最初の位置から一歩も動いていないというのに何に疲れたのかわからない。

ニーナが首を傾げていると恋歌はにっこり笑った。

『私もまずは体力づくりからかな』

ニ「…そうですね」

自分が疲れたなんて嘘。

ニーナを気遣って休憩にしたのだ。





ニ「どうかしました？」

ニーナが休憩に水を飲んでいると空を見上げた恋歌がため息をついた。

『仕事かな…』

ニ「仕事？」

『そう、海賊に渡してある珠が割られた

あまり緊急でもなさそうだけど…


でも一応行ってくるね』

ニ「私は…」

『ニーナは休んでたらいいよ

今日中には帰ってこれるし』

ニ「わかりました…」

まだもの足りなさそうなニーナを残して恋歌は桜姫として呼ばれたところに行った。











着いた先はある冬島。

呼んだ海賊は宴会中のようだ。

「あ、お頭ー!!桜姫来ましたよ」

気づいたクルーが桜姫が来たことを知らせる。

「おお、やっぱり早いな

ちょっとこっち来てくれ」

洞窟らしきところから入ってこいと声がかかった。

中に入れば幹部たちとお頭と呼ばれたこの海賊
船長が座っていた。

『お久しぶりです

シャンクスさん』

シ「おお、急に悪いな」

今回恋歌を呼んだのは赤髪海賊の船長であるシャンクスだ。

『珍しいですね、シャンクスさんが私を呼ぶなんて』

シ「ちょっと届け物してもらおうと思ってな

マルコのやつに聞いたら届け物もしてくれるって言ってたもんで」

『確かに届け物もできる範囲ならやってます

何を誰に届ければいいんですか？』

シ「白髭海賊団の船長にこの手紙を渡してほしい」

シャンクスは懐から手紙をひとつ出すと恋歌に渡した。

『これを白ひげさんに届ければいいんですね？


返事はどうします？』

シ「その場でもらえるようならもう一度ここに届けてほしい」

『わかりました

では』

恋歌は手紙を届けるためにその場から姿を消した。

シ「ちょっとぐらい休んでいけばいいのにせっかちなやつだな」

ベ「あいつはあんたみたいにだらしなくないってことだろ」

シ「どういう意味だ！」