物語開幕
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
エースが聞いていたことを恋歌は知っていたが、途中で気づいたため敢えて何も言わなかった。
自分の気持ちに嘘偽りは一つもない。
恋歌が風呂に行こうとするとエースが着いてきた。
どうしたのかと問うと見張ってくれるのだそうだ。
恋歌はエースの手を引いて風呂まで上機嫌だった。
ドラム缶の風呂に入るのははじめてで少し嬉しい。
心なしか恋歌の目もきらきらしている。
『エース!
私こういうお風呂はじめてよ』
タオル一枚だけ巻いた状態の恋歌を見てエースは慌てて視線を反らす。
エ「そっか、母ちゃんが喜んでくれたならよかったよ
見張りは俺がするしゆっくり浸かってればいいよ」
そのまま離れようとするエースを恋歌は呼び止める。
『ねぇエース
さっきのダダンさんと私の話聞いてたでしょ』
それは疑問ではなく確証のある言い方。
エ「やっぱ母ちゃん誤魔化せないな」
『まだまだ息子には負けません
それで?』
エ「それで?って…」
『着いてきてくれたのはもちろん見張りをしてくれるためでもあるんだろうけど他にも何か別の理由あるんじゃない?』
エ「それは…」
恋歌はお湯につかりドラム缶の縁に腕を乗せて側にいるエースを見下ろす形で話す。
しかしエースは口を開こうとしない。
『エースはさ"桜姫"って知ってる?』
急に話が変わったことに疑問を感じたが先程の質問よりは答えやすいので返答する。
エ「一応…
こんなとこにも手配書ぐらいは来るから」
『じゃあさその人の懸賞金今いくらか知ってるよね』
エ「8億だろ?」
『懸賞金の額は政府がどれだけその人を危険視しているかによって額が変わる
つまり"桜姫"はそんな大金をかけられるぐらい政府から危険視されているってこと
ここまではわかるよね?』
エ「うん」
『じゃあさ"桜姫"に会ったことのないエースはその人のこと8億もかけて捕まえようとする?』
エ「えっ?」
『何にも酷いことされたことのない人に懸賞金がかかってるからって捕まえる?』
エ「それは…
でもっそんだけの大金かけられてるってことはそんだけ酷いことしたってことじゃないのか?」
『いいえ、今や"桜姫"は海賊たちに救世主とまで呼ばれる存在になった
村を襲ったことも一度もない
ましてや一般人を傷つけたことも一度もないわ
そんな記事も噂も聞いたことがないもの』
エ「じゃあなんで…」
『政府にとって邪魔だからよ』
エ「邪魔?」
『そう、この世界は今大海賊時代とまで呼ばれるほどに海賊が多い
でもこの世界の正義を掲げているものたちは海賊という存在自体を犯罪としている
ということはその海賊たちの味方である"桜姫"も政府にとっては立派な犯罪者になるのよ
例え"桜姫"が大切な人を守るためにしていることでも』
エ「大切な人を守るために…」
自分の気持ちに嘘偽りは一つもない。
恋歌が風呂に行こうとするとエースが着いてきた。
どうしたのかと問うと見張ってくれるのだそうだ。
恋歌はエースの手を引いて風呂まで上機嫌だった。
ドラム缶の風呂に入るのははじめてで少し嬉しい。
心なしか恋歌の目もきらきらしている。
『エース!
私こういうお風呂はじめてよ』
タオル一枚だけ巻いた状態の恋歌を見てエースは慌てて視線を反らす。
エ「そっか、母ちゃんが喜んでくれたならよかったよ
見張りは俺がするしゆっくり浸かってればいいよ」
そのまま離れようとするエースを恋歌は呼び止める。
『ねぇエース
さっきのダダンさんと私の話聞いてたでしょ』
それは疑問ではなく確証のある言い方。
エ「やっぱ母ちゃん誤魔化せないな」
『まだまだ息子には負けません
それで?』
エ「それで?って…」
『着いてきてくれたのはもちろん見張りをしてくれるためでもあるんだろうけど他にも何か別の理由あるんじゃない?』
エ「それは…」
恋歌はお湯につかりドラム缶の縁に腕を乗せて側にいるエースを見下ろす形で話す。
しかしエースは口を開こうとしない。
『エースはさ"桜姫"って知ってる?』
急に話が変わったことに疑問を感じたが先程の質問よりは答えやすいので返答する。
エ「一応…
こんなとこにも手配書ぐらいは来るから」
『じゃあさその人の懸賞金今いくらか知ってるよね』
エ「8億だろ?」
『懸賞金の額は政府がどれだけその人を危険視しているかによって額が変わる
つまり"桜姫"はそんな大金をかけられるぐらい政府から危険視されているってこと
ここまではわかるよね?』
エ「うん」
『じゃあさ"桜姫"に会ったことのないエースはその人のこと8億もかけて捕まえようとする?』
エ「えっ?」
『何にも酷いことされたことのない人に懸賞金がかかってるからって捕まえる?』
エ「それは…
でもっそんだけの大金かけられてるってことはそんだけ酷いことしたってことじゃないのか?」
『いいえ、今や"桜姫"は海賊たちに救世主とまで呼ばれる存在になった
村を襲ったことも一度もない
ましてや一般人を傷つけたことも一度もないわ
そんな記事も噂も聞いたことがないもの』
エ「じゃあなんで…」
『政府にとって邪魔だからよ』
エ「邪魔?」
『そう、この世界は今大海賊時代とまで呼ばれるほどに海賊が多い
でもこの世界の正義を掲げているものたちは海賊という存在自体を犯罪としている
ということはその海賊たちの味方である"桜姫"も政府にとっては立派な犯罪者になるのよ
例え"桜姫"が大切な人を守るためにしていることでも』
エ「大切な人を守るために…」