アルバイトと忍術学園の段
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その後すぐに山本シナが恋歌をお風呂へ行こうと呼びにきたため“また明日”とだけ言葉を交わして2人の背中を見送った。
「お前たち戻ってきてたのか」
「ああ、まぁ手がかりは何もなかったがな」
完全に2人の姿が見えなくなったところで小平太の声に反応したのは文次郎だった。
その他の3人の6年生も近くにおり姿を現し、ひとまず自分たちの部屋に戻ろうと歩き出そうとしたところで長次がぴたりと足を止めて屋根の上に向かって声をかけた。
「お前たちも来い」
「「はい…」」
この場にいたのは6年生だけではなく勘右衛門と兵助もいた。
やはり6年生にはバレていたかと大人しく2人も6年長屋への道をついてくる。
「さて、話をまとめてから学園長先生へ報告をせねば」
6年い組の部屋、つまり文次郎と仙蔵の部屋に集まり、先生方への報告の前に情報をまとめようと円になって座る。
「とは言ってもおれたちの方は特に何の収穫もなかったがな」
「いつも通り恋歌さんのことは盲目の茶屋の女店主、という認識でしかなかった」
「まぁ今回一番の収穫は…」
外で情報を集めていた4人は新しい情報は何もなく、先ほどまで恋歌と話していた小平太と長次へと視線を向ける。
「あれほど核心をつくようなことは話すなと言われていたのに…」
「なぁに恋歌さんがわれわれのことを少し子ども扱いしすぎたのでな
長次が怒ったのだ」
「…怒ってない」
「なはは!細かいことは気にするな!」
ろ組の2人が護衛になったことで何かやらかしてしまうのではと心配していたが、今回に限っては良いように期待を裏切ってくれた。
「お前たちの話を整理すると…
出身地は言いたくない
この学園に連れてこられたのはただの手伝いではないと気づいている
われわれに嘘をついたことはない
一番好きな食べ物は自分の作る甘味だが、誰から教わったのかは言いたくない
そして…恋歌さんの目は本当は見えている可能性がある
といったところか」
簡潔に話をまとめた仙蔵の言葉に全員が頷き、少しの沈黙が流れる。
「恋歌さんが内緒、だと言うのは言いたくはないが嘘もつきたくない、という解釈だ
つまりわたしはそこに恋歌さんが狙われている理由があると思う
みんなの意見が聞きたい」
「僕も仙蔵と同じ考えだ
そうなると内緒だと言ったのは出身地、誰に甘味の作り方を教わったか、目が本当は見えているのかだね」
「以前盲目になった原因を聞いたがそれも内緒だと言われたな」
「…こうなると一番怪しいのはあの目、だな」
「ああ
だがあの動きは一朝一夕では身につかない…
見えていたとしても普段から視界を制限しているのは間違いないだろう」
「でもその理由がわからない…ってことだよね」
その理由がわかれば狙われている理由もすぐにわかりそうだが恋歌からはこれ以上の情報は得られそうにない。
はぁ、と息をはいた直後、小さな声であのぉ、と呟いたのは勘右衛門だった。
「なんだ」
「あの人を…敵ではないと先輩方が判断される理由を知りたいです」
「正直おれたち…5年生は恋歌さんを完全に信じているわけではありません」
「いい質問だ
わたしも気になっていた」
「「え?」」
勘右衛門と兵助の質問に仙蔵も同意し、文次郎、小平太、長次へと順番に視線を向ける。
「わたしはお前たちが信じると言うので信じているまで
個人的にはここまで調べて何も手掛かりのない人をそこまで信じられる根拠をここではっきりさせておきたい」
「根拠…なぁ…」
「もそ」
視線が集中している3人はお互いに顔を見合わせんー、と悩むような声を上げる。
「正直ない!!」
「「「は?」」」
「直感だ
わたしは恋歌さんが良い人であると信じている
おそらく長次も文次郎もだ」
「たったそれだけなのか、と言われればそこまでだが…
信じたいと思った
それに敵ならあの甘味に毒でもなんでも仕込める
食堂の手伝いもしているのならなんだって細工できる
それでもしない
わざわざ疑われるような言葉も言わない
だからこそ信じられる」
「わたしは…共に働いた時に見せる心配される顔も、笑顔も何もかもが嘘とは思えない
同じく信じられると、そう思っている」
3人ともに明確な根拠はなく、己の心が信じたいと思っているから信じているのだと話す。
「はっ、お前たちそれでも忍たまか?」
「らしくないね、特に文次郎」
「忍術学園一ギンギンに忍者してるなんて言われてるなら根拠出せよな」
「うるせぇ」
小平太と長次はいつものことだが文次郎までこのようなことを言うのは珍しく、この3人がここまで言うのであれば他の6年生3人は信じてもいいと茶化すように笑う。
「お前たちはお前たちの考えで動けば良いさ
こんな根拠も何もないことに付き合わせる気はない」
「…まぁおれたちもあの人が悪い人には見えないんですが」
「無条件で信じるというのがどうも…」
「細かいことは気にするな!!
