あとがき (という名の師弟妄想/考察)1
ランティスとクレフをセットで語りたくなり、なおかつ、この二人について語る時には、どーしてもセフィーロの過去話とかについて考えたくなってしまうのは、二人とも、エメ姫とザガートに個人的な思い入れがあり、二人の関係を知っていて、その結末を予想しえたにも拘らず、セフィーロの崩壊を止めることはできなかった、という点で共通しているからです。
クレフとランティスは、セフィーロ崩壊を受けて、すごい苦々しい思いをしてる二人だと思うんですよね。
原作の方で、唯一クレフとランティスが直接絡んでる、「本当に美しいか?」の回想場面。あのやりとり、好きなんですが、あの場面には、セフィーロを故郷とする者の限界を感じます。
疑問は抱くけど、それ以上のことはできないという。
二人とも、柱制度に疑問は抱きながらも、二人の間に介入するとか、積極的な行動は起こしてないですよね(たぶん)。
クレフもランティスも、2部の方で、ザガートとの会話を回想するシーンが挿入されてますが、クレフがザガートに「述べることはないか?」と疑問を投げかけることしかできなかったのも、ランティスがザガートに何も声を掛けられなかったのも、それぞれ、それ以上の声をかけられない二人の限界を示しているような気がします。
彼らはセフィーロの住人なので、それ以上の行動は「起こせなかった」というのが現実だとは思いますが(だからこその異世界の魔法騎士が召喚されるわけですし)、「この世界は本当に美しいか」の会話を交わした時点で、二人とも、心のどこかで、エメ姫とザガートの運命を受け入れちゃってる部分もあったと思うんですよね。
先を予測しながらも、心のどこかで、「辛いけど、それは私には/俺にはどうしようもない」っていう諦念みたいなものを抱いていたのではないかと思うのですよ。
二人ともセフィーロという国に思い入れもあるでしょうし、どんなに違和感があっても、セフィーロの住人である以上、セフィーロの根幹である柱制度そのものをひっくり返すようなことはできない。となると、必然的に、ザガートとエメ姫の行き着く先も受け入れざるを得ない。セフィーロの内側にいる限り。
だからこそ、ランティスはそんな現状を否定したくて、セフィーロの外に出るという選択をしたと思うんです。
しかし、私、ランティスについては、連載当時から、ずっと、本当に、柱制度終わらせたいなら、セフィーロを出ずに直接ザガート止めろよ、という思いが拭えないんですよね。
1部の方で、ランティスいたら結末違った可能性もあったと思うよ? そんなことあり得ないとしても、最後までセフィーロにいて運命に逆らうべく足掻きまくるという選択肢はなかったのか? と思ってしまいます。
しかし、同時にセフィーロの中に生きていたら、そんな可能性に賭けることはできなかったんだろうなあとも思うので、やはり、ランティスがセフィーロの内側で足掻くのではなく、外に出るという選択をせざるを得ないあたりにも、セフィーロの住民としての限界、みたいなものを感じます。
個人的な妄想としては、ランティスは、エメ姫とザガートをもう見ていられなくて、国の外に出た、という部分もあるんじゃないかなーと思うんですよね。
それは、ある種、彼の意志の弱さの帰結でもあるのではないかと思うのですよ。
なので、ランティスの意志があそこまで強くなったのは、セフィーロに帰ってきてからじゃないかと予想してます。
さっきも書きましたが、クレフとランティス師弟に萌えちゃうのは、二人とも立場が似てる(似てた)からなんですが、ランティスがセフィーロを出たのに対して、クレフがずっとセフィーロに留まって、二人の最期を見届けたっていうのは、対照的で面白いなと思います。
これは、セフィーロに対する思い入れの深さと若さ(笑)の違いかなと。
クレフがセフィーロを出るとかまず考えられないですよね。たぶん、レイアの登場人物の中で一番セフィーロという国への愛(?)が深い人だと思います。クレフは、長く生きていて、セフィーロに凄く思い入れがあるので、セフィーロがどうなろうと、セフィーロという国がどんな罪を抱えていようと、最終的にはセフィーロという国の意志に従うと思う。
ランティスはそのあたりは、クレフよりは冷静にセフィーロという国を見てると思います。彼は国より人に愛着を感じるタイプだと思うので、セフィーロという国が人を殺すことがあれば、最後の最後まで抵抗しそう(実際、してましたし)。
ランティスが700歳超える頃にはどうなってるか分かりませんが。
そんなわけで、私は、クレフもランティスも、崩壊前のセフィーロで、エメ姫とザガートの運命を変えるために、直接的な行動は起こせなかったと私は思ってるんですが、直接的な行動は起こさなかっただけに、二人とも、ザガートが実際に動き出して、崩壊するセフィーロを目にするまでは、このまま何かがうまく行って、良い方向にうまく運命が変わらないかなーという淡い期待とか夢みたいなものをどこかで抱いていたんじゃないかと思うんです。
なので、タイトルが『……っていう夢を見たんだ』にしてみました。
2部の後の新しいセフィーロでも、二人が昔のセフィーロを忘れることはないと思うんですよ。
昔のセフィーロの美しさを知っているからこそ、昔と今を比べてしまうことは多々あるでしょうし、新しいセフィーロという国が幸せになればなるほど、二人の中に、「あの時、自分の取った行動は正しかったのか、崩壊を止めることはできなかったのか」と、過去を振り返る瞬間が何度も訪れると思うんです。
それはクレフとランティスに限った話ではないですけれども。
クレフとランティスは昔のセフィーロの美しさとそれを支えていた人のことを良く知っているので、二人は、そういう後悔の瞬間をどうやって乗り越えて行くのかと、クレフとランティスがセフィーロの未来と過去をどう背負っていくのか、とても興味を惹かれます。
というような興味の結果、出来上がったのが、この作品でした。
