初授業とサングラスの段
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
気を取りなおすようにごほん、とひとつ咳払いをした土井は出席から取り始め、いつもの11人の名前を呼び終わった後に恋歌の名前を付け足した。
「へへ、なんか嬉しい」
『ごめんね、ちょっと狭くなっちゃったね』
「いやいや!気にしないでください」
「僕も平気ですー」
兵太夫と喜三太はいつもは2人で机を使っている分他の机よりはゆとりがあったが、いくら女性とはいえ恋歌が座ったことで少し窮屈なのではと思ったが2人とも気にしていないようでにこにこしている。
「いいなぁー」
「土井先生!席替えしましょう!」
「しない!
ほら、早く授業を始めるぞ」
「「「はーい…」」」
聞き分けの良い子たちなので一度土井に叱られればそれ以上騒ぐことはなく、いつも通り授業が始まった。
「えー、今日の授業は以前の復習から…」
にんたまの友を開いて前の授業の復習から始まるが、ほぼ誰も前の授業の内容を覚えておらず土井が腹痛を訴えてうずくまったり、何人かが居眠りをしたり、きり丸が内職を始めたりと授業というにははちゃめちゃな光景が広がっていく。
「お前らなぁ…」
『ふふ、土井先生も良い子たちには敵いませんね』
「笑い事じゃない…」
ついには恋歌以外全員居眠りをしてしまい、算術の時間だというのに誰も計算をしていない。
「起きんか!!」
軽い力でぱしぱしと頭を順番に叩かれると、ハッとしたように全員が目を覚ましていく。
「そんなにわたしの授業はつまらんか?」
「算数の授業ってなんか眠くなっちゃうんだよね」
「わかるわかる
数字ばっかり見てるからかな」
「そうかそうか
それなら今日は算数の宿題を出してやろう」
「「「ええー!!!」」」
「ええー!じゃない!!」
宿題が出る、という言葉に全員が嫌そうな顔をしたが土井はそんなことでは宿題を取り消してはくれない。
配られたプリントには10問ほどの問題が書かれており、それは起きていた恋歌にも配られた。
「一応全員に出すから…その…」
『土井先生
宿題でもなんでもみんなと同じで大丈夫ですよ』
「そ、そう?」
真面目に受けてくれていた恋歌にまで宿題を出すことに罪悪感を覚えた土井だったが、特別扱いは不要と恋歌は嬉しそうに宿題のプリントを受け取った。
宿題を嬉しそうに受け取ってくれたのは初めてのため少し感動して泣きそうになったがそれはなんとか堪え、授業終了の鐘と共に授業は終了した。
「わーい!お昼だー!」
「食堂行こう!」
「恋歌さん一緒に食べましょう!」
『うん、ありがとう』
手を引かれながらは組全員で食堂に向かう。
「あら、今日から授業受けてたの?」
『はい、土井先生のところでお世話になってます』
「ふふ、よかったわね」
『またいつでもお手伝いします』
「ありがとう」
食堂のおばちゃんも今回の件について協力してくれていたと聞いた。
嬉しそうに笑ってくれているということはある程度事情も知っているのだろうと、初めてランチを注文した。
「はい、お待たせ
ご飯は少なめにしておいたからおかわりしたくなったら言ってね」
『お気遣いありがとうございます』
渡されたお盆の上には1年は組より少ない量の白米に、おかずも少なくできるものは少なくしてくれている。
“お残しは許しまへん”というのを何度か聞いていて、何度か残したくて残せない生徒たちの声を聞いたことがあったため、それはありがたい気遣いだった。
「恋歌さんこっちー!」
乱太郎が手を振って自分の前の席を指さしており、空いている席の横には庄左ヱ門と伊助が座っている。
どうやらこの席順はじゃんけんで勝ったらしく、2人とも機嫌が良さそうににこにこしている。
「ではいただきます」
「「「いただきまーす!」」」
