アルバイトと忍術学園の段
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庵で話で話が行われていた頃、恋歌と山本シナはくのたま長屋の風呂に来ていた。
「大体の配置はこんな感じ」
『わかりました
ありがとうございます』
扉の位置から棚の位置、段差の場所など細かく位置を教えてくれたため明日からは1人でも大丈夫だと告げると、気にするなと笑われた。
「今の時間は誰もいないわ
さっさと入っちゃいましょ」
『はい』
目の包帯を外してから帯を外し、小袖を脱いだところであら?と横から山本シナの声が聞こえ脱いでいた手を止めた。
「恋歌さんってば随分とサラシをきつく巻いてるのね」
『…そう、ですか?』
「あとでわたしが巻いてあげるわ」
『ありがとうございます』
見たところ驚くほどに、というわけではないがそこそこ大きい部類に入るであろう胸が可哀想なほど潰されているのを見てサラシの巻き方も、力加減も誰にも聞くことができなかったのだろうと、締め付けられて赤くなっている背中を見て息をはいた。
「さ、滑らないように気をつけてね」
『はい』
くのたまたちと同じ薄桃色の寝巻きを恋歌に渡し、サラシの巻き方と力加減を教えながら巻いてやる。
『苦しく…ないですね…』
「これぐらいで十分なのよ
わからないことがあれば何でも聞いてちょうだい」
『ありがとうございます』
苦しくないのに動きやすいと、今まで動かなければいいときつく巻いていたのとは違う解放感に恋歌の周りの表情が明るくなったのがわかり可愛いものだと笑ってしまった。
(空間把握能力が優れている以外はどう見ても普通の子なのよね…)
一度教えた危険な場所や、教えた物の位置などは完璧に把握しており、食堂でも一周回っただけで物の場所を把握していた。
学園長からは恋歌が狙われている原因を調べよ、と命が下っているが作る甘味が美味しいことや空間把握能力が優れていること以外狙われている理由は今のところわからない。
だがそれも優れた忍であれば同じことも可能なはずで、わざわざ恋歌を狙う理由にはならない。
「目の包帯はいいの?」
『はい、部屋に善法寺くんからいただいたものがあるので取り替えます』
「そう
それじゃあ行きましょう」
そっと下から手を握り、反対の手に杖を握らせてやると自分の荷物は自分で持つと慌てていたが、気にするなと手を引けば大人しくついてくる。
「それにしてもすごいわね」
『?
何がでしょうか?』
「いつもは1人でなんでもこなしてるんでしょう?」
『慣れみたいなものです
物の配置が変わってしまうと困ってしまうんですが…』
「ちなみに…目はいつから?」
『…3歳ぐらいの歳の頃でした』
「そうなのね…
お医者様には診てもらった?」
『はい、でもこれは治らないそうです』
諦めにも似た笑みを浮かべているのは長年閉ざされた視界の中で生きてきたからなのかわからないが、その言葉に嘘がないことだけはわかった。
「生活で困っていることはない?
うちの生徒がアルバイトさせてもらってるみたいだけど、男の子にじゃなくて女性として相談できないことでもいいわよ」
『そうですね…』
うーん、と少し悩んだそぶりを見せた後、今のところは何もないという言葉が返ってきた。
『ここの学園の皆さん優しいのでご迷惑をかけてしまって申し訳ないです』
「その事についてはこちらからお手伝いをお願いしたんだから気にしなくてもいいのよ
でも本当に困ったことがあれば些細なことでも相談してね」
『ありがとうございます』
恋歌に用意された忍たまの1年長屋の前に到着し、あとは自分でできると荷物を渡しておやすみなさいと頭を下げる恋歌におやすみを返した。
(生活上で困っていることはないってことは狙われていることを知らないの…?
たまたま生徒たちが見かけた時だけに忍者がいた…?
