『簡単って…』

エ「簡単だよ

でもま、俺を好きになってもらうためにこれからは遠慮しない」

『遠慮？…………!?』

いきなりエースの顔が近づいたかと思うと唇に暖かい感触がした。

『(何で…エースの顔こんなに近いの？)』

恋歌は頭の中で状況を整理しようと思ったが、間近にあるエースの顔が心拍数を上げ、頭がくらくらして考えることができない。

数秒、いや一瞬だったかもしれないが、気がつけばエースは恋歌の体を起こして手も離していた。

代わりにエースの手は恋歌の腰と頭の後ろに回されていた。

『いっ、今…!!////

な、何を!?///』

エ「こんぐらいしとかなきゃ母ちゃん俺のこと男として考えてくれねぇかなぁって

何されたかわかってねぇんだったらもう一回…」

『ちょっ、待っ…!!///』

頭と腰を強く引き寄せられ再びエースの顔が近づいてきて先程と同じ暖かさが唇に触れた瞬間恋歌の意識は恥ずかしさのあまりに飛んでしまった。

力の抜けた恋歌はエースに寄りかかるようにして意識を飛ばしている。

エ「うーん………やり過ぎたか？


ま、母ちゃんにはこんぐらいで十分だろ」

自分に寄りかかってそのまま寝息をたててしまっている恋歌を優しい眼差しで見つめながら頭を撫でる。

エ「俺の方が背が高くなっちまったな…

こんなほせぇ体でいつも俺たちを守ってくれてたんだ

俺たちは…俺は母ちゃんよりは強くなれねぇかも知れねぇ


だがな、男は好きな女守るためにならいくらでも強くなれるんだ

守ってやる、もう母ちゃんが俺たちを守らなくてもいいぐらいに強くなって…」

エースは恋歌を横抱きにして寝室まで運んで一緒に横になる。

恋歌を抱き締めるように腕を回して目を閉じる。


明日起きたときの恋歌の反応を想像しながら。
















次の日の朝、起きた恋歌が昨日のことを思い出して顔を真っ赤にしてエースの腕から逃れようとするのを狸寝入りをしているエースが見て、楽しんでいたとか。

もちろん、そのあとバレて怒られていた。