初授業とサングラスの段
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機嫌のいい仙蔵に手を引かれ連れてどこに連れて行かれるのかと思っていたが、向かった先は会計委員会が活動をしている会計室。
「邪魔するぞ」
大体仙蔵の機嫌が良い理由を察した伊作と留三郎と、何があるのか好奇心でついてきたタカ丸という5人で会計室へと入室した。
「仙蔵…帰ってたのか」
「ああ、少し前にな」
恋歌と外出していたのを知っている会計委員会委員長の文次郎は、突然の来訪者に目を丸くした。
さらにその突然の来訪者の機嫌がすこぶる良く、嫌な笑みを浮かべていることに気づいてその場から逃げたくなったが、仕事を放り出して逃げることなど後輩たちの前ではできない。
「何の用だ」
「まぁそう怖い顔をするな
見て欲しいものがあってな」
「見て欲しいもの…?」
『え、っと…まだみんな委員会活動中なんだよね…?
入っていいの…?』
「問題ありません
さぁ、どうぞ
ぶふっ…」
『?』
どうぞ、と軽く背中を押し仙蔵の背中に隠れていた恋歌を文次郎にも見えるようにすると、口を開けて固まり筆を落とした文次郎の姿に仙蔵が思わず吹き出した。
「わぁー!!恋歌さんとっても綺麗です!!
タカ丸さんに髪結いしてもらったんですか?」
『うん、斉藤くんがすごく綺麗にしてくれてね
お化粧は立花くんがしてくれたんだよ』
「あ、僕のことはタカ丸でいいですよ」
『うん、わかった』
きらきらした目を向けて一番に褒めてくれたのは団蔵で、他の3人はぽかんとしたまま文次郎と恋歌へと交互に視線を向けている。
「ほぅ、着飾った女性を褒められるのは団蔵だけか?」
『そ、そんな無理矢理褒めなくてもいいよ
タカ丸くんと立花くんの技術がすごいのはたしかだけど…』
「え、あ…と、とてもお綺麗です!
なぁ!?左門?」
「そ、そうですね!!
なぁ!?左吉?」
「は、はい!」
『ありがとう』
ちゃんと褒めろ、と仙蔵からの視線を受け、三木ヱ門、左門、左吉の3人も慌てて綺麗だと言ってくれた。
無理矢理言わせたという感じが否めないが仙蔵は満足しているようで腕を組んで頷いている。
「それで?後輩たちはちゃんと言えるのに肝心の会計委員長は世辞のひとつも言えんのか?
まぁ世辞ではなく綺麗であることは本当のことだがな」
「仙蔵…お前…!!」
によによとしている仙蔵に思わず声を荒げてしまいそうになったが、その後ろでさらにによによしている留三郎が目に入った。
「留三郎!!何だその腹の立つ顔は!!」
「いーやぁ?」
「留三郎…貴様…
表へ出ろ!!」
「上等だ!
勝負だぁ!!」
「もー…喧嘩しに来たんじゃないだろ…
仙蔵も揶揄うのはやめてあげなよ」
「揶揄ってなどいないさ
ライバルは多そうだからな
同室として気づかせてやるぐらいの手伝いはいいだろう」
「ふぅん…」
いつもの喧嘩をしに外に飛び出して行った文次郎と留三郎の背中を呆れた視線で見送り、初めて顔を合わせた3人の会計委員と挨拶をしている姿へと視線を戻す。
「ごほん、わたしは過激な火器にかけては忍術学園ナンバーワン!
忍術学園のアイドル4年ろ組の田村三木ヱ門です」
『アイドル…
たしかに可愛いね』
「「え」」
「えー、俺たち1年は組の方が可愛いでしょー?」
『もちろんみんなも可愛いよ』
三木ヱ門のお決まりの台詞に同意すると団蔵が恋歌に抱きついてうるうるとした目で見つめてきたため、目線を合わせるように膝をついて頭を撫でてやると、三木ヱ門へ勝ち誇った笑みを浮かべた。
「団蔵ー!先輩に向かってなんだその顔は!!」
「恋歌さーん、先輩がいじめてきますぅー」
ぎゅうっ、と強い力で抱きついているが声からは怯えているというわけではないのがわかるため、どうすればいいのかわからずとりあえず抱きついてきている団蔵の背中をぽんぽんと撫でた。
「僕は3年ろ組神崎左門です
先生から目のことは聞きました!