というわけで、以上、あとがきを終わります。
長すぎてすみません。
読んで下さった方はありがとうございました。
クレフとランティスは、セフィーロ崩壊を受けて、すごい苦々しい思いをしてる二人だと思うんですよね。
原作の方で、唯一クレフとランティスが直接絡んでる、「本当に美しいか?」の回想場面。あのやりとり、好きなんですが、あの場面には、セフィーロを故郷とする者の限界を感じます。
疑問は抱くけど、それ以上のことはできないという。
二人とも、柱制度に疑問は抱きながらも、二人の間に介入するとか、積極的な行動は起こしてないですよね(たぶん)。
クレフもランティスも、2部の方で、ザガートとの会話を回想するシーンが挿入されてますが、クレフがザガートに「述べることはないか?」と疑問を投げかけることしかできなかったのも、ランティスがザガートに何も声を掛けられなかったのも、それぞれ、それ以上の声をかけられない二人の限界を示しているような気がします。
彼らはセフィーロの住人なので、それ以上の行動は「起こせなかった」というのが現実だとは思いますが(だからこその異世界の魔法騎士が召喚されるわけですし)、「この世界は本当に美しいか」の会話を交わした時点で、二人とも、心のどこかで、エメ姫とザガートの運命を受け入れちゃってる部分もあったと思うんですよね。
先を予測しながらも、心のどこかで、「辛いけど、それは私には/俺にはどうしようもない」っていう諦念みたいなものを抱いていたのではないかと思うのですよ。
二人ともセフィーロという国に思い入れもあるでしょうし、どんなに違和感があっても、セフィーロの住人である以上、セフィーロの根幹である柱制度そのものをひっくり返すようなことはできない。となると、必然的に、ザガートとエメ姫の行き着く先も受け入れざるを得ない。セフィーロの内側にいる限り。
だからこそ、ランティスはそんな現状を否定したくて、セフィーロの外に出るという選択をしたと思うんです。
しかし、私、ランティスについては、連載当時から、ずっと、本当に、柱制度終わらせたいなら、セフィーロを出ずに直接ザガート止めろよ、という思いが拭えないんですよね。
1部の方で、ランティスいたら結末違った可能性もあったと思うよ? そんなことあり得ないとしても、最後までセフィーロにいて運命に逆らうべく足掻きまくるという選択肢はなかったのか? と思ってしまいます。
しかし、同時にセフィーロの中に生きていたら、そんな可能性に賭けることはできなかったんだろうなあとも思うので、やはり、ランティスがセフィーロの内側で足掻くのではなく、外に出るという選択をせざるを得ないあたりにも、セフィーロの住民としての限界、みたいなものを感じます。
個人的な妄想としては、ランティスは、エメ姫とザガートをもう見ていられなくて、国の外に出た、という部分もあるんじゃないかなーと思うんですよね。
それは、ある種、彼の意志の弱さの帰結でもあるのではないかと思うのですよ。
なので、ランティスの意志があそこまで強くなったのは、セフィーロに帰ってきてからじゃないかと予想してます。
さっきも書きましたが、クレフとランティス師弟に萌えちゃうのは、二人とも立場が似てる(似てた)からなんですが、ランティスがセフィーロを出たのに対して、クレフがずっとセフィーロに留まって、二人の最期を見届けたっていうのは、対照的で面白いなと思います。
これは、セフィーロに対する思い入れの深さと若さ(笑)の違いかなと。
クレフがセフィーロを出るとかまず考えられないですよね。たぶん、レイアの登場人物の中で一番セフィーロという国への愛(?)が深い人だと思います。クレフは、長く生きていて、セフィーロに凄く思い入れがあるので、セフィーロがどうなろうと、セフィーロという国がどんな罪を抱えていようと、最終的にはセフィーロという国の意志に従うと思う。
ランティスはそのあたりは、クレフよりは冷静にセフィーロという国を見てると思います。彼は国より人に愛着を感じるタイプだと思うので、セフィーロという国が人を殺すことがあれば、最後の最後まで抵抗しそう(実際、してましたし)。
ランティスが700歳超える頃にはどうなってるか分かりませんが。
そんなわけで、私は、クレフもランティスも、崩壊前のセフィーロで、エメ姫とザガートの運命を変えるために、直接的な行動は起こせなかったと私は思ってるんですが、直接的な行動は起こさなかっただけに、二人とも、ザガートが実際に動き出して、崩壊するセフィーロを目にするまでは、このまま何かがうまく行って、良い方向にうまく運命が変わらないかなーという淡い期待とか夢みたいなものをどこかで抱いていたんじゃないかと思うんです。
なので、タイトルが『……っていう夢を見たんだ』にしてみました。
2部の後の新しいセフィーロでも、二人が昔のセフィーロを忘れることはないと思うんですよ。
昔のセフィーロの美しさを知っているからこそ、昔と今を比べてしまうことは多々あるでしょうし、新しいセフィーロという国が幸せになればなるほど、二人の中に、「あの時、自分の取った行動は正しかったのか、崩壊を止めることはできなかったのか」と、過去を振り返る瞬間が何度も訪れると思うんです。
それはクレフとランティスに限った話ではないですけれども。
クレフとランティスは昔のセフィーロの美しさとそれを支えていた人のことを良く知っているので、二人は、そういう後悔の瞬間をどうやって乗り越えて行くのかと、クレフとランティスがセフィーロの未来と過去をどう背負っていくのか、とても興味を惹かれます。
というような興味の結果、出来上がったのが、この作品でした。
というわけで、以上、あとがきを終わります。
長すぎてすみません。
読んで下さった方はありがとうございました。
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