アルバイトと忍術学園の段
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次の日の卯の刻。
あてがわれた部屋で目を覚ました恋歌は、朝食の準備で食堂に向かおうと身なりを整えるために顔を洗うための手拭いと杖を持ち立ち上がった。
(えーっと、井戸はこっち…)
1年長屋にはまだ寝ている1年生がいるのでいつもよりそっと外に出て杖もなるべく音が出ないように静かに床をつく。
「おはようございます!」
『!!
な、なまつ…くん?』
「はい!
長次もいます!」
「もそ
おはようございます」
履き物を履いて地面に足をついた直後、およそこの時間には相応しくない声量での朝の挨拶が聞こえ、驚いて声が上擦ってしまった。
『お、おはよう
2人とも早いんだね』
「朝の鍛錬をしていたら恋歌さんが見えたので」
『なるほど
鍛錬…』
「?
何か変なことを言いましたか?」
どこか腑に落ちていなさそうな顔をしているので小平太が何か変なことを言ってしまったかと長次へ顔を向けるがわからないようで首を横に振られた。
『ううん、普通の子たちだって思ってたから…やっぱり忍者なんだなって』
「細かいことは気にしないでください
忍者のたまごであろうと今までと何も変わりません
な?長次」
「もそ
小平太の言う通りです」
『それもそうだね』
話している間に井戸に辿り着き、恋歌が顔を洗い歯を磨いているその隣で小平太と長次も汗を流すために顔を洗っていた。
「ふぅー
やっぱり朝の鍛錬は気持ちがいいな!」
『もしかして2人とも今から寝るの?』
よくよく考えれば恋歌は今起きたところだがこの2人の会話を聞いている限りでは鍛錬が“終わった”ところ。
朝早い時間とはいえ一体いつから起きていつから鍛錬をしていたのか。
「忍者はいつも十分に睡眠が取れるわけではないので」
『たしかにそうだけど…
すごいね…』
長次の言葉に納得はしたがそれを実行に移せることに純粋に尊敬をした。
『わたし忍者って見たことないんだけどみんなそんなにたくさん鍛錬するの?』
「「!!」」
何気なく発した恋歌の言葉に目線だけで小平太と長次はやり取りをし、声音だけは変えないようににかっと笑って返答をする。
「鍛錬は個人差ですね
わたしたちは鍛錬が好きなのでやってるまでです
なにせ体力が有り余っているので!!」
「恋歌さんは忍者と関わりになったことはないのですか?」
『知らない間にお店に来てくれてた、とかならわからないけど忍者の知り合いはいないね
みんなみたいに隠すのが上手だとわからないし』
「なはは!!
鍛錬の成果です!」
『さて、そろそろ準備して食堂に行かなくちゃ
またあとでね』
ひらひらと手を振って部屋に戻っていく恋歌を見送り姿が見えなくなったところでお互いに顔を見合わせた。
「山本シナ先生の話では恋歌さんは3つの歳の頃には目はあの状態だったと」
「ああ、仙蔵の言う家紋の話が合っていれば昔に見たことがあるとなるかと思ったが…その線は薄そうだ」
高貴な家の出であれば大体が忍者の1人や2人抱えているもの。
だが見たことがない、ということは完全に消えたわけではないが高貴な身分の方が恋歌を探しているという線は薄い。
「ま、わたしたちにも悟られないぐらい嘘が上手い可能性もあるがな」
一切表情にも声音にも出さず、忍術学園の誰にも悟られることがなく嘘をつけるのであれば話は変わってくるが、嘘はついていないことは信じてもいいと直感が告げていた。
「しかし本人が忍者と関わったことがないと言っている以上恋歌さんに直接心当たりがあるか聞いてわかるものだろうか」
「それは聞いてみないとわからない」
「その手が使えればな…」
なぜ誰も恋歌に直接狙われている心当たりがないかと聞かないのか。
それは1度目に捕らえた忍者が言っていた言葉が原因。
「“標的が狙われていることを知れば即自害する”…か」
「つまり恋歌さん自身が狙われていることを知れば自ら命を絶つ、ということだな」
「昨日山本シナ先生が武器は隠し持ってないと言っていたんだがな…」
「自ら命を絶つ方法は武器以外にもあるにはあるが…すぐに、となると武器もしくは…」
「毒、だな」
恋歌を攫えと依頼された忍者は依頼主の代理という者から狙われていると知ればその場で命を絶つような女だと聞かされていた。
だが依頼主からは最悪死体だけでも持ってこいとも言われていると。
しかし昨日一緒に風呂に入った山本シナからは小袖には武器の類はなく、何かを隠し持っているようなそぶりもなかったと学園長に報告があった。
となるとすぐに命を絶つことができるのは毒の可能性が高くなるがそれもどこに持っているのか現時点ではわからない。
つまり恋歌には狙われる心当たりがあるが直接聞くことはできないということ。
「なんにせよ死なせるわけにはいかん
恋歌さんはいい人だ」
「もそ
今日はわたしたちが恋歌さんの護衛だ
情報を取れるだけ取るぞ」
「ああ!!
