初授業とサングラスの段
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1年は組との夕食を食べ終え、団蔵と約束した夕食を準備しようと食堂に向かっているとその道中で土井と山田に呼び止められた。
「…今ちょっと時間いいかい?」
『はい』
「実は恋歌さんの実技なんだけど、さすがに1年生と同じことをさせるわけにはいかないから特別授業にしようと思うんだ」
『特別授業…ですか?』
いくらなんでも1年生と一緒にランニングやうずら隠れの術などの練習は難しい。
それに学園長は恋歌をくノ一にするつもりはない、と言っていた。
あくまでも生きるための手段としていろいろなことを学んでほしいと。
「詳しくは明日の午後に
わたしの授業が終わったら職員室に来てくれ」
『わかりました
お手数おかけします』
ぺこり、と頭を下げると2人とも苦笑いをして顔を上げてほしいと告げる。
「手間だなんて思ってないから気にしなくていい
ところでなぜ食堂へ?」
『会計委員の団蔵くんが夕飯を一緒に食べられないみたいなので後で持って行くと約束したんです』
「ああ…会計委員なぁ…
じゃあ今から会計委員の夕飯を作りに?」
『はい
簡単なものだけにはなりますが
もしかして先生方は夕飯まだなのですか?』
「実はそうなんだ
だから山田先生と食堂に何かないか見に行くところで」
良い子たちの明日の授業のことで話し合っていたらこんな時間になってしまったのだと2人して空腹を告げるお腹を押さえている。
『団蔵くんたちに作るものと同じでよければ何か作りましょうか?
本当に…簡単なものにはなりますが…』
「おお、それは願ってもない
なぁ?土井先生」
「はい
お願いしてもいいか?」
『もちろんです』
食堂に着くとひとまず土井と山田には待っていてもらおうと席で待っていてもらい、厨房の中に何が残っているかを確認する。
『(7人分、ってことだよね
左吉くんは食べてくれるかな…)』
残っていたお米でおむすびを握りながら自分のことを怖がっていた左吉も食べてくれるだろうかと考えるが、もし食べられそうになければ明日の自分の朝食にしようと7人分のおむすびを握り、お味噌汁を作っておむすびの横に漬物を添えた。
『お待たせしました』
「おお!ありがとう!」
「では早速…」
いただきます、と手を合わせて2人が食べ始めたのを見てから会計委員の分をお盆に乗せた。
『ではわたしは会計室に向かいますね』
「夕飯ありがとう
とても美味しいよ」
「なにか困ったことがあったら言いなさいよ」
『ありがとうございます』
お盆を持って食堂から出て行った恋歌を見送り、2人はふぅと息をはいた。
「ありゃあ斉藤タカ丸と立花仙蔵の仕業だな」
「そうですね…
この学園の中だけであれば問題ないですが…」
「大した別嬪だ
1人での外出は控えさせなさいね」
「わかってますよ…あいたたた…」
綺麗に着飾られた恋歌を見て、1年は組にまた別の意味での問題が増えそうだと胃が痛くなった。
外出許可を出すのは基本的に担任の土井と山田になるだろうが、1人での外出許可はしばらく出せそうにない。
「お店戻りたいでしょうしね…
あとは長期休みをどうするか…」
「店はまぁ…良い子たちが手伝いに行くだろうが…
長期休みか…」
「山田先生のところはどうですか…?」
「家内は喜ぶだろうが…うちまでの距離がなぁ…」
考えることは山積みだとため息をつきながら2人で味噌汁を啜った。
会計室の前まで来た恋歌は手が塞がっているため一度お盆を下におろそうとしたが、それより先に足音に気づいていた団蔵が襖を開けてくれた。
「わー!ありがとうございます!」