目の秘密は必ず守り通してみせます!」
『ありがとう
でも無理はしなくていいからね』
3年生であれば本当のことは伝えられていないのだろうが、目の色が珍しいものであるということを外部に漏らさないようにすると誓い、ぐっ、と握った拳を高く掲げている。
「えっ、と…僕は…1年い組の…任暁左吉です…」
『左吉くん、よろしく』
「なんだよ左吉、照れてんのか?」
「ち、違う!!」
自己紹介はしてくれたものの目線は床を見つめ、袴を両手で握っている姿に、団蔵が揶揄うような言葉を言ったが強く否定を示した。
「変なやつだな」
『…これなら平気?』
「……はい」
袖の中に入れていたサングラスを取り出してかければ、申し訳なさそうな左吉から小さく返事が聞こえた。
「左吉お前…恋歌さんの目が怖いってこと?」
「う、うるさい!!
安藤先生が仰ってたんだ…目の色が僕たちと違うだけって…それだけだって…
でも…」
『いいんだよ
こんな色の目見たことないから怖いよね』
この部屋で誰一人として気にしていないことを申し訳なく思っているのか、気にする必要はないと伝えても泣きそうな顔をして袴を握る力が強くなっていくだけ。
「恋歌さん本人も気にしていないと仰ってくれている
そこまで気に病むな」
「……はい」
仙蔵に頭を撫でられても自分の心に納得がいっていないのかいつもの元気はない。
『団蔵くん
そろそろみんなが夕飯を作り始める頃じゃない?
まだ委員会のお仕事があるのかな?』
「そうなんですよ…
今日も徹夜かもしれません…」
もし夕飯作りに向かうのであれば一緒にどうかと誘おうとしたが、会計委員全員が委員会活動のことを思い出したのか落ち込み始めた。
『じゃあ後で潮江くんにはお願いしてみるから夕飯ここに持ってこようか?
ここは飲食厳禁?』
「いいんですか!?
飲食厳禁というわけではないんですが…今は帳簿が散らかっているのでもしかしたらダメって言われるかもです…」
『わかった
じゃあ潮江くんに聞いてくるね』
「お願いします!」
「邪魔するぞ」
大体仙蔵の機嫌が良い理由を察した伊作と留三郎と、何があるのか好奇心でついてきたタカ丸という5人で会計室へと入室した。
「仙蔵…帰ってたのか」
「ああ、少し前にな」
恋歌と外出していたのを知っている会計委員会委員長の文次郎は、突然の来訪者に目を丸くした。
さらにその突然の来訪者の機嫌がすこぶる良く、嫌な笑みを浮かべていることに気づいてその場から逃げたくなったが、仕事を放り出して逃げることなど後輩たちの前ではできない。
「何の用だ」
「まぁそう怖い顔をするな
見て欲しいものがあってな」
「見て欲しいもの…?」
『え、っと…まだみんな委員会活動中なんだよね…?
入っていいの…?』
「問題ありません
さぁ、どうぞ
ぶふっ…」
『?』
どうぞ、と軽く背中を押し仙蔵の背中に隠れていた恋歌を文次郎にも見えるようにすると、口を開けて固まり筆を落とした文次郎の姿に仙蔵が思わず吹き出した。
「わぁー!!恋歌さんとっても綺麗です!!
タカ丸さんに髪結いしてもらったんですか?」
『うん、斉藤くんがすごく綺麗にしてくれてね
お化粧は立花くんがしてくれたんだよ』
「あ、僕のことはタカ丸でいいですよ」
『うん、わかった』
きらきらした目を向けて一番に褒めてくれたのは団蔵で、他の3人はぽかんとしたまま文次郎と恋歌へと交互に視線を向けている。
「ほぅ、着飾った女性を褒められるのは団蔵だけか?」
『そ、そんな無理矢理褒めなくてもいいよ
タカ丸くんと立花くんの技術がすごいのはたしかだけど…』
「え、あ…と、とてもお綺麗です!
なぁ!?左門?」
「そ、そうですね!!
