マ「……恋歌から俺たちと、お前ら家族に伝言だ」

重い沈黙を破ったのはマルコだった。

エ「伝言？」

マ「最後一緒にいた赤髪からだ

俺たち白ひげ海賊団には"またお邪魔します"だとよ」

マルコの言葉に少しだけその場が和む。

イ「全く…緊張感にかける言葉だな…」

サッチ「また…か、」

"また"があるかどうかわからない状態で出てきた言葉に少しだけ笑いが起こった。

マ「お前たちには"少しの間眠る"とさ…」

マルコの伝言を聞いてエースもサボもぽたぽたと涙を床に落とす。

エ「眠るって…！

そんなの…!!」

サボ「子どもの頃にルフィを守るために怪我したとき…寝てたら治るって…何日も目が覚めなかったことがあったなぁ…」

サボが昔を思い出すようにそう言うとエース以外の全員が笑った。

どこかぎこちないが、確かに笑顔だった。

マ「寝てりゃ治るって、どんな理屈だよい」

白「じゃあ今回はかなり寝なきゃ治んねぇな！

なぁ？エースよ」

エ「……」

白「信じてやれ

あいつは必ず帰ってくる

少しの間、怪我を治すために寝るって言ってんだ

恋歌が一番信じてほしいだろうお前が信じてやらなくてどうする」

エ「親父…」

白「俺は信じる

あいつは不可能を可能にする

恋歌のお前たちに対する愛情は本物だ

そんなお前らにした約束は破らねぇよ」

白ひげはエースの頭を撫でてやり、優しく声をかける。

一番辛いのも、怪我を負わせてしまった責任を一番感じているのも、帰ってきてほしいと一番感じているのも、会いたいと一番感じているのも、全てエースだとわかっているから。

サボ「俺も信じるよ

だって母さんが約束を破ったことは一度もない

それにいつだって不思議な力で何でもやり通してた

俺たちの自慢の母親だろ？」

エ「そう…だな…

恋歌は帰ってくる

これを取りにも来るって言ってたしな」

エースの手には恋歌の髪飾りが握られていた。

白「帰ってきたら全員で説教だ

俺たちにこれだけ心配させた罰だ！」

マ「そりゃあ１日じゃ終わらないよい」








エ「帰ってきてくれよ…恋歌」