ちゅっ

数年前に感じた感触と同じ感触がまた頬からした。

目を開けるとさっきまでの真剣な表情とは違い、あの子どものような笑顔を浮かべている。

そして腕の拘束が解かれ、背に腕を通されて起き上がらせてもらう。

シ「今はこんぐらいで勘弁しといてやるよ」

悪戯が成功した子どものように笑った。

だがその笑顔も恋歌は俯いていて見えていない。

心なしか少し震えている。

それに気づいたシャンクスが焦り出す。

シ「え？ごめんちょっとやり過ぎた？

泣いてる？」

『…の』

シ「へ？」

恋歌が顔を勢いよく上げると目に溜まっていた涙が飛び散った。

『シャンクスさんのばかー!!』

ぱしーんという軽い音が森に響いた。








シ「ほんと悪かったって」

『もう知らないです!!』

シャンクスは手を合わせて地べたに正座しながら恋歌に謝っている。

恋歌はそっぽを向いているが。

シ「ちょっとやりすぎたって

ほんと悪いと思ってるからさー

機嫌直してくれよ」

『シャンクスさんにはっ!!

慣れてることかもしれませんけど…

私は…こんなこと…されたことなくて…』

シ「その可愛さでその年で誰にも俺みたいなことされたことないって今までの回りの男は目が悪かったんだな

だってはじめて会ったとき18であれから5年経ったから23だろ？」

『23…そう、ですね』

悲しそうに目を伏せた恋歌にシャンクスはそれ以上何も言えなかった。