なぁ!?左吉?」
「は、はい!」
『ありがとう』
ちゃんと褒めろ、と仙蔵からの視線を受け、三木ヱ門、左門、左吉の3人も慌てて綺麗だと言ってくれた。
無理矢理言わせたという感じが否めないが仙蔵は満足しているようで腕を組んで頷いている。
「それで?後輩たちはちゃんと言えるのに肝心の会計委員長は世辞のひとつも言えんのか?
まぁ世辞ではなく綺麗であることは本当のことだがな」
「仙蔵…お前…!!」
によによとしている仙蔵に思わず声を荒げてしまいそうになったが、その後ろでさらにによによしている留三郎が目に入った。
「留三郎!!何だその腹の立つ顔は!!」
「いーやぁ?」
「留三郎…貴様…
表へ出ろ!!」
「上等だ!
勝負だぁ!!」
「もー…喧嘩しに来たんじゃないだろ…
仙蔵も揶揄うのはやめてあげなよ」
「揶揄ってなどいないさ
ライバルは多そうだからな
同室として気づかせてやるぐらいの手伝いはいいだろう」
「ふぅん…」
いつもの喧嘩をしに外に飛び出して行った文次郎と留三郎の背中を呆れた視線で見送り、初めて顔を合わせた3人の会計委員と挨拶をしている姿へと視線を戻す。
「ごほん、わたしは過激な火器にかけては忍術学園ナンバーワン!
忍術学園のアイドル4年ろ組の田村三木ヱ門です」
『アイドル…
たしかに可愛いね』
「「え」」
「えー、俺たち1年は組の方が可愛いでしょー?」
『もちろんみんなも可愛いよ』
三木ヱ門のお決まりの台詞に同意すると団蔵が恋歌に抱きついてうるうるとした目で見つめてきたため、目線を合わせるように膝をついて頭を撫でてやると、三木ヱ門へ勝ち誇った笑みを浮かべた。
「団蔵ー!先輩に向かってなんだその顔は!!」
「恋歌さーん、先輩がいじめてきますぅー」
ぎゅうっ、と強い力で抱きついているが声からは怯えているというわけではないのがわかるため、どうすればいいのかわからずとりあえず抱きついてきている団蔵の背中をぽんぽんと撫でた。
「僕は3年ろ組神崎左門です
先生から目のことは聞きました!
目の秘密は必ず守り通してみせます!」
『ありがとう
でも無理はしなくていいからね』
3年生であれば本当のことは伝えられていないのだろうが、目の色が珍しいものであるということを外部に漏らさないようにすると誓い、ぐっ、と握った拳を高く掲げている。
「えっ、と…僕は…1年い組の…任暁左吉です…」
『左吉くん、よろしく』
「なんだよ左吉、照れてんのか?」
「ち、違う!!」
自己紹介はしてくれたものの目線は床を見つめ、袴を両手で握っている姿に、団蔵が揶揄うような言葉を言ったが強く否定を示した。
「変なやつだな」
『…これなら平気?』
「……はい」
袖の中に入れていたサングラスを取り出してかければ、申し訳なさそうな左吉から小さく返事が聞こえた。
「左吉お前…恋歌さんの目が怖いってこと?」
「う、うるさい!!
安藤先生が仰ってたんだ…目の色が僕たちと違うだけって…それだけだって…
でも…」
『いいんだよ
こんな色の目見たことないから怖いよね』
この部屋で誰一人として気にしていないことを申し訳なく思っているのか、気にする必要はないと伝えても泣きそうな顔をして袴を握る力が強くなっていくだけ。
「恋歌さん本人も気にしていないと仰ってくれている
そこまで気に病むな」
「……はい」
仙蔵に頭を撫でられても自分の心に納得がいっていないのかいつもの元気はない。
『団蔵くん
そろそろみんなが夕飯を作り始める頃じゃない?
まだ委員会のお仕事があるのかな?』
「そうなんですよ…
今日も徹夜かもしれません…」
もし夕飯作りに向かうのであれば一緒にどうかと誘おうとしたが、会計委員全員が委員会活動のことを思い出したのか落ち込み始めた。
『じゃあ後で潮江くんにはお願いしてみるから夕飯ここに持ってこようか?
ここは飲食厳禁?』
「いいんですか!?
飲食厳禁というわけではないんですが…今は帳簿が散らかっているのでもしかしたらダメって言われるかもです…」
『わかった
じゃあ潮江くんに聞いてくるね』
「お願いします!」