囲まれかたからして逃げるのは時間がかかるらしい。

シ「そうか…」

どう突破しようかシャンクスが悩んでいるとき誰かに肩を叩かれた。

叩かれた方に目線をやると、そこには恋歌がいた。

シ「恋歌、どうした？」

『私が行きましょう』

シ「は？」

『私が海軍の船を沈めて来ますのでちょっとだけ待っていてください』

そう言って出ていこうとする恋歌の手を慌ててシャンクスは掴む。

シ「ちょ、ちょっと待て！」

『はい？』

不思議そうに首を傾げる動作にシャンクスは可愛いと思いつつも今はそれどころではないと振り払う。

シ「何隻あると思ってるんだ!?

恋歌にそんな危険なことさせられない！」

ベ「お頭の言う通りだ

お前がここで待ってろ」

『私が何の仕事をしているかお忘れですか？』

シ「何って…

海賊の助っ人だろ？」

『では私が行かなくては』

シ「それとこれとは話が別だ

一人の人間の助けでどうこうできるレベルを越えてる」

そう言って腕を掴む力を強めるシャンクスに恋歌は笑いながら言う。

『その不可能を可能にするために私がいるのです

こう見えて私、結構強いんですから』

やんわりと掴んでいた手を解かれたシャンクスは"行ってきます"と言いながらまたマントとブーツを身に纏った恋歌を止めることはできなかった。

ベ「お頭っ！

いいのか!?あいつ一人でいっちまうぞ！」

シ「くそっ！

いくぞベン!!」

ベンによって我に返ったシャンクスは恋歌のあとを追って部屋を出た。