アルバイトと忍術学園の段
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そして次の休みの日、恋歌の店の前で待ち合わせをしていたため時間通りにきり丸はやってきた。
「恋歌さん、おはようございます」
『きり丸くん、おはよう
?他に誰かいる?』
「はい!
今日は先輩方についてきてもらったんです」
茶店の前にある椅子に腰掛けていた恋歌にきり丸が声をかけると近くに乱太郎としんべヱとは違う人の気配がした。
「先輩方、ちょっと手をお借りします」
「ん?ああ」
乱太郎としんべヱを紹介した時のように恋歌の手と相手の手を握らせると、握りやすいようにと先輩と言われた男が膝を地面につけたのが風の動きで恋歌にも伝わった。
「潮江文次郎先輩です」
『潮江くん、でいいのかな?』
「はい、よろしくお願いします」
『こちらこそよろしく』
「それでこちらが七松小平太先輩」
『七松くんだね
よろしく』
「はい!よろしくお願いします!」
「最後に中在家長次先輩です」
『中在家くんね
よろしく』
「もそ…よろしくお願いします」
最初の文次郎に倣うように他の2人も交代で恋歌の前に膝をついて手に触れて挨拶を交わした。
『わざわざこんなにたくさん来てくれて申し訳ないね…』
「今日は買い出しに行くので荷物持ちもたくさんいた方がいいかなと思いまして!
それにたくさん仕入れてたくさん売った方が儲けもありますし!」
目を銭に変えて涎を垂らしているが恋歌にはその様子が見えておらず、荷物持ちと言われた先輩3人が苦笑いをしている。
「今日は買い出しとその道中の護衛と聞いてます
あまり我らのことは気負わず」
『ありがとう』
今回きり丸にお願いしたのは学園で恋歌の饅頭や団子を売ってもらうこととその材料の買い出し。
乱太郎としんべヱが恋歌の作った物をみんなに食べてもらえないことを残念がっていたので、きり丸にアルバイトとして買い出しに付き合って貰えばそれを学園に持って帰ってもいいと提案をした。
それに銭の匂いがしたのかきり丸はかなり乗り気で次の休みに強力な助っ人を呼んで来ると約束をしていた。
それで呼ばれたのが6年生の3人。
荷物持ちなら乱太郎、しんべヱより力があり、護衛も強い最上級生の方がいいだろうとアルバイトの手伝いを依頼した。
依頼主が女性で盲目ということをきり丸から聞いており、護衛も荷物持ちも必要だろうと3人は快く今回のアルバイトの手伝いを承諾した。
「ささ、行きましょ」
『うん、よろしくね』
きり丸の手を支えに杖を持ち立ち上がった恋歌は促されるまま歩き始め、その後ろを3人がゆったりとした足取りでついてくる。
「ついたぁー!」
店を出発してからしばらくして一番近い町に到着した。
「何から買いに行きますか?」
『そうだね…
小麦粉かな
小麦粉が買える分に合わせて他の材料を買うことにしようかな』
「りょーかいっす!
いっぱい作っていっぱい売りましょう!!」
「お、おいおい!そんなに引っ張ったら危ないぞ!」
荷物持ちには先輩がいるからと恋歌の手を引いてきり丸が張り切って店に連れて行こうとするのを文次郎が止めた。
「あ、ごめんなさい…
速かったですか?」
『潮江くんありがとう
きり丸くんごめんね、もう少しゆっくりだと嬉しいかな』
「はい!」
舞い上がりすぎてしまっていたかとすぐに反省したきり丸はしっかりと恋歌の手を握り直してゆっくりと歩き始めた。
「ったく、あいつは危なっかしいというか、金儲けに貪欲というか…」
「なはは!まぁいいじゃないか
なぁ長次」
「よくない
怪我をする」
恋歌が転びそうになったり人にぶつかったりしないようにさりげなくフォローしているつもりではあるがきり丸に引っ張られて転ばれると完全にこちらが悪くなる。
「しかし今までどうやって1人で生きておられたのか…」
先ほどよりゆっくり歩いている2人に後ろからついて行ってはいるが、いつもは1人で買い出しも何もかもしていると聞いた。
町に来れば助けてくれる人間はたくさんいるだろうが、世の中は善人ばかりではない。
「おや、恋歌ちゃんじゃないか
いらっしゃい」
『こんにちは』
いろんな店に顔を出せばほとんどの店で顔見知りらしく名前を呼ばれて和かに会話も取引も成立している。
「恋歌さんは人を見る目があるのかもしれないな」
「人を見る目?」
「ああ、自分で取引相手を選んでいるとすれば善人であることを見抜けるのではないのかと思っただけだ」
「なるほど…」
真偽はわからんがな、と大きく口を開けて笑う小平太に文次郎は呆れたようにため息をつくが、視力がなくなると他の感覚が鋭くなると聞く。
もしかするとその感覚が研ぎ澄まされているのではないか、と結論づけた。
「それにしても…」
目の前では値引きをしようと交渉しているきり丸と、それを可笑しそうに笑う恋歌、泣きそうになっている店主がいるが、文次郎、小平太、長次の横には大量の材料が詰まれた荷車がある。
「あいつは一体どれだけ買うつもりなんだ」
「恋歌さんが止めてないならいいんじゃないか?」
「それはそうかもしれんが…」
きり丸のことを止めた方がいいのでは?と思っているが恋歌が楽しそうに笑っているのを見て、本人が止めたいのであればいいのだろうともう少し見守ることにした。
「あ!せんぱーい!