信じたいから信じる
それだけで十分だ!」
「小平太
万が一敵であった場合学園全体が危険になるのだ
細かいことではないぞ」
「でもそれなら学園長先生は元から恋歌さんを受け入れていないだろう
学園長先生も何か考えがあって忍術学園に入れたはずだ」
「まぁそう言われると…」
「とりあえず!われら6年生は恋歌さんを敵ではない、という前提で調査を続ける
お前たちは疑ってかかる方が別方向での調査になっていいかもしれんな」
「「わかりました」」
話はひとまずまとまった、と学園長に今日の話を報告しようと紙に報告内容を書いていく。
「明日からは恋歌さんが言いたくない内容について調査をしよう」
「それなんだけどさ、恋歌さんの目を見せてもらうことってできないのかな」
「どういうことだ、伊作」
「今まで僕たちは恋歌さんについて調査してきただろ?
でもその中でも出身地についての手がかりはなかった
嘘をついたことはない、ということについては信じるとして…
残るは目についてと甘味の作り方を誰に教わったかだ
全ての行動はあの目に隠されている気がしてね」
「そう言われてみれば目を開いているのも見たことがないな」
「太陽の光が苦手って言ってたし日中は仕方ないのかもしれないね」
「伊作のいうことも一理ある
恋歌さんの一番怪しいところは目だという結論に至ったことだしな」
「見せてもらえないか頼んでみよう!!」
「…そんなに簡単にいくようには思えんがな」
「お前たち戻ってきてたのか」
「ああ、まぁ手がかりは何もなかったがな」
完全に2人の姿が見えなくなったところで小平太の声に反応したのは文次郎だった。
その他の3人の6年生も近くにおり姿を現し、ひとまず自分たちの部屋に戻ろうと歩き出そうとしたところで長次がぴたりと足を止めて屋根の上に向かって声をかけた。
「お前たちも来い」
「「はい…」」
この場にいたのは6年生だけではなく勘右衛門と兵助もいた。
やはり6年生にはバレていたかと大人しく2人も6年長屋への道をついてくる。
「さて、話をまとめてから学園長先生へ報告をせねば」
6年い組の部屋、つまり文次郎と仙蔵の部屋に集まり、先生方への報告の前に情報をまとめようと円になって座る。
「とは言ってもおれたちの方は特に何の収穫もなかったがな」
「いつも通り恋歌さんのことは盲目の茶屋の女店主、という認識でしかなかった」
「まぁ今回一番の収穫は…」
外で情報を集めていた4人は新しい情報は何もなく、先ほどまで恋歌と話していた小平太と長次へと視線を向ける。
「あれほど核心をつくようなことは話すなと言われていたのに…」
「なぁに恋歌さんがわれわれのことを少し子ども扱いしすぎたのでな
長次が怒ったのだ」
「…怒ってない」
「なはは!細かいことは気にするな!」
ろ組の2人が護衛になったことで何かやらかしてしまうのではと心配していたが、今回に限っては良いように期待を裏切ってくれた。
「お前たちの話を整理すると…
出身地は言いたくない
この学園に連れてこられたのはただの手伝いではないと気づいている
われわれに嘘をついたことはない
一番好きな食べ物は自分の作る甘味だが、誰から教わったのかは言いたくない
そして…恋歌さんの目は本当は見えている可能性がある
といったところか」
簡潔に話をまとめた仙蔵の言葉に全員が頷き、少しの沈黙が流れる。
「恋歌さんが内緒、だと言うのは言いたくはないが嘘もつきたくない、という解釈だ
つまりわたしはそこに恋歌さんが狙われている理由があると思う
みんなの意見が聞きたい」
「僕も仙蔵と同じ考えだ
そうなると内緒だと言ったのは出身地、誰に甘味の作り方を教わったか、目が本当は見えているのかだね」
「以前盲目になった原因を聞いたがそれも内緒だと言われたな」
「…こうなると一番怪しいのはあの目、だな」