庄左ヱ門の言葉に続いて全員で手を合わせてから食事を開始する。
「午後からの山田先生の授業にも参加されるのですか?」
『ううん、今日は学園長先生が町に行ってサングラスを買ってきてもいいと許可をくださったから買いに行ってくるよ』
「ええー!それ着いて行きたかった…」
「頼んでみようぜ!」
『七松くんと中在家くんが着いてきてくれるから大丈夫だよ
みんなは授業受けていて』
「ぶー…先輩たちばっかり…」
「この3日間も先輩方とどこかに行かれてたんですよね?」
『…うん、そうだね』
一瞬何のことかと思ったがこの3日間意識のなかった恋歌のために嘘をついてくれているのだろうと瞬時に理解して話を合わせた。
「どこに行かれてたんですか?」
『内緒』
「「「ええー…」」」
「でも…そのおでかけのおかげで包帯を取ろうと思ったってことですよね?」
不服そうな声をあげていたが、乱太郎が急にはっとしたような顔になった。
『うん』
「それならよかったです」
「まぁちょっと納得いかねぇけど…仕方ないな…」
『ありがとう』
「ところで恋歌さん、僕たちのこと普通に名前で呼んでくれていますが顔を見たのは初めてですよね?」
「相変わらず庄ちゃんってば冷静ね」
『みんな初めて会った時にちゃんと挨拶してくれたでしょ』
「でも顔は…見てなかったですよね?」
『声と名前で覚えてるんだよ
1年は組のみんなは全員声を聞いたことがあるし、みんな自己紹介の時に名前を教えてくれているからわかるよ』
「「「ほぇー…」」」
すごいことを言われているようでなんてことはないように話されてしまったので間の抜けた声を出してしまった。
『でもちゃんとお顔を見てお話しできる方が嬉しい』
「僕たちも!」
「ピクニックにも一緒に行きたいし…」
「川に遊びに行って魚捕まえたりとか…」
「裏山で鬼ごっことかも…」
そのあとは雑談と放課後何をして遊ぶかや、宿題をいつするかなどいつも通りの会話をして、恋歌以外の1年は組の良い子たちは午後の授業のために食堂から運動場へと向かうのを見送った。
「へへ、なんか嬉しい」
『ごめんね、ちょっと狭くなっちゃったね』
「いやいや!気にしないでください」
「僕も平気ですー」
兵太夫と喜三太はいつもは2人で机を使っている分他の机よりはゆとりがあったが、いくら女性とはいえ恋歌が座ったことで少し窮屈なのではと思ったが2人とも気にしていないようでにこにこしている。
「いいなぁー」
「土井先生!席替えしましょう!」
「しない!
ほら、早く授業を始めるぞ」
「「「はーい…」」」
聞き分けの良い子たちなので一度土井に叱られればそれ以上騒ぐことはなく、いつも通り授業が始まった。
「えー、今日の授業は以前の復習から…」
にんたまの友を開いて前の授業の復習から始まるが、ほぼ誰も前の授業の内容を覚えておらず土井が腹痛を訴えてうずくまったり、何人かが居眠りをしたり、きり丸が内職を始めたりと授業というにははちゃめちゃな光景が広がっていく。
「お前らなぁ…」
『ふふ、土井先生も良い子たちには敵いませんね』
「笑い事じゃない…」
ついには恋歌以外全員居眠りをしてしまい、算術の時間だというのに誰も計算をしていない。
「起きんか!!」
軽い力でぱしぱしと頭を順番に叩かれると、ハッとしたように全員が目を覚ましていく。
「そんなにわたしの授業はつまらんか?」
「算数の授業ってなんか眠くなっちゃうんだよね」
「わかるわかる
数字ばっかり見てるからかな」
「そうかそうか
それなら今日は算数の宿題を出してやろう」
「「「ええー!!!」」」
「ええー!じゃない!!」
宿題が出る、という言葉に全員が嫌そうな顔をしたが土井はそんなことでは宿題を取り消してはくれない。
配られたプリントには10問ほどの問題が書かれており、それは起きていた恋歌にも配られた。
