『サッチさん？』

ガバッ

『ええっ!?

サッチさん!?』

名を呼んだら何故かサッチに抱きつかれてしまった恋歌。

サ「ぶっ!?」

しかしそのあとすぐに腕を別の方に引っ張られ、サッチの腕からは抜け出すことができたが、目の前にいたサッチは物凄い勢いで壁に飛んでいった。

『へ？』

何故いきなりサッチが飛んだのか分からないが、掴まれている腕の先にはマルコがいたので引っ張ってサッチから解放してくれたのはマルコなのだろう。

マ「なにやってんだよい」

そして足が若干片方浮いている所を見るとサッチを壁に飛ばしたのもマルコだと予想がつく。

恋歌がしばらく唖然としているとサッチが復活してマルコに詰め寄ってきた。

サ「お前がいきなりなにすんだよ！」

マ「いきなり抱きついたやつに言われたくないねい

この変態が」

サ「こんな可愛い子が目の前に来たら抱き締めたくもなるだろうがよ!!

お前それでも男か!?」

マ「残念ながら男だよい

見境なく女と見たら抱きつくから変態だって言われるんだよい」

サ「へっ、そういうお前だっていつまで恋歌ちゃんの手掴んでんだよ

お前だって変態じゃねぇか」

その言葉にマルコははっとして恋歌の腕を離す。

マ「す、すまねぇよい…」

『いいえ、むしろお手をわずらわせてすいません…』

サ「かー!!

ほんとに恋歌ちゃんはいい子だなぁ！

どう？俺と今夜…「もうお前は黙っとけ」」

サッチの台詞はマルコに遮られて全部言うことは叶わなかった。

『ふふ、残念ながら私息子がいてるのでサッチさんのお誘いはお断りさせていただきますね』

なるべくサッチを傷つけないように言った言葉だったが言い争う二人には衝撃的な言葉だった。

「「はぁ？」」

サ「ちよっと待って恋歌ちゃん…

子ども…いるの？」

恐る恐るといった感じでサッチが聞いてくる。

『はい、四歳の息子が一人います』

もちろんそれはエースのことなので嬉しそうに恋歌は言う。

マ「お前18だろい？

四歳の息子って…」