『みんな笑って？』

エ「え、」

『私はエースの、みんなの笑った顔が好き

みんなにそんな泣きそうな顔されたんじゃあとで会いに行きにくいわ』

少しおどけた口調で言われてエースは一度顔を伏せ拳を握りしめる。

すると頭に置かれた大きな暖かい手。

エ「親父…」

白「笑ってやれ

お前らもだ、バカ息子ども！

せっかくあいつに助けられたってのに何辛気くせぇ顔してやがる！

一人の女の望みぐらい叶えてやれ!!

グラララララ!!」

白ひげが豪快に笑えば周りも無理矢理作ったような笑顔だが、それが広がっていく。

最後は俯いたエースだけ。

もうほとんどモビーは消えかけている。

エ「……ほんと敵わねぇよ

昔から一回も勝てたって思えたことねぇ…

でもな…やっぱり俺はそんな強い恋歌が好きで…一番愛してる

だからさ!!

ずっと、ずっと…待ってる」

エースのその言葉を最後にモビーディック号は完全にその場から消えた。

最後に見たエースの顔は恋歌の大好きな太陽みたいな綺麗な笑顔だった。








黒「よくも…!!

俺の野望を打ち砕いてくれたな!!」

血だらけになりながらも立ち上がり恋歌を睨み付けるティーチ。

『そんなくだらない野望のためにあの人たちを巻き込まないで』

《恋歌…

残念だが無理に力を使いすぎた

時間切れだ》

神様の言葉のあとに消える斬魄刀たち。

恋歌の体の光は消えていない上にイノセンスも発動してあるのに落下していく。

『(時間的には間に合ったから充分よ

ありがとう)』

《悪い…

こんな結末を俺は望んでなかった…》

『(最後まで守らせてくれたじゃない

力を出し惜しみなく使えたのはあなたのお陰だしね)』

恋歌が地面に叩きつけられる直前何者かに受け止められた。