アルバイトと忍術学園の段
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「「「いただきます」」」
『いただきます』
出来上がった夕飯を並べ、全員で手を合わせて食事を始めた。
目の前には手伝ってくれた1年ろ組の良い子達がこねて形を整えた小さいハンバーグが並んでいる。
「うん、美味い
すごいじゃないかお前たち」
「へ、へへ…恋歌さんが味付けをしてくださったからです…」
同じメニューを食べている仙蔵が味付けは全て恋歌がしたと知っていても、1年ろ組の良い子たちのことを褒めれば照れたように顔を赤くしている。
『みんながお料理上手だからだよ
ね?立花くん』
「そうですね」
「「「へへ…」」」
「お、おかわりとかしちゃったり…」
「あ、僕も…」
照れくさそうにおかわりをしに行く良い子たちを仙蔵は笑顔で見つめ、それと同時に恋歌のことも観察をしていた。
(1年ろ組の良い子たちが手伝ったとはいえ恋歌さん1人でも十分作れそうな動きだった
甘味と同じで誰かに作り方を教わったとしか…)
味付けの仕方は決まっているといわんばかりに迷いがなく、焼き加減の時間配分も完璧だった。
食堂のおばちゃんとは違う味ではあるがこれも美味いと思える出来栄え。
(ここでどこで教えてもらったのかと聞いたとしても答えてはいただけないのだろうな)
「立花先輩どうされたんですか?」
思考することに意識が向いてしまい箸が止まってしまっており声をかけられてなんでもないと笑顔を向けた。
「恋歌さん、また一緒にご飯食べましょうね」
『うん、そうだね』
それから1年ろ組たちとの夕食を終え、山本シナが迎えに来たことで仙蔵とも別れ、今は自室で寝る準備を整えていたところだった、
「こんばんは
今時間いいかい?」
軽く襖の木の部分を叩く音が聞こえ、外からこんな声が聞こえてきたのは。
『はい、どうぞ』
「あ、ちなみに言っておくけどやましい気持ちは何もないからね」
『わかってます
なにか御用でしょうか、雑渡昆奈門さん』
声をかけて部屋の中に入ってきたのは今日医務室で会ったばかりのタソガレドキ忍軍組頭雑渡昆奈門だった。
座ったままの恋歌を見下ろしながら部屋に一歩足を踏み入れ襖をきっちり閉めて横座りで正面に座る。
「ちょっと気になることがあってね」
『はい』
「まぁ…その様子だとわかってそうだけど…
神埜(かの)、って一族のこと聞いたことある?」
『…思っていた質問ではありますね』
「そうみたいだね
一応返事聞かせてよ」
『聞いたことがある、というよりも生家ですが捨てた名です』
思った通りの返答だったのか、やっぱりねと呟いて雑渡は息をはいた。
『これはただの好奇心なのですが、その名はどちらで?』
「うちは優秀なのが揃ってるんだよね
まぁでも苦労したとは言ってたよ」
『タソガレドキの忍者隊は優秀だと聞いてましたが…さすがですね』
「うちのこと知ってたの?」
『これでも普段は茶店をしておりますので
人の噂程度には』
「なるほどね
それでわたしがこの名を出したことに対して身に覚えはある?」
『そうですね…
タソガレドキの忍者の皆さんにわたしの暗殺か誘拐の依頼が入った、ということぐらいしか想像できません』
「半分当たりで半分不正解、ってとこだね」
『それは残念です』
全く残念とは思っていないであろう声音で少し笑っている恋歌に、雑渡は恋歌にわからないように静かに襖を開けた。
「わたしたちタソガレドキは君の暗殺も誘拐も依頼されていないよ
ただわたしたちも噂を耳にしたんだよ
“あの”神埜家が娘を探しているってね」
『探している理由は大体想像がついてます
でも自分たちが出て行けと言った割に今更探しているなんて都合のいい話ですよね』
「出て行けって言われたんだ」
『あら?全てご存知なのかと思ったんですが…そうでもないんですね』
「まぁたまたま噂で聞いた程度だしね
調べ始めたところだったから時間かかりそうだし色々教えてほしいなと思ったんだけど」
『そうですね…
これは断ればどうなるんでしょう』
「んー…正直興味本位なんだよね
うちのが調べたら遅かれ早かれ全部わかることだし」
『そうですか
では今はまだ内緒、ということで』
笑って唇に人差し指を当てた恋歌に雑渡はふぅ、とため息をついた。
「それじゃこっちはこっちで調べさせてもらうよ
ところでうちに依頼が来てたらどうしてたの?」
『雑渡さんほどの方が来られたのであれば諦めます
相手の力量がわからないほど愚者ではありませんから』
「…なるほど
でもあの家を出てきてから茶店をして生きているということは死ぬつもりはないんでしょ?」
『…わたしが死ぬことがあの人たちが一番喜ぶことなのです
だからそう簡単に死んでやりません
雑渡さんほど力の差があれば諦める他ありませんが』
「ふぅん…
死にたくないってわけじゃないんだね」
『…“死にたくない”とは思ってはいますが難しい場合は諦める、が正しいかと』
「それじゃあ狙われてるからって今すぐ死んだりするわけじゃないんだ」
『?はい
いくら追い出したとはいえわたしの動向は把握していたでしょうし
野垂れ死ぬことを望んでいたのでしょうが、生憎と思い通りにはいかなかったみたいです
だから可能な限りは生きます』
「それが聞けただけで十分だよ」
よいしょ、と立ち上がった後少し開けていた襖をわざと音を立てて開いた。
「それじゃあおやすみ」
『はい、おやすみなさい』