そんな偶然あるのかしら)
報告を受けているだけで3度恋歌の周りに忍者がいたと聞いている。
毎日見張っているわけではなく、最初も偶然6年生が通りがかった。
一般人である恋歌を学園で保護しようとなったのも学園長の心遣いではあるが、それ以外にもフリーの忍者たちの動向が気になったからというのもある。
(これはもっと別の視点から調べてみた方がいいかもしれないわね)
部屋に戻った恋歌は布団を敷き、早い時間ではあるが早々に横になった。
(まいったな
まさか忍術学園に来ることになるなんて…
これ以上の迷惑をかけないようにしないと…)
一度大きく深呼吸をしてから布団を頭まで被って眠りについた。
「大体の配置はこんな感じ」
『わかりました
ありがとうございます』
扉の位置から棚の位置、段差の場所など細かく位置を教えてくれたため明日からは1人でも大丈夫だと告げると、気にするなと笑われた。
「今の時間は誰もいないわ
さっさと入っちゃいましょ」
『はい』
目の包帯を外してから帯を外し、小袖を脱いだところであら?と横から山本シナの声が聞こえ脱いでいた手を止めた。
「恋歌さんってば随分とサラシをきつく巻いてるのね」
『…そう、ですか?』
「あとでわたしが巻いてあげるわ」
『ありがとうございます』
見たところ驚くほどに、というわけではないがそこそこ大きい部類に入るであろう胸が可哀想なほど潰されているのを見てサラシの巻き方も、力加減も誰にも聞くことができなかったのだろうと、締め付けられて赤くなっている背中を見て息をはいた。
「さ、滑らないように気をつけてね」
『はい』
くのたまたちと同じ薄桃色の寝巻きを恋歌に渡し、サラシの巻き方と力加減を教えながら巻いてやる。
『苦しく…ないですね…』
「これぐらいで十分なのよ
わからないことがあれば何でも聞いてちょうだい」
『ありがとうございます』
苦しくないのに動きやすいと、今まで動かなければいいときつく巻いていたのとは違う解放感に恋歌の周りの表情が明るくなったのがわかり可愛いものだと笑ってしまった。
(空間把握能力が優れている以外はどう見ても普通の子なのよね…)
一度教えた危険な場所や、教えた物の位置などは完璧に把握しており、食堂でも一周回っただけで物の場所を把握していた。
学園長からは恋歌が狙われている原因を調べよ、と命が下っているが作る甘味が美味しいことや空間把握能力が優れていること以外狙われている理由は今のところわからない。
だがそれも優れた忍であれば同じことも可能なはずで、わざわざ恋歌を狙う理由にはならない。
「目の包帯はいいの?」
『はい、部屋に善法寺くんからいただいたものがあるので取り替えます』
「そう
それじゃあ行きましょう」
そっと下から手を握り、反対の手に杖を握らせてやると自分の荷物は自分で持つと慌てていたが、気にするなと手を引けば大人しくついてくる。
「それにしてもすごいわね」
『?
何がでしょうか?』
「いつもは1人でなんでもこなしてるんでしょう?」
『慣れみたいなものです
物の配置が変わってしまうと困ってしまうんですが…』
「ちなみに…目はいつから?」
『…3歳ぐらいの歳の頃でした』
「そうなのね…
お医者様には診てもらった?」
『はい、でもこれは治らないそうです』
諦めにも似た笑みを浮かべているのは長年閉ざされた視界の中で生きてきたからなのかわからないが、その言葉に嘘がないことだけはわかった。
「生活で困っていることはない?
うちの生徒がアルバイトさせてもらってるみたいだけど、男の子にじゃなくて女性として相談できないことでもいいわよ」
『そうですね…』
うーん、と少し悩んだそぶりを見せた後、今のところは何もないという言葉が返ってきた。
『ここの学園の皆さん優しいのでご迷惑をかけてしまって申し訳ないです』
「その事についてはこちらからお手伝いをお願いしたんだから気にしなくてもいいのよ
でも本当に困ったことがあれば些細なことでも相談してね」
『ありがとうございます』
恋歌に用意された忍たまの1年長屋の前に到着し、あとは自分でできると荷物を渡しておやすみなさいと頭を下げる恋歌におやすみを返した。
(生活上で困っていることはないってことは狙われていることを知らないの…?
たまたま生徒たちが見かけた時だけに忍者がいた…?
そんな偶然あるのかしら)
報告を受けているだけで3度恋歌の周りに忍者がいたと聞いている。
毎日見張っているわけではなく、最初も偶然6年生が通りがかった。
一般人である恋歌を学園で保護しようとなったのも学園長の心遣いではあるが、それ以外にもフリーの忍者たちの動向が気になったからというのもある。
(これはもっと別の視点から調べてみた方がいいかもしれないわね)
部屋に戻った恋歌は布団を敷き、早い時間ではあるが早々に横になった。
(まいったな
まさか忍術学園に来ることになるなんて…
これ以上の迷惑をかけないようにしないと…)
一度大きく深呼吸をしてから布団を頭まで被って眠りについた。