お盆に乗ったまだ湯気の出ているおむすびと味噌汁を見て目をきらきらさせている団蔵は、ちらりと委員長の文次郎に視線を向けた。
「休憩だ
各自帳簿を片付けろ」
「「「はい!」」」
文次郎の休憩という言葉に全員がばたばたと帳簿を片付け始め、片付け終えたところで団蔵と左吉が全員におむすびと味噌汁を配った。
お礼といただきます、の言葉を恋歌に伝えてから文次郎以外の4人は夕飯に手を伸ばす。
左吉も普通に食べてくれている様子を見て少しほっとしていると文次郎が手をつけていないことに気づいた。
『潮江くんは食べないの?お腹空いてない?』
「……いえ、そういうわけでは」
「潮江先輩は忍術学園一ギンギンに忍者をしている方なので温かいご飯はあまり召し上がらないのです」
『へぇ…』
「忍者はいつでも温かいご飯が食べられるわけではありませんから…
その…あとでいただきます
すみません」
せっかく持ってきてくれた温かいご飯を冷ましてから食べることにいつもより罪悪感があるのか、忙しなく視線を彷徨かせている。
『なるほど…』
文次郎の言葉に少し考える素振りをしてから、笑みを浮かべて文次郎の元へ向かい横に腰を下ろした。
「なん、でしょう…」
『潮江くん、きっと潮江くんの考えは忍者としては正しくて、きっとわたしなんかが口を挟んでいい問題ではないとは思うけど、今みんなと一緒にご飯を食べるということは、後で1人で冷えたご飯を食べるより幸福感が違うと思うの』
「幸福感…ですか?」
『うん、こうやってみんなと一緒にご飯を食べられることはとても幸せなこと
みんなと一緒に食べた方が美味しいでしょ?
食べられない時のことを想定するのも大事だと思うけど、食べられる時は温かいものを食べるのも大事だと思う
それに幸福感は仕事の効率を上げる効果もあると思うんだけど…
どうかな?』
「う…」
(おお、あの潮江先輩がおされている…)
にこにこと笑顔を向けられている文次郎は赤くなってきた顔を後輩たちに見えないように顔を壁の方へと向けているが、恋歌はそれを追いかけてきて顔を覗き込んでくる。
後輩たちは文次郎の顔が赤くなっていることに気づいているが、それを指摘する気もなく黙っておむすびを食べながら真顔で2人のやり取りを眺めている。
「わ、わかりました!!
今いただきます…」
『ふふ、ありがとう』
(あ、負けてる)
結局は押しに負けた文次郎は手を合わせてからおむすびを口に運んだ。
「…今ちょっと時間いいかい?」
『はい』
「実は恋歌さんの実技なんだけど、さすがに1年生と同じことをさせるわけにはいかないから特別授業にしようと思うんだ」
『特別授業…ですか?』
いくらなんでも1年生と一緒にランニングやうずら隠れの術などの練習は難しい。
それに学園長は恋歌をくノ一にするつもりはない、と言っていた。
あくまでも生きるための手段としていろいろなことを学んでほしいと。
「詳しくは明日の午後に
わたしの授業が終わったら職員室に来てくれ」
『わかりました
お手数おかけします』
ぺこり、と頭を下げると2人とも苦笑いをして顔を上げてほしいと告げる。
「手間だなんて思ってないから気にしなくていい
ところでなぜ食堂へ?」
『会計委員の団蔵くんが夕飯を一緒に食べられないみたいなので後で持って行くと約束したんです』
「ああ…会計委員なぁ…
じゃあ今から会計委員の夕飯を作りに?」
『はい
簡単なものだけにはなりますが
もしかして先生方は夕飯まだなのですか?』
「実はそうなんだ
だから山田先生と食堂に何かないか見に行くところで」
良い子たちの明日の授業のことで話し合っていたらこんな時間になってしまったのだと2人して空腹を告げるお腹を押さえている。
『団蔵くんたちに作るものと同じでよければ何か作りましょうか?
