たとえ血の繋がりがなくたって、私達はたしかに親子だった。




可愛い娘を世界で一番幸せにしてやりたいというのは、親であれば誰しもが思う当然のことだろう。しかしそのために、私が取った行動は間違っていたのだろうか。何が正解だったのだろうか。



娘は私の想像していたよりもはるかに立派に成長した。賢く謙虚で、優しい心を持っていた。


それなのに、今は私の目の前でひたすら涙を流し続けている。泣かないでなんて言えなかった。
ナマエのためを思って言っているんだなんて口だけで、社会的な価値観に縛られていただけだった。


嗚呼、優しい娘よ。不甲斐なく情けない父親を叱ってくれ。




出会ったあの日に戻って全てを最初からやり直せるのなら。あの時私が選択を間違えなければ。勇気を出して打ち明けたであろうあの娘の言葉を真摯に受け止めて、一緒に考えてやっていれば。




後悔ばかりが募る今愛する娘のために、これ以上ナマエが傷つかないように、私にできることは何なのだろうか。