これ最後なんでお願いします!」
「おう」
疲れた顔をしている店主の前に詰まれた荷物を文次郎が受け取り、きり丸が代金を支払うことで買い出しは終了した。
「こちらにどうぞ!」
『ありがとう』
きり丸が恋歌の側を少しだけ離れてしまったので、近くにいた小平太が恋歌の手を軽く引いて荷車の方へ連れて行き、荷車の後ろに恋歌を座らせた。
「…さて、帰るか」
「…もそ、そうだな」
「…おーい!きり丸!!帰るぞー」
「あ!!待ってくださいよー!」
3人が目配せをして頷き合った直後にきり丸を呼び、きり丸も荷車に乗るようにと指示を出す。
「よーし、それじゃあわたしが最初だ!!」
「きっかり三分の一で止まれよ!!」
「え?せ、先輩方なにを…」
文次郎も長次も荷車に乗り込み小平太は荷車を引くための準備なのか屈伸をしている。
「今から少し揺れます
嫌でなければ落ちないように支えても?」
『お願いします』
「きり丸はこっちだ」
「え?え?」
「いけいけどんどーん!!!」
文次郎が恋歌を、長次がきり丸を支えた直後に荷車は人が引いているとは思えないスピードで出発した。
「ちょ、ちょっとおおおおおおお!!」
きり丸の叫びも虚しく小平太はどんどんとスピードを上げていく。
『わっ…』
「おっと…
小平太!!振動は最小限にしろ!」
「それもそうだな!!わかった!!」
小石に車輪が当たり一度強く振動がきてしまい恋歌が落ちそうになったのを文次郎が支え、振動が来ないようにしろと後ろから声をかけた。
「もそ…でもそろそろ交代だ」
「えー!!まだまだ足りないぞ!!」
「きっかり三分の一って話しただろうが!!」
「ちぇー」
ききー、っと急ブレーキをかけて小平太が止まれば、次はおれだと文次郎が小平太と交代した。
「わたしの腕掴んでてください!」
『ふふっ、ありがとう』
「恋歌さん…なーにを楽しそうに…ぎゃー!!!」
自身の身体の前に差し出された小平太の腕に手を導かれそれをしっかり掴んだことを確認して文次郎が出発し、笑っている恋歌にツッコミを入れようとしたきり丸の言葉は最後まで言うことができなかった。
「ギンギーン!!」
そしてしばらくして文次郎と長次が交代し、無事に恋歌の茶店まで戻ってくることができた。
「む、無茶しすぎっすよ…」
「ははは、これぐらいでへこたれていてはいかんぞ!」
あまりのスピードに目を回したきり丸は文次郎に抱えられて荷車から降ろされた。
「よっ、と」
『あ、ありがとう』
杖で大体の高さを確認しこれならば飛び降りられると判断して足を地面につけようとしていると、横にいた小平太が恋歌の脇に手を入れて簡単に持ち上げて地面にゆっくりと降ろしてくれた。
「さてと、あとは荷物を中に入れりゃいいんだな
どこにおけばいいですか?」
『きり丸くん、お願いできる?』
「はいはーい!おれが案内します」
恋歌の茶店の調理場は置き場所が全て決まっている。
何度かアルバイトに来てくれているきり丸は場所を全て把握しているため3人に荷物の置き場を教え、買ってきた材料は全て店の中に入れることができた。
『さて、今から作るから少し待っててね』
器用に着物をたすき掛けし、きり丸に渡す分の団子や饅頭を作り始めた。
「おれたち少し外に出てくる」
「すぐに戻ってくるけどな」
「え?
