真剣な顔をしたルフィに恋歌は話したいことを理解した。

『エースとサボのこと？』

ル「やっぱり知って…！

なんで教えてくれなかったんだよ！」

詰め寄るルフィの目を見つめ返しながら静かに言う。

『今回の戦場は海軍本部

あなたより強い人なんてごまんといるわ

できればそんなところにルフィを連れていきたくなかった

私がわざわざ危険なところにルフィを連れていくはずがないでしょう？』

ル「それでも！」

『行きたいと言うのなら止めない

元から自分で知って自分で行くと決めたのなら止めるつもりはなかった

前に言ったでしょ？

今度会うときはルフィの決意を聞くことになるって』

ル「まさか…」

『今、ルフィの決意を聞かせてもらうわ

エースとサボを助けに私たちと一緒に戦う？』

ル「俺なんかが助けに行ってもあの二人は嬉しくねぇかも知れねぇ

でも大切な家族なんだ！

助けに行きてぇ!!」

ルフィは大声で恋歌にそう告げた。

『わかった

それなら私はルフィを全力で守るまで』

ル「明日こいつにインペルダウンまで連れていってくれる船に乗せてもらうんだ

一緒に行こう」

『インペルダウン…

残念だけどインペルダウンには行けないわ』

ル「？なんでだ？

助けに行くんじゃねぇのか？」

『私の狙いは処刑日当日

処刑される前に必ずあの二人は外に出る

そこを助けに行くわ

白ひげさんともそう話した』

ル「……でも俺は一刻も早く助けに行きてぇんだ」

『止めはしないわ

でもそうね…』

恋歌はルフィがしているペンダントに触れて目を閉じた。

一瞬光ったかと思うとすぐにその光はなくなった。

ル「なんだ？」

『お守りよ

インペルダウンに行くなら危険がある

一度だけあなたを助けてくれる

でも無茶はしないこと

インペルダウンから出てきたら呼んで？

海軍本部までは案内する』

ル「わかった！

ありがとう」

ハ「ひとつ聞いてもよろしいか？」

『うん？』

ハ「その…ルフィとは…どういう…」

もじもじしながら言うハンコックに恋歌はハンコックの心情を察して笑った。

『大丈夫よ

あなたの心配する関係じゃないわ

ね？』

ル「あ？桜姫は俺の母ちゃんだぞ？」

「「「「は？」」」」

『まぁそういうことなんで心配は無用です』

呆けた顔になっている四人が面白くて恋歌は声を押し殺して笑った。









ハ「いやまさかルフィの母上だとはおもわなんだ」

ル「言ってなかったか？」

ハ「聞いておらぬ！」

『まぁまぁ、いいじゃない

それよりあなたたち三姉妹に聞きたいことがあるわ』

「われら姉妹に？」

『その背中の烙印

消したいのなら消せるけどどうする？』

恋歌の言葉に三人がピタッと止まる。

「そ、そんなことが可能なニョか!?」

特徴的な話し方をする老婆がぴょんぴょん跳び跳ねながら聞いてくる。

『可能ですよ

それがあなたたちを苦しめていると言うのなら消します

私もルフィと同じで天竜人嫌いなので』

ハ「し、しかし…」

『そんな下らない烙印に苦しめられる必要なんかないわ

人間は人間であって人間以下という人はいない

強いて言うならこんなことをしてる天竜人の方が人間以下だと私は思うけどね』

ハ「桜姫様…」

『さ、どうする？

過去を変えることはできないし、記憶もなくなることはない

でも少なくともそんなものあなたたちの背中にあっていいものじゃないわ』

恋歌の声が優しくてハンコックたち三姉妹は涙を流す。

ハ「あなたに憧れてようございました

やはりあなたはわらわの思った通りの女性のようじゃ


是非ともお願いしとうございます」

頭を下げたハンコックを見て老婆が驚いた表情をする。

『うん

任せといて』