鍛錬の成果をここで発揮しなければな」
あてがわれた部屋で目を覚ました恋歌は、朝食の準備で食堂に向かおうと身なりを整えるために顔を洗うための手拭いと杖を持ち立ち上がった。
(えーっと、井戸はこっち…)
1年長屋にはまだ寝ている1年生がいるのでいつもよりそっと外に出て杖もなるべく音が出ないように静かに床をつく。
「おはようございます!」
『!!
な、なまつ…くん?』
「はい!
長次もいます!」
「もそ
おはようございます」
履き物を履いて地面に足をついた直後、およそこの時間には相応しくない声量での朝の挨拶が聞こえ、驚いて声が上擦ってしまった。
『お、おはよう
2人とも早いんだね』
「朝の鍛錬をしていたら恋歌さんが見えたので」
『なるほど
鍛錬…』
「?
何か変なことを言いましたか?」
どこか腑に落ちていなさそうな顔をしているので小平太が何か変なことを言ってしまったかと長次へ顔を向けるがわからないようで首を横に振られた。
『ううん、普通の子たちだって思ってたから…やっぱり忍者なんだなって』
「細かいことは気にしないでください
忍者のたまごであろうと今までと何も変わりません
な?長次」
「もそ
小平太の言う通りです」
『それもそうだね』
話している間に井戸に辿り着き、恋歌が顔を洗い歯を磨いているその隣で小平太と長次も汗を流すために顔を洗っていた。
「ふぅー
やっぱり朝の鍛錬は気持ちがいいな!」
『もしかして2人とも今から寝るの?』
よくよく考えれば恋歌は今起きたところだがこの2人の会話を聞いている限りでは鍛錬が“終わった”ところ。
朝早い時間とはいえ一体いつから起きていつから鍛錬をしていたのか。
「忍者はいつも十分に睡眠が取れるわけではないので」
『たしかにそうだけど…
すごいね…』
長次の言葉に納得はしたがそれを実行に移せることに純粋に尊敬をした。
『わたし忍者って見たことないんだけどみんなそんなにたくさん鍛錬するの?』
「「!!」」
何気なく発した恋歌の言葉に目線だけで小平太と長次はやり取りをし、声音だけは変えないようににかっと笑って返答をする。
「鍛錬は個人差ですね
わたしたちは鍛錬が好きなのでやってるまでです
なにせ体力が有り余っているので!!」
「恋歌さんは忍者と関わりになったことはないのですか?」
『知らない間にお店に来てくれてた、とかならわからないけど忍者の知り合いはいないね
みんなみたいに隠すのが上手だとわからないし』
「なはは!!
鍛錬の成果です!」
『さて、そろそろ準備して食堂に行かなくちゃ
またあとでね』
ひらひらと手を振って部屋に戻っていく恋歌を見送り姿が見えなくなったところでお互いに顔を見合わせた。
「山本シナ先生の話では恋歌さんは3つの歳の頃には目はあの状態だったと」
「ああ、仙蔵の言う家紋の話が合っていれば昔に見たことがあるとなるかと思ったが…その線は薄そうだ」
高貴な家の出であれば大体が忍者の1人や2人抱えているもの。
だが見たことがない、ということは完全に消えたわけではないが高貴な身分の方が恋歌を探しているという線は薄い。
「ま、わたしたちにも悟られないぐらい嘘が上手い可能性もあるがな」
一切表情にも声音にも出さず、忍術学園の誰にも悟られることがなく嘘をつけるのであれば話は変わってくるが、嘘はついていないことは信じてもいいと直感が告げていた。
「しかし本人が忍者と関わったことがないと言っている以上恋歌さんに直接心当たりがあるか聞いてわかるものだろうか」
「それは聞いてみないとわからない」
「その手が使えればな…」
なぜ誰も恋歌に直接狙われている心当たりがないかと聞かないのか。
それは1度目に捕らえた忍者が言っていた言葉が原因。
「“標的が狙われていることを知れば即自害する”…か」
「つまり恋歌さん自身が狙われていることを知れば自ら命を絶つ、ということだな」
「昨日山本シナ先生が武器は隠し持ってないと言っていたんだがな…」
「自ら命を絶つ方法は武器以外にもあるにはあるが…すぐに、となると武器もしくは…」
「毒、だな」
恋歌を攫えと依頼された忍者は依頼主の代理という者から狙われていると知ればその場で命を絶つような女だと聞かされていた。
だが依頼主からは最悪死体だけでも持ってこいとも言われていると。
しかし昨日一緒に風呂に入った山本シナからは小袖には武器の類はなく、何かを隠し持っているようなそぶりもなかったと学園長に報告があった。
となるとすぐに命を絶つことができるのは毒の可能性が高くなるがそれもどこに持っているのか現時点ではわからない。
つまり恋歌には狙われる心当たりがあるが直接聞くことはできないということ。
「なんにせよ死なせるわけにはいかん
恋歌さんはいい人だ」
「もそ
今日はわたしたちが恋歌さんの護衛だ
情報を取れるだけ取るぞ」
「ああ!!
鍛錬の成果をここで発揮しなければな」