アルバイトと忍術学園の段
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ある日の早朝。
乱太郎、きり丸、しんべヱの3人はきり丸のアルバイトを手伝うために今日のアルバイト先へと向かっていた。
「今日はおれが何度かアルバイトさせてもらった茶店に行くんだけど、そこの店主の女の人、目が見えないからいろいろ気をつけてな」
「「目が見えない…?」」
道中思い出したように話すきり丸の言葉に、乱太郎としんべヱは顔を見合わせて首を傾げた。
「めちゃくちゃ優しい人ではあるんだけど、目が見えなくて目に包帯巻いてる
おれは慣れてるけど一応今までより気をつけてくれよな」
この時代、目が見えない人もいるだろうと、わかったと2人はきり丸の言葉に頷いた。
「わ!!なんかいい匂いがしてきた!!」
しばらく歩いているとしんべヱの視線の先にぽつんと茶店が現れた。
「あそこが今日のおれたちのアルバイト先な」
「やったー!!
帰りにお土産くれるかなぁ?」
この匂いであれば味にも期待できると思ったのかしんべヱは涎を垂らしながらきり丸にきらきらとした視線を向ける。
「いつも駄賃とは別にいろいろ包んでくれるから…たぶん?」
「はやく行こ!!」
「「ちょ、ちょっとしんべヱ!!」」
きり丸の返答にやる気が漲ったのか、乱太郎ときり丸の背中を押し走り出した。
「恋歌さーん!」
茶店の前に到着しきり丸が外から大きな声で中に向かって声をかけると足音が近づいてきた。
『きり丸くんかな?』
「はい!おはようございます!」
ひょこ、と顔を出した目に包帯を巻いた女はきり丸がいる場所とは違うところを見ているがきり丸は元気よく挨拶をし、そっと女の手に触れた。
「今日はおれの友だちも手伝いに来てくれたんです!」
「「よろしくお願いしまーす!!」」
『あら、元気な子たち』
「こっちが乱太郎で、こっちがしんべヱっす」
きり丸に手招きされ2人が女に近づけば交互に手を握らせた。
『乱太郎くんとしんべヱくんね
わたしは恋歌です
よろしくね』
手の位置からきり丸と同じぐらいの背丈と判断したのか膝をついて2人の頬に手を添えた。
「「へへへ…」」
すり、と優しく頬を撫でられた乱太郎としんべヱは照れくさそうに笑っている。
「恋歌さんからすごくいい匂いがする」
『ああ、今お団子作ってたの
だからかな?』
恋歌の手から食べ物の匂いがしたらしくしんべヱがくんくんと恋歌の手を嗅いでいる。
「しんべヱ!やめなって!」
『ふふふ、いいの
ちょっと味見する?』
「いいの!?」
人の手の匂いを嗅ぐなど失礼だろうと乱太郎に注意されていたが恋歌は気にしていないようで笑って壁に手をつきながら立ち上がった。
「きり丸くん、悪いんだけど奥からお団子取ってきてくれる?」
「いいんすか?今日の売り物ですよね?」
「みんなにひとつずつぐらいなら問題ないよ
終わって残ってたら持って帰ってくれていいし」
その言葉にしんべヱが涎を垂れ流し、きり丸はお駄賃とは別に貰えるものがあるということで急いで奥に団子を取りに走り、それに続くようにしんべヱも店の中に入った。
「なんか…すみません…」
『いいのよ
乱太郎くんも食べてね』
「はい!」
きり丸が優しい人と言っていた言葉に嘘はなかったと乱太郎も元気よく返事をして店の中に入った。
「美味しいお饅頭にお団子いかがっすかー!」
「おしるこもありまぁーす!」
「お茶も美味しいですよー!」
開店時間になり店先に立って大声で3人が集客をしてくれているおかげで順調に恋歌が作ったものが売れていく。
「恋歌さーん、追加もらえます?」
