』
一流の忍者がいるこの学舎は見ただけで模倣できる恋歌の能力があれば、生きていく上で必要な能力はすぐに身につくだろう。
だが、それを恋歌本人が良しとしていない事が一番の問題だった。
現に浮かない顔をしており、不服そうな返答の仕方に思わず苦笑いをしてしまった。
「わたしもそうだけど、学園長先生も恋歌さんのおばあさんも恋歌さんに生きてほしいと願ってるんだ
それがどんなに泥臭い生き方でも
君が健やかでいてくれることが幸せだと思ってくれると思うよ」
『わかっているつもりではあります…
でもいずれ…嫌になる時がきます
今は良くともいずれ…きっと…』
「恋歌さん自身はそう言うけどさ
わたしたちの世界は上には上がいる
それにわたしたちは恋歌さんに忍者に勝ってほしい、とは思っていない
1人の時に何かあった時、生き抜く術を備えていてほしいんだ
近くにわたしや他の誰かがいれば頼ってくれて良い
それでも1人になってしまう時は必ずある
そうなった時、生きていてほしいと思うのはわたしたちの我儘だ
でもその我儘を受け入れてくれると嬉しい」
すごく優しい笑顔を向けてくれる土井の言葉に嘘はなく、本当にただ生きてほしいと思ってくれているとわかり、思わず恋歌にも口元に笑みが浮かんだ。
『ありがとうございます
土井先生の…山田先生の、学園長先生のお心遣いに心から感謝します』
「そんなかしこまらなくていいよ
じゃあしばらくは実技もわたしが教えるからね
そうだな…護身術だと思ってくれれば良い」
『はい、よろしくお願いします』
1年は組の良い子たちは恋歌の目の能力のことを知らない。
いずれ知る時が来るかもしれないが今ではない。
1年は組が山田の実技の授業を受けている間は、恋歌が土井に実技の授業をしてもらえることになった。
『雑務であればお手伝いできることは仰ってください』
「はは、それが一番助かるよ」
教科担当である土井がいつもは雑務ができる時間を恋歌の実技の授業に当ててしまうと、仕事の進捗が悪くなってしまうはず。
手伝える範囲で手伝うと伝えれば嬉しそうに笑ってくれた。
「じゃあ早速だけど…そうだな…
攫われた時のことを考えて縄抜けからいこうか」
『はい』
「いや、まぁ…わかってたけどさ…」
『?』
「実際に見るとすごいね…」
恋歌の能力のことはわかっていたつもりではあったが、一度見せればなんでも真似ができている。
あらゆる縛られ方を想定し、いくつかの縄抜けの方法を実践して見せると、一度見せただけで縄抜けができてしまう。
「教え甲斐のある生徒だよ」
『それならよかったです』
「よし、じゃあ次は縄抜けができなかった場合だけど…」
縄の結ばれ方によっては縄抜けができなかったり、見張りがいて縄抜けをしても逃げ出すことができない場合を想定しての話をし、一度聞いただけで覚えてしまう恋歌の理解力に土井は涙が出てきた。
「うう…優秀な生徒が増えて嬉しい…
あ、そうだ!本は好きかい?」
『本は…あまり読んだことがなくて…
中在家くんが一緒に本を読もうと誘ってくれているので、今度読んでみたいなと思ってはいます』
「うんうん、本はいいぞ!
もし興味がでてきたらわたしのおすすめも読んでみてほしい」
『はい
土井先生のおすすめ楽しみです
あ、またお時間ある時でいいのですが、今までの座学の授業も聞きたいのです』
「え!?」
『だ、だめならいいんです』
「だめなもんか!
そんな言葉あの子たちからは聞けないから驚いてしまって…」
感動したように目をるうるうるさせている土井は思わず抱きついてしまいそうになる身体を抑えた。
『それともうひとつ、今度のお休みに外出したいのですが…』
「誰かと一緒かい?」
『潮江くんがついてきてくれると言ってくれています』
「そうか
恋歌さんだけじゃなく1年生はみんな共通して1人での外出届はよっぽどの理由がない限り認められないことは覚えていてくれ
今回は文次郎が着いてくれているなら問題はないよ」
『わかりました』
「ちなみにどこへ?」
『実は…』
土井から外出先と外出の理由、それと合わせて先ほど小松田に出した手紙の事を伝えると少し考える素振りを見せたが最終的には気をつけて、とそれだけだった。
「さて、じゃあ次はにんたまの友の最初の頁から授業をしようか」
『はい、お願いします』