初授業とサングラスの段
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食堂で全員を見送ったあと、部屋に戻ってから外出の準備をしてから正門へと向かう。
「恋歌さーん!」
町にサングラスを買いに行く約束をしていたため、小平太と長次、それに仙蔵が私服に着替えて待っていてくれた。
『立花くんも来てくれるの?』
「…こいつらのセンスには少々不安なところがありまして」
「失礼だぞ仙蔵」
『?
一緒に来てくれるなら嬉しい、3人ともありがとう』
何はともあれ一緒に来てくれるというのは心強い。
小平太と長次が不貞腐れているが細かいことは気にしないとすぐに立ち直っていた。
「お店まではこれをどうぞ
わたしがドクタケ忍者に変装する時のものですが」
『ありがとう』
外に出るために笠も用意はしているが、瞳を覆うものが何もないのは不安だろうと小平太の私物を手渡す。
「…なんだかもやっとします」
『え?似合ってないってこと?』
「そうではなくドクタケは忍術学園の敵勢力なので少し複雑、ということです」
『なるほど…
ドクタケ忍者というのは忍術学園の敵なんだね』
「そういった話もしていかねばなりませんね
町に向かいながら話しましょう」
小松田に外出届を渡し、町への道すがら今の戦の状況、忍術学園に好意的な領地、またはその逆の領地、城の事、タソガレドキ忍軍のことについて話してくれた。
『雑渡さんと諸泉さんにはきちんとお礼をしないといけないね』
「お礼など不要、と言いたいところですが気にされるのであればそのうち来ます」
『諸泉さんはお煎餅が好きみたいだから久しぶりに作ってみようかな』
「わたしたちも食べます!」
『うん、ぜひ食べてほしい
あ、でもおばあさまは異国の甘味にも興味があってわたしも何度か食べさせてもらったんだよね
それもまた機会があれば』
「楽しみです」
恋歌にとって甘味は大切な人との思い出。
それを共有できる人がたくさんいて嬉しいと機嫌が良くなっているのがわかる。
「さ、町に着きましたよ」
『これが町…』
入り口できょろ、と見渡しながら“初めて見た”という呟きに3人がぎょっと驚いて目を見合わせた。
しかし恋歌の境遇を考えれば仕方のないことだとすぐに気づく。
閉鎖的な一族、山の中での隠れての生活、そこからは視界を閉ざしていたため町に買い出しは来たことはあれど、見たことは初めてだった。
買い出しも必要最低限の店にしか寄らず、寄り道もしたことはない。
「まずは眼鏡屋に行ってから色々回りましょう」
「えー…色々見てからでもいいのではないか?」
「気にいるものがなければどうするのだ
女性の買い物だぞ」
『あ、わたしは変なのでなければなんでも…』
「普段使うものはこだわるべきです」
「今回は仙蔵が正しい」
「まぁたしかにいつまでもドクタケのはちょっと気に入らんな」
では先に眼鏡屋へ行こう、と簡易的な眼鏡の絵が描かれた暖簾をくぐる。
いらっしゃい、と店主に声をかけられ、店内では笠を取らねばと恋歌が笠を取り、店主に見えないように小平太と長次が壁になった。
「女性用のサングラスを探しているのですが」
「ああ、それならここいらにあるもので全部だよ
普通の眼鏡でもレンズ交換はさせてもらうけど
あちらのお嬢さんのかい?」
「はい、ですが少々恥ずかしがり屋でして…
できればそっとしておいていただけると助かります」
さらりとついた仙蔵の嘘に店主はわかったと頷き、ゆっくりと店内を見ることができるようになった。
「サングラスといっても色々あるな…
濃い色の方がいいですか?」
『うーん…今つけてるものよりは薄くても大丈夫そう』
ドクタケのサングラスはつけている人の目が全く見えない。
陽の光が全くだめ、というわけでもないため、そこまで濃いものでなくとも大丈夫そうだと手近な薄い色の眼鏡を手に取った。
『どう?』
「あまり薄いと目の色がわかりますね…」
「これは黒ではない、とわかる程度です」
『なるほど
じゃあもう少し濃いものを…』
デザインはともかくとして、まずはどの程度の濃さが必要かを確認しようと、色の濃さやレンズの色を決めることにした。
「茶色の方が瞳の色を誤魔化せますね」
『そう?じゃあ茶色にして、濃さはこれぐらい?』
おふざけで桃色や黄色もつけてみたが肝心な瞳の色が黒ではないということがわかってしまうため無難な茶色、もしくは黒が良いのではという意見になった。
「うーん…どう思う長次」
「もうひとつ薄い方がいいかもしれない」
『こっち?』
「せっかくなのでそれをつけている時でも目を見て話がしたいと思うからこの色が良いです」
「なるほど!それはそうだな!!」
『じゃあ色と濃さはこれで決定で』
「良いのですか?」
あっさりと決めてしまった恋歌にもっとじっくり考えても良いと仙蔵が言ってくれるが、恋歌はこれでいいと首を横に振った。
「そうですか?