『はーい』
恋歌は店頭には出ず裏で作業を続けており、勘定なども全てきり丸に任せている。
「でもさぁ不思議だよねぇ」
「え?何が?」
追加をもらうために店の中に入ったきり丸に新しく作った商品を乗せていく恋歌はとても盲目には見えない。
いったいどうやって物の場所などを把握しているのだろうとしんべヱが不思議そうな声を上げた。
「たしかに…こんなに美味しいお饅頭もお団子も作れるしね…」
「ん?どした?」
お盆に注文された商品を載せたきり丸がこちらを見ていることに気づき声をかけたが慌てたように2人は呼び込みを再開した。
「はぁー!!!つっかれたぁー!!」
『ありがとう
今日も助かったよ』
3人のおかげで売れ行きは好調だったためおやつ時には用意していた物は全て売れてしまった。
『これ少ないけど食べてね』
「わぁーい!いただきまーす!」
頑張ってくれたお礼だと最初に言っていたお饅頭やお団子を出すと、しんべヱが一番初めに手を伸ばした。
『きり丸くんは売上から今日のアルバイト代引いておいてね』
「いつもありがとうございまぁすっ!」
『こちらこそいつもありがとう』
恋歌は完全にきり丸を信頼しているようで、今日の分のバイト代を引いた売上を渡されても数えることも、確認することもしない。
「そういえばこんなに美味しいお店なのに僕全然知らなかったんですけど、最近始めたんですか?」
しんべヱは食べることが大好きなため忍術学園から歩いていける範囲であれば大体のお店のことは知っている。
なのに今日まで恋歌の店のことを知らなかった。
実際食べてみてなぜ今までこのお店を知らなかったのだろうと後悔するレベル。
「あー、恋歌さんは不定期にしか店をやらないんだ
おれも少し前からアルバイトやらせてもらってるけど、まだ数回しかやってないし」
「不定期、っていうのは何か理由があるんですか?」
『やっぱり仕込みとか仕入れとかに時間かかっちゃうんだよね
きり丸くんぐらいお金にしっかりした人ってなかなかいないしね』
「しっかり、って言うのかなぁ…」
きり丸はドケチではあるが人のお金を盗んだりするような子ではない。
どうやってその人柄を見抜いたのかはわからないが恋歌の見る目は確かだったようで、きり丸は正当な対価しかもらわず売上を誤魔化したこともない。
「でもこーんなに美味しいならみんなにも教えてあげたいなぁ」
「だね
次はいつお店を開くかは決まってるんですか?」
『ううん、いつも材料が揃えばきり丸くんにお手紙出してるから…』
「「そっかぁ…」」
みんなにも食べて欲しかったと落ち込む乱太郎としんべヱの声に、んー…と何かを考え出した恋歌は何かを思いついたようにきり丸を呼んだ。
『きり丸くん、次のおやすみにもう一回アルバイトしない?』
乱太郎、きり丸、しんべヱの3人はきり丸のアルバイトを手伝うために今日のアルバイト先へと向かっていた。
「今日はおれが何度かアルバイトさせてもらった茶店に行くんだけど、そこの店主の女の人、目が見えないからいろいろ気をつけてな」
「「目が見えない…?」」
道中思い出したように話すきり丸の言葉に、乱太郎としんべヱは顔を見合わせて首を傾げた。
「めちゃくちゃ優しい人ではあるんだけど、目が見えなくて目に包帯巻いてる
おれは慣れてるけど一応今までより気をつけてくれよな」
この時代、目が見えない人もいるだろうと、わかったと2人はきり丸の言葉に頷いた。
「わ!!なんかいい匂いがしてきた!!」
しばらく歩いているとしんべヱの視線の先にぽつんと茶店が現れた。
「あそこが今日のおれたちのアルバイト先な」
「やったー!!