わかりました」
恋歌が材料をこね始めると文次郎、小平太、長次の3人は店の外に出て行ってしまった。
「暇つぶしにでも出たんですかね」
『暇つぶしできるものはないけどなぁ…』
「恋歌さん、おはようございます」
『きり丸くん、おはよう
?他に誰かいる?』
「はい!
今日は先輩方についてきてもらったんです」
茶店の前にある椅子に腰掛けていた恋歌にきり丸が声をかけると近くに乱太郎としんべヱとは違う人の気配がした。
「先輩方、ちょっと手をお借りします」
「ん?ああ」
乱太郎としんべヱを紹介した時のように恋歌の手と相手の手を握らせると、握りやすいようにと先輩と言われた男が膝を地面につけたのが風の動きで恋歌にも伝わった。
「潮江文次郎先輩です」
『潮江くん、でいいのかな?』
「はい、よろしくお願いします」
『こちらこそよろしく』
「それでこちらが七松小平太先輩」
『七松くんだね
よろしく』
「はい!よろしくお願いします!」
「最後に中在家長次先輩です」
『中在家くんね
よろしく』
「もそ…よろしくお願いします」
最初の文次郎に倣うように他の2人も交代で恋歌の前に膝をついて手に触れて挨拶を交わした。
『わざわざこんなにたくさん来てくれて申し訳ないね…』
「今日は買い出しに行くので荷物持ちもたくさんいた方がいいかなと思いまして!
それにたくさん仕入れてたくさん売った方が儲けもありますし!」
目を銭に変えて涎を垂らしているが恋歌にはその様子が見えておらず、荷物持ちと言われた先輩3人が苦笑いをしている。
「今日は買い出しとその道中の護衛と聞いてます
あまり我らのことは気負わず」
『ありがとう』
今回きり丸にお願いしたのは学園で恋歌の饅頭や団子を売ってもらうこととその材料の買い出し。
乱太郎としんべヱが恋歌の作った物をみんなに食べてもらえないことを残念がっていたので、きり丸にアルバイトとして買い出しに付き合って貰えばそれを学園に持って帰ってもいいと提案をした。
それに銭の匂いがしたのかきり丸はかなり乗り気で次の休みに強力な助っ人を呼んで来ると約束をしていた。
それで呼ばれたのが6年生の3人。
荷物持ちなら乱太郎、しんべヱより力があり、護衛も強い最上級生の方がいいだろうとアルバイトの手伝いを依頼した。
依頼主が女性で盲目ということをきり丸から聞いており、護衛も荷物持ちも必要だろうと3人は快く今回のアルバイトの手伝いを承諾した。
「ささ、行きましょ」
『うん、よろしくね』
きり丸の手を支えに杖を持ち立ち上がった恋歌は促されるまま歩き始め、その後ろを3人がゆったりとした足取りでついてくる。
「ついたぁー!」
店を出発してからしばらくして一番近い町に到着した。
「何から買いに行きますか?」
『そうだね…
小麦粉かな
小麦粉が買える分に合わせて他の材料を買うことにしようかな』
「りょーかいっす!
いっぱい作っていっぱい売りましょう!!」
「お、おいおい!そんなに引っ張ったら危ないぞ!」
荷物持ちには先輩がいるからと恋歌の手を引いてきり丸が張り切って店に連れて行こうとするのを文次郎が止めた。
「あ、ごめんなさい…
速かったですか?」
『潮江くんありがとう
きり丸くんごめんね、もう少しゆっくりだと嬉しいかな』
「はい!」
舞い上がりすぎてしまっていたかとすぐに反省したきり丸はしっかりと恋歌の手を握り直してゆっくりと歩き始めた。
「ったく、あいつは危なっかしいというか、金儲けに貪欲というか…」
「なはは!まぁいいじゃないか
なぁ長次」
「よくない
怪我をする」
恋歌が転びそうになったり人にぶつかったりしないようにさりげなくフォローしているつもりではあるがきり丸に引っ張られて転ばれると完全にこちらが悪くなる。
「しかし今までどうやって1人で生きておられたのか…」
先ほどよりゆっくり歩いている2人に後ろからついて行ってはいるが、いつもは1人で買い出しも何もかもしていると聞いた。
町に来れば助けてくれる人間はたくさんいるだろうが、世の中は善人ばかりではない。
「おや、恋歌ちゃんじゃないか
いらっしゃい」
『こんにちは』
いろんな店に顔を出せばほとんどの店で顔見知りらしく名前を呼ばれて和かに会話も取引も成立している。
「恋歌さんは人を見る目があるのかもしれないな」
「人を見る目?」
「ああ、自分で取引相手を選んでいるとすれば善人であることを見抜けるのではないのかと思っただけだ」
「なるほど…」
真偽はわからんがな、と大きく口を開けて笑う小平太に文次郎は呆れたようにため息をつくが、視力がなくなると他の感覚が鋭くなると聞く。
もしかするとその感覚が研ぎ澄まされているのではないか、と結論づけた。
「それにしても…」
目の前では値引きをしようと交渉しているきり丸と、それを可笑しそうに笑う恋歌、泣きそうになっている店主がいるが、文次郎、小平太、長次の横には大量の材料が詰まれた荷車がある。
「あいつは一体どれだけ買うつもりなんだ」
「恋歌さんが止めてないならいいんじゃないか?」
「それはそうかもしれんが…」
きり丸のことを止めた方がいいのでは?と思っているが恋歌が楽しそうに笑っているのを見て、本人が止めたいのであればいいのだろうともう少し見守ることにした。
「あ!せんぱーい!