ではあとはデザインだな
わたしはこれがいいと思う」
「わたしはこれ!」
「わたしはこれが似合うと思う」
3人ともに別々の物を恋歌に渡し、むっとした顔をして睨み合っている。
「恋歌さーん!」
町にサングラスを買いに行く約束をしていたため、小平太と長次、それに仙蔵が私服に着替えて待っていてくれた。
『立花くんも来てくれるの?』
「…こいつらのセンスには少々不安なところがありまして」
「失礼だぞ仙蔵」
『?
一緒に来てくれるなら嬉しい、3人ともありがとう』
何はともあれ一緒に来てくれるというのは心強い。
小平太と長次が不貞腐れているが細かいことは気にしないとすぐに立ち直っていた。
「お店まではこれをどうぞ
わたしがドクタケ忍者に変装する時のものですが」
『ありがとう』
外に出るために笠も用意はしているが、瞳を覆うものが何もないのは不安だろうと小平太の私物を手渡す。
「…なんだかもやっとします」
『え?似合ってないってこと?』
「そうではなくドクタケは忍術学園の敵勢力なので少し複雑、ということです」
『なるほど…
ドクタケ忍者というのは忍術学園の敵なんだね』
「そういった話もしていかねばなりませんね
町に向かいながら話しましょう」
小松田に外出届を渡し、町への道すがら今の戦の状況、忍術学園に好意的な領地、またはその逆の領地、城の事、タソガレドキ忍軍のことについて話してくれた。
『雑渡さんと諸泉さんにはきちんとお礼をしないといけないね』
「お礼など不要、と言いたいところですが気にされるのであればそのうち来ます」
『諸泉さんはお煎餅が好きみたいだから久しぶりに作ってみようかな』
「わたしたちも食べます!」
『うん、ぜひ食べてほしい
あ、でもおばあさまは異国の甘味にも興味があってわたしも何度か食べさせてもらったんだよね
それもまた機会があれば』
「楽しみです」
恋歌にとって甘味は大切な人との思い出。
それを共有できる人がたくさんいて嬉しいと機嫌が良くなっているのがわかる。
「さ、町に着きましたよ」
『これが町…』
入り口できょろ、と見渡しながら“初めて見た”という呟きに3人がぎょっと驚いて目を見合わせた。
しかし恋歌の境遇を考えれば仕方のないことだとすぐに気づく。
閉鎖的な一族、山の中での隠れての生活、そこからは視界を閉ざしていたため町に買い出しは来たことはあれど、見たことは初めてだった。
買い出しも必要最低限の店にしか寄らず、寄り道もしたことはない。
「まずは眼鏡屋に行ってから色々回りましょう」
「えー…色々見てからでもいいのではないか?」
「気にいるものがなければどうするのだ
女性の買い物だぞ」
『あ、わたしは変なのでなければなんでも…』
「普段使うものはこだわるべきです」
「今回は仙蔵が正しい」
「まぁたしかにいつまでもドクタケのはちょっと気に入らんな」
では先に眼鏡屋へ行こう、と簡易的な眼鏡の絵が描かれた暖簾をくぐる。
いらっしゃい、と店主に声をかけられ、店内では笠を取らねばと恋歌が笠を取り、店主に見えないように小平太と長次が壁になった。
「女性用のサングラスを探しているのですが」
「ああ、それならここいらにあるもので全部だよ
普通の眼鏡でもレンズ交換はさせてもらうけど
あちらのお嬢さんのかい?」
「はい、ですが少々恥ずかしがり屋でして…
できればそっとしておいていただけると助かります」
さらりとついた仙蔵の嘘に店主はわかったと頷き、ゆっくりと店内を見ることができるようになった。
「サングラスといっても色々あるな…
濃い色の方がいいですか?」
『うーん…今つけてるものよりは薄くても大丈夫そう』
ドクタケのサングラスはつけている人の目が全く見えない。
陽の光が全くだめ、というわけでもないため、そこまで濃いものでなくとも大丈夫そうだと手近な薄い色の眼鏡を手に取った。
『どう?』
「あまり薄いと目の色がわかりますね…」
「これは黒ではない、とわかる程度です」
『なるほど
じゃあもう少し濃いものを…』
デザインはともかくとして、まずはどの程度の濃さが必要かを確認しようと、色の濃さやレンズの色を決めることにした。
「茶色の方が瞳の色を誤魔化せますね」
『そう?じゃあ茶色にして、濃さはこれぐらい?』
おふざけで桃色や黄色もつけてみたが肝心な瞳の色が黒ではないということがわかってしまうため無難な茶色、もしくは黒が良いのではという意見になった。
「うーん…どう思う長次」
「もうひとつ薄い方がいいかもしれない」
『こっち?』
「せっかくなのでそれをつけている時でも目を見て話がしたいと思うからこの色が良いです」
「なるほど!それはそうだな!!」
『じゃあ色と濃さはこれで決定で』
「良いのですか?」
あっさりと決めてしまった恋歌にもっとじっくり考えても良いと仙蔵が言ってくれるが、恋歌はこれでいいと首を横に振った。
「そうですか?
ではあとはデザインだな
わたしはこれがいいと思う」
「わたしはこれ!」
「わたしはこれが似合うと思う」
3人ともに別々の物を恋歌に渡し、むっとした顔をして睨み合っている。