帰りにお土産くれるかなぁ?」
この匂いであれば味にも期待できると思ったのかしんべヱは涎を垂らしながらきり丸にきらきらとした視線を向ける。
「いつも駄賃とは別にいろいろ包んでくれるから…たぶん?」
「はやく行こ!!」
「「ちょ、ちょっとしんべヱ!!」」
きり丸の返答にやる気が漲ったのか、乱太郎ときり丸の背中を押し走り出した。
「恋歌さーん!」
茶店の前に到着しきり丸が外から大きな声で中に向かって声をかけると足音が近づいてきた。
『きり丸くんかな?』
「はい!おはようございます!」
ひょこ、と顔を出した目に包帯を巻いた女はきり丸がいる場所とは違うところを見ているがきり丸は元気よく挨拶をし、そっと女の手に触れた。
「今日はおれの友だちも手伝いに来てくれたんです!」
「「よろしくお願いしまーす!!」」
『あら、元気な子たち』
「こっちが乱太郎で、こっちがしんべヱっす」
きり丸に手招きされ2人が女に近づけば交互に手を握らせた。
『乱太郎くんとしんべヱくんね
わたしは恋歌です
よろしくね』
手の位置からきり丸と同じぐらいの背丈と判断したのか膝をついて2人の頬に手を添えた。
「「へへへ…」」
すり、と優しく頬を撫でられた乱太郎としんべヱは照れくさそうに笑っている。
「恋歌さんからすごくいい匂いがする」
『ああ、今お団子作ってたの
だからかな?』
恋歌の手から食べ物の匂いがしたらしくしんべヱがくんくんと恋歌の手を嗅いでいる。
「しんべヱ!やめなって!」
『ふふふ、いいの
ちょっと味見する?』
「いいの!?」
人の手の匂いを嗅ぐなど失礼だろうと乱太郎に注意されていたが恋歌は気にしていないようで笑って壁に手をつきながら立ち上がった。
「きり丸くん、悪いんだけど奥からお団子取ってきてくれる?」
「いいんすか?今日の売り物ですよね?」
「みんなにひとつずつぐらいなら問題ないよ
終わって残ってたら持って帰ってくれていいし」
その言葉にしんべヱが涎を垂れ流し、きり丸はお駄賃とは別に貰えるものがあるということで急いで奥に団子を取りに走り、それに続くようにしんべヱも店の中に入った。
「なんか…すみません…」
『いいのよ
乱太郎くんも食べてね』
「はい!」
きり丸が優しい人と言っていた言葉に嘘はなかったと乱太郎も元気よく返事をして店の中に入った。
「美味しいお饅頭にお団子いかがっすかー!」
「おしるこもありまぁーす!」
「お茶も美味しいですよー!」
開店時間になり店先に立って大声で3人が集客をしてくれているおかげで順調に恋歌が作ったものが売れていく。
「恋歌さーん、追加もらえます?」
『はーい』
恋歌は店頭には出ず裏で作業を続けており、勘定なども全てきり丸に任せている。
「でもさぁ不思議だよねぇ」
「え?何が?」
追加をもらうために店の中に入ったきり丸に新しく作った商品を乗せていく恋歌はとても盲目には見えない。
いったいどうやって物の場所などを把握しているのだろうとしんべヱが不思議そうな声を上げた。
「たしかに…こんなに美味しいお饅頭もお団子も作れるしね…」
「ん?どした?」
お盆に注文された商品を載せたきり丸がこちらを見ていることに気づき声をかけたが慌てたように2人は呼び込みを再開した。
「はぁー!!!つっかれたぁー!!」
『ありがとう
今日も助かったよ』
3人のおかげで売れ行きは好調だったためおやつ時には用意していた物は全て売れてしまった。
『これ少ないけど食べてね』
「わぁーい!いただきまーす!」
頑張ってくれたお礼だと最初に言っていたお饅頭やお団子を出すと、しんべヱが一番初めに手を伸ばした。
『きり丸くんは売上から今日のアルバイト代引いておいてね』
「いつもありがとうございまぁすっ!」
『こちらこそいつもありがとう』
恋歌は完全にきり丸を信頼しているようで、今日の分のバイト代を引いた売上を渡されても数えることも、確認することもしない。
「そういえばこんなに美味しいお店なのに僕全然知らなかったんですけど、最近始めたんですか?」
しんべヱは食べることが大好きなため忍術学園から歩いていける範囲であれば大体のお店のことは知っている。
なのに今日まで恋歌の店のことを知らなかった。
実際食べてみてなぜ今までこのお店を知らなかったのだろうと後悔するレベル。
「あー、恋歌さんは不定期にしか店をやらないんだ
おれも少し前からアルバイトやらせてもらってるけど、まだ数回しかやってないし」
「不定期、っていうのは何か理由があるんですか?」
『やっぱり仕込みとか仕入れとかに時間かかっちゃうんだよね
きり丸くんぐらいお金にしっかりした人ってなかなかいないしね』
「しっかり、って言うのかなぁ…」
きり丸はドケチではあるが人のお金を盗んだりするような子ではない。
どうやってその人柄を見抜いたのかはわからないが恋歌の見る目は確かだったようで、きり丸は正当な対価しかもらわず売上を誤魔化したこともない。
「でもこーんなに美味しいならみんなにも教えてあげたいなぁ」
「だね
次はいつお店を開くかは決まってるんですか?」
『ううん、いつも材料が揃えばきり丸くんにお手紙出してるから…』
「「そっかぁ…」」
みんなにも食べて欲しかったと落ち込む乱太郎としんべヱの声に、んー…と何かを考え出した恋歌は何かを思いついたようにきり丸を呼んだ。
『きり丸くん、次のおやすみにもう一回アルバイトしない?』