「一応全員に出すから…その…」
『土井先生
宿題でもなんでもみんなと同じで大丈夫ですよ』
「そ、そう?」
真面目に受けてくれていた恋歌にまで宿題を出すことに罪悪感を覚えた土井だったが、特別扱いは不要と恋歌は嬉しそうに宿題のプリントを受け取った。
宿題を嬉しそうに受け取ってくれたのは初めてのため少し感動して泣きそうになったがそれはなんとか堪え、授業終了の鐘と共に授業は終了した。
「わーい!お昼だー!」
「食堂行こう!」
「恋歌さん一緒に食べましょう!」
『うん、ありがとう』
手を引かれながらは組全員で食堂に向かう。
「あら、今日から授業受けてたの?」
『はい、土井先生のところでお世話になってます』
「ふふ、よかったわね」
『またいつでもお手伝いします』
「ありがとう」
食堂のおばちゃんも今回の件について協力してくれていたと聞いた。
嬉しそうに笑ってくれているということはある程度事情も知っているのだろうと、初めてランチを注文した。
「はい、お待たせ
ご飯は少なめにしておいたからおかわりしたくなったら言ってね」
『お気遣いありがとうございます』
渡されたお盆の上には1年は組より少ない量の白米に、おかずも少なくできるものは少なくしてくれている。
“お残しは許しまへん”というのを何度か聞いていて、何度か残したくて残せない生徒たちの声を聞いたことがあったため、それはありがたい気遣いだった。
「恋歌さんこっちー!」
乱太郎が手を振って自分の前の席を指さしており、空いている席の横には庄左ヱ門と伊助が座っている。
どうやらこの席順はじゃんけんで勝ったらしく、2人とも機嫌が良さそうににこにこしている。
「ではいただきます」
「「「いただきまーす!」」」
庄左ヱ門の言葉に続いて全員で手を合わせてから食事を開始する。
「午後からの山田先生の授業にも参加されるのですか?」
『ううん、今日は学園長先生が町に行ってサングラスを買ってきてもいいと許可をくださったから買いに行ってくるよ』
「ええー!それ着いて行きたかった…」
「頼んでみようぜ!」
『七松くんと中在家くんが着いてきてくれるから大丈夫だよ
みんなは授業受けていて』
「ぶー…先輩たちばっかり…」
「この3日間も先輩方とどこかに行かれてたんですよね?」
『…うん、そうだね』
一瞬何のことかと思ったがこの3日間意識のなかった恋歌のために嘘をついてくれているのだろうと瞬時に理解して話を合わせた。
「どこに行かれてたんですか?」
『内緒』
「「「ええー…」」」
「でも…そのおでかけのおかげで包帯を取ろうと思ったってことですよね?」
不服そうな声をあげていたが、乱太郎が急にはっとしたような顔になった。
『うん』
「それならよかったです」
「まぁちょっと納得いかねぇけど…仕方ないな…」
『ありがとう』
「ところで恋歌さん、僕たちのこと普通に名前で呼んでくれていますが顔を見たのは初めてですよね?」
「相変わらず庄ちゃんってば冷静ね」
『みんな初めて会った時にちゃんと挨拶してくれたでしょ』
「でも顔は…見てなかったですよね?」
『声と名前で覚えてるんだよ
1年は組のみんなは全員声を聞いたことがあるし、みんな自己紹介の時に名前を教えてくれているからわかるよ』
「「「ほぇー…」」」
すごいことを言われているようでなんてことはないように話されてしまったので間の抜けた声を出してしまった。
『でもちゃんとお顔を見てお話しできる方が嬉しい』
「僕たちも!」
「ピクニックにも一緒に行きたいし…」
「川に遊びに行って魚捕まえたりとか…」
「裏山で鬼ごっことかも…」
そのあとは雑談と放課後何をして遊ぶかや、宿題をいつするかなどいつも通りの会話をして、恋歌以外の1年は組の良い子たちは午後の授業のために食堂から運動場へと向かうのを見送った。