本当に…簡単なものにはなりますが…』
「おお、それは願ってもない
なぁ?土井先生」
「はい
お願いしてもいいか?」
『もちろんです』
食堂に着くとひとまず土井と山田には待っていてもらおうと席で待っていてもらい、厨房の中に何が残っているかを確認する。
『(7人分、ってことだよね
左吉くんは食べてくれるかな…)』
残っていたお米でおむすびを握りながら自分のことを怖がっていた左吉も食べてくれるだろうかと考えるが、もし食べられそうになければ明日の自分の朝食にしようと7人分のおむすびを握り、お味噌汁を作っておむすびの横に漬物を添えた。
『お待たせしました』
「おお!ありがとう!」
「では早速…」
いただきます、と手を合わせて2人が食べ始めたのを見てから会計委員の分をお盆に乗せた。
『ではわたしは会計室に向かいますね』
「夕飯ありがとう
とても美味しいよ」
「なにか困ったことがあったら言いなさいよ」
『ありがとうございます』
お盆を持って食堂から出て行った恋歌を見送り、2人はふぅと息をはいた。
「ありゃあ斉藤タカ丸と立花仙蔵の仕業だな」
「そうですね…
この学園の中だけであれば問題ないですが…」
「大した別嬪だ
1人での外出は控えさせなさいね」
「わかってますよ…あいたたた…」
綺麗に着飾られた恋歌を見て、1年は組にまた別の意味での問題が増えそうだと胃が痛くなった。
外出許可を出すのは基本的に担任の土井と山田になるだろうが、1人での外出許可はしばらく出せそうにない。
「お店戻りたいでしょうしね…
あとは長期休みをどうするか…」
「店はまぁ…良い子たちが手伝いに行くだろうが…
長期休みか…」
「山田先生のところはどうですか…?」
「家内は喜ぶだろうが…うちまでの距離がなぁ…」
考えることは山積みだとため息をつきながら2人で味噌汁を啜った。
会計室の前まで来た恋歌は手が塞がっているため一度お盆を下におろそうとしたが、それより先に足音に気づいていた団蔵が襖を開けてくれた。
「わー!ありがとうございます!」
お盆に乗ったまだ湯気の出ているおむすびと味噌汁を見て目をきらきらさせている団蔵は、ちらりと委員長の文次郎に視線を向けた。
「休憩だ
各自帳簿を片付けろ」
「「「はい!」」」
文次郎の休憩という言葉に全員がばたばたと帳簿を片付け始め、片付け終えたところで団蔵と左吉が全員におむすびと味噌汁を配った。
お礼といただきます、の言葉を恋歌に伝えてから文次郎以外の4人は夕飯に手を伸ばす。
左吉も普通に食べてくれている様子を見て少しほっとしていると文次郎が手をつけていないことに気づいた。
『潮江くんは食べないの?お腹空いてない?』
「……いえ、そういうわけでは」
「潮江先輩は忍術学園一ギンギンに忍者をしている方なので温かいご飯はあまり召し上がらないのです」
『へぇ…』
「忍者はいつでも温かいご飯が食べられるわけではありませんから…
その…あとでいただきます
すみません」
せっかく持ってきてくれた温かいご飯を冷ましてから食べることにいつもより罪悪感があるのか、忙しなく視線を彷徨かせている。
『なるほど…』
文次郎の言葉に少し考える素振りをしてから、笑みを浮かべて文次郎の元へ向かい横に腰を下ろした。
「なん、でしょう…」
『潮江くん、きっと潮江くんの考えは忍者としては正しくて、きっとわたしなんかが口を挟んでいい問題ではないとは思うけど、今みんなと一緒にご飯を食べるということは、後で1人で冷えたご飯を食べるより幸福感が違うと思うの』
「幸福感…ですか?」
『うん、こうやってみんなと一緒にご飯を食べられることはとても幸せなこと
みんなと一緒に食べた方が美味しいでしょ?
食べられない時のことを想定するのも大事だと思うけど、食べられる時は温かいものを食べるのも大事だと思う
それに幸福感は仕事の効率を上げる効果もあると思うんだけど…
どうかな?』
「う…」
(おお、あの潮江先輩がおされている…)
にこにこと笑顔を向けられている文次郎は赤くなってきた顔を後輩たちに見えないように顔を壁の方へと向けているが、恋歌はそれを追いかけてきて顔を覗き込んでくる。
後輩たちは文次郎の顔が赤くなっていることに気づいているが、それを指摘する気もなく黙っておむすびを食べながら真顔で2人のやり取りを眺めている。
「わ、わかりました!!
今いただきます…」
『ふふ、ありがとう』
(あ、負けてる)
結局は押しに負けた文次郎は手を合わせてからおむすびを口に運んだ。