これ最後なんでお願いします!」
「おう」
疲れた顔をしている店主の前に詰まれた荷物を文次郎が受け取り、きり丸が代金を支払うことで買い出しは終了した。
「こちらにどうぞ!」
『ありがとう』
きり丸が恋歌の側を少しだけ離れてしまったので、近くにいた小平太が恋歌の手を軽く引いて荷車の方へ連れて行き、荷車の後ろに恋歌を座らせた。
「…さて、帰るか」
「…もそ、そうだな」
「…おーい!きり丸!!帰るぞー」
「あ!!待ってくださいよー!」
3人が目配せをして頷き合った直後にきり丸を呼び、きり丸も荷車に乗るようにと指示を出す。
「よーし、それじゃあわたしが最初だ!!」
「きっかり三分の一で止まれよ!!」
「え?せ、先輩方なにを…」
文次郎も長次も荷車に乗り込み小平太は荷車を引くための準備なのか屈伸をしている。
「今から少し揺れます
嫌でなければ落ちないように支えても?」
『お願いします』
「きり丸はこっちだ」
「え?え?」
「いけいけどんどーん!!!」
文次郎が恋歌を、長次がきり丸を支えた直後に荷車は人が引いているとは思えないスピードで出発した。
「ちょ、ちょっとおおおおおおお!!」
きり丸の叫びも虚しく小平太はどんどんとスピードを上げていく。
『わっ…』
「おっと…
小平太!!振動は最小限にしろ!」
「それもそうだな!!わかった!!」
小石に車輪が当たり一度強く振動がきてしまい恋歌が落ちそうになったのを文次郎が支え、振動が来ないようにしろと後ろから声をかけた。
「もそ…でもそろそろ交代だ」
「えー!!まだまだ足りないぞ!!」
「きっかり三分の一って話しただろうが!!」
「ちぇー」
ききー、っと急ブレーキをかけて小平太が止まれば、次はおれだと文次郎が小平太と交代した。
「わたしの腕掴んでてください!」
『ふふっ、ありがとう』
「恋歌さん…なーにを楽しそうに…ぎゃー!!!」
自身の身体の前に差し出された小平太の腕に手を導かれそれをしっかり掴んだことを確認して文次郎が出発し、笑っている恋歌にツッコミを入れようとしたきり丸の言葉は最後まで言うことができなかった。
「ギンギーン!!」
そしてしばらくして文次郎と長次が交代し、無事に恋歌の茶店まで戻ってくることができた。
「む、無茶しすぎっすよ…」
「ははは、これぐらいでへこたれていてはいかんぞ!」
あまりのスピードに目を回したきり丸は文次郎に抱えられて荷車から降ろされた。
「よっ、と」
『あ、ありがとう』
杖で大体の高さを確認しこれならば飛び降りられると判断して足を地面につけようとしていると、横にいた小平太が恋歌の脇に手を入れて簡単に持ち上げて地面にゆっくりと降ろしてくれた。
「さてと、あとは荷物を中に入れりゃいいんだな
どこにおけばいいですか?」
『きり丸くん、お願いできる?』
「はいはーい!おれが案内します」
恋歌の茶店の調理場は置き場所が全て決まっている。
何度かアルバイトに来てくれているきり丸は場所を全て把握しているため3人に荷物の置き場を教え、買ってきた材料は全て店の中に入れることができた。
『さて、今から作るから少し待っててね』
器用に着物をたすき掛けし、きり丸に渡す分の団子や饅頭を作り始めた。
「おれたち少し外に出てくる」
「すぐに戻ってくるけどな」
「え?
わかりました」
恋歌が材料をこね始めると文次郎、小平太、長次の3人は店の外に出て行ってしまった。
「暇つぶしにでも出たんですかね」
『暇つぶしできるものはないけどなぁ…』