「ああ
だがあの動きは一朝一夕では身につかない…
見えていたとしても普段から視界を制限しているのは間違いないだろう」
「でもその理由がわからない…ってことだよね」
その理由がわかれば狙われている理由もすぐにわかりそうだが恋歌からはこれ以上の情報は得られそうにない。
はぁ、と息をはいた直後、小さな声であのぉ、と呟いたのは勘右衛門だった。
「なんだ」
「あの人を…敵ではないと先輩方が判断される理由を知りたいです」
「正直おれたち…5年生は恋歌さんを完全に信じているわけではありません」
「いい質問だ
わたしも気になっていた」
「「え?」」
勘右衛門と兵助の質問に仙蔵も同意し、文次郎、小平太、長次へと順番に視線を向ける。
「わたしはお前たちが信じると言うので信じているまで
個人的にはここまで調べて何も手掛かりのない人をそこまで信じられる根拠をここではっきりさせておきたい」
「根拠…なぁ…」
「もそ」
視線が集中している3人はお互いに顔を見合わせんー、と悩むような声を上げる。
「正直ない!!」
「「「は?」」」
「直感だ
わたしは恋歌さんが良い人であると信じている
おそらく長次も文次郎もだ」
「たったそれだけなのか、と言われればそこまでだが…
信じたいと思った
それに敵ならあの甘味に毒でもなんでも仕込める
食堂の手伝いもしているのならなんだって細工できる
それでもしない
わざわざ疑われるような言葉も言わない
だからこそ信じられる」
「わたしは…共に働いた時に見せる心配される顔も、笑顔も何もかもが嘘とは思えない
同じく信じられると、そう思っている」
3人ともに明確な根拠はなく、己の心が信じたいと思っているから信じているのだと話す。
「はっ、お前たちそれでも忍たまか?」
「らしくないね、特に文次郎」
「忍術学園一ギンギンに忍者してるなんて言われてるなら根拠出せよな」
「うるせぇ」
小平太と長次はいつものことだが文次郎までこのようなことを言うのは珍しく、この3人がここまで言うのであれば他の6年生3人は信じてもいいと茶化すように笑う。
「お前たちはお前たちの考えで動けば良いさ
こんな根拠も何もないことに付き合わせる気はない」
「…まぁおれたちもあの人が悪い人には見えないんですが」
「無条件で信じるというのがどうも…」
「細かいことは気にするな!!
信じたいから信じる
それだけで十分だ!」
「小平太
万が一敵であった場合学園全体が危険になるのだ
細かいことではないぞ」
「でもそれなら学園長先生は元から恋歌さんを受け入れていないだろう
学園長先生も何か考えがあって忍術学園に入れたはずだ」
「まぁそう言われると…」
「とりあえず!われら6年生は恋歌さんを敵ではない、という前提で調査を続ける
お前たちは疑ってかかる方が別方向での調査になっていいかもしれんな」
「「わかりました」」
話はひとまずまとまった、と学園長に今日の話を報告しようと紙に報告内容を書いていく。
「明日からは恋歌さんが言いたくない内容について調査をしよう」
「それなんだけどさ、恋歌さんの目を見せてもらうことってできないのかな」
「どういうことだ、伊作」
「今まで僕たちは恋歌さんについて調査してきただろ?
でもその中でも出身地についての手がかりはなかった
嘘をついたことはない、ということについては信じるとして…
残るは目についてと甘味の作り方を誰に教わったかだ
全ての行動はあの目に隠されている気がしてね」
「そう言われてみれば目を開いているのも見たことがないな」
「太陽の光が苦手って言ってたし日中は仕方ないのかもしれないね」
「伊作のいうことも一理ある
恋歌さんの一番怪しいところは目だという結論に至ったことだしな」
「見せてもらえないか頼んでみよう!!」
「…そんなに簡単にいくようには思えんがな」