ひらり、と手を振った雑渡は襖の周りにいるたまごたちに指で指示を出してその場から離れさせぴしりと恋歌の部屋の襖を閉めた。
『いただきます』
出来上がった夕飯を並べ、全員で手を合わせて食事を始めた。
目の前には手伝ってくれた1年ろ組の良い子達がこねて形を整えた小さいハンバーグが並んでいる。
「うん、美味い
すごいじゃないかお前たち」
「へ、へへ…恋歌さんが味付けをしてくださったからです…」
同じメニューを食べている仙蔵が味付けは全て恋歌がしたと知っていても、1年ろ組の良い子たちのことを褒めれば照れたように顔を赤くしている。
『みんながお料理上手だからだよ
ね?立花くん』
「そうですね」
「「「へへ…」」」
「お、おかわりとかしちゃったり…」
「あ、僕も…」
照れくさそうにおかわりをしに行く良い子たちを仙蔵は笑顔で見つめ、それと同時に恋歌のことも観察をしていた。
(1年ろ組の良い子たちが手伝ったとはいえ恋歌さん1人でも十分作れそうな動きだった
甘味と同じで誰かに作り方を教わったとしか…)
味付けの仕方は決まっているといわんばかりに迷いがなく、焼き加減の時間配分も完璧だった。
食堂のおばちゃんとは違う味ではあるがこれも美味いと思える出来栄え。
(ここでどこで教えてもらったのかと聞いたとしても答えてはいただけないのだろうな)
「立花先輩どうされたんですか?」
思考することに意識が向いてしまい箸が止まってしまっており声をかけられてなんでもないと笑顔を向けた。
「恋歌さん、また一緒にご飯食べましょうね」
『うん、そうだね』
それから1年ろ組たちとの夕食を終え、山本シナが迎えに来たことで仙蔵とも別れ、今は自室で寝る準備を整えていたところだった、
「こんばんは
今時間いいかい?」
軽く襖の木の部分を叩く音が聞こえ、外からこんな声が聞こえてきたのは。
『はい、どうぞ』
「あ、ちなみに言っておくけどやましい気持ちは何もないからね」
『わかってます
なにか御用でしょうか、雑渡昆奈門さん』
声をかけて部屋の中に入ってきたのは今日医務室で会ったばかりのタソガレドキ忍軍組頭雑渡昆奈門だった。
座ったままの恋歌を見下ろしながら部屋に一歩足を踏み入れ襖をきっちり閉めて横座りで正面に座る。
「ちょっと気になることがあってね」
『はい』
「まぁ…その様子だとわかってそうだけど…
神埜(かの)、って一族のこと聞いたことある?」
『…思っていた質問ではありますね』
「そうみたいだね
一応返事聞かせてよ」
『聞いたことがある、というよりも生家ですが捨てた名です』
思った通りの返答だったのか、やっぱりねと呟いて雑渡は息をはいた。
『これはただの好奇心なのですが、その名はどちらで?』
「うちは優秀なのが揃ってるんだよね
まぁでも苦労したとは言ってたよ」
『タソガレドキの忍者隊は優秀だと聞いてましたが…さすがですね』
「うちのこと知ってたの?」
『これでも普段は茶店をしておりますので
人の噂程度には』
「なるほどね
それでわたしがこの名を出したことに対して身に覚えはある?」
『そうですね…
タソガレドキの忍者の皆さんにわたしの暗殺か誘拐の依頼が入った、ということぐらいしか想像できません』
「半分当たりで半分不正解、ってとこだね」
『それは残念です』
全く残念とは思っていないであろう声音で少し笑っている恋歌に、雑渡は恋歌にわからないように静かに襖を開けた。
「わたしたちタソガレドキは君の暗殺も誘拐も依頼されていないよ
ただわたしたちも噂を耳にしたんだよ
“あの”神埜家が娘を探しているってね」
『探している理由は大体想像がついてます
でも自分たちが出て行けと言った割に今更探しているなんて都合のいい話ですよね』
「出て行けって言われたんだ」
『あら?全てご存知なのかと思ったんですが…そうでもないんですね』
「まぁたまたま噂で聞いた程度だしね
調べ始めたところだったから時間かかりそうだし色々教えてほしいなと思ったんだけど」
『そうですね…
これは断ればどうなるんでしょう』
「んー…正直興味本位なんだよね
うちのが調べたら遅かれ早かれ全部わかることだし」
『そうですか
では今はまだ内緒、ということで』
笑って唇に人差し指を当てた恋歌に雑渡はふぅ、とため息をついた。
「それじゃこっちはこっちで調べさせてもらうよ
ところでうちに依頼が来てたらどうしてたの?」
『雑渡さんほどの方が来られたのであれば諦めます
相手の力量がわからないほど愚者ではありませんから』
「…なるほど
でもあの家を出てきてから茶店をして生きているということは死ぬつもりはないんでしょ?」
『…わたしが死ぬことがあの人たちが一番喜ぶことなのです
だからそう簡単に死んでやりません
雑渡さんほど力の差があれば諦める他ありませんが』
「ふぅん…
死にたくないってわけじゃないんだね」
『…“死にたくない”とは思ってはいますが難しい場合は諦める、が正しいかと』
「それじゃあ狙われてるからって今すぐ死んだりするわけじゃないんだ」
『?はい
いくら追い出したとはいえわたしの動向は把握していたでしょうし
野垂れ死ぬことを望んでいたのでしょうが、生憎と思い通りにはいかなかったみたいです
だから可能な限りは生きます』
「それが聞けただけで十分だよ」
よいしょ、と立ち上がった後少し開けていた襖をわざと音を立てて開いた。
「それじゃあおやすみ」
『はい、おやすみなさい』
ひらり、と手を振った雑渡は襖の周りにいるたまごたちに指で指示を出してその場から離れさせぴしりと恋歌の部屋の襖を閉めた。