青赤ビートダウン

○『青赤ビートダウン』
1作目のおまけにも書いた通り、青赤とはデッキを構成するカードの色を指します。
「コントロール」とは対戦相手の戦術を妨害するデッキのことでしたが、今回の「ビートダウン」とは自分の軍団を整えて、真正面から正攻法で殴りにいくデッキの事です。ビートダウンという言葉自体が、叩きふせるというニュアンスです。今作は互いの触れたくない部分に嫌でも触れる回になるとわかっていたので、お互いをボコボコに殴り合うような、真っ向勝負という意味合いからこの名前にしました。


1.先触れ
青によくある、簡単な低コストのドローカード。今作の導入というか、レモラの体調の怪しさなんかも描写していたため、先触れというワードがよいかなと思ってこちらに。
レモラは寝相とんでもなく悪いイメージで、夏は寝返り何回も打つから狭い、冬は布団全部巻き込んで独占するので寒い、春秋はくっついてきて暑苦しい、みたいな感じです、ブラムさんが。今作は寒い春くらいをイメージしてます。

2.冬茨の祝福
こちらも低コストのドローカードで、おまけで相手の行動を制限するような効果もあります。今回の大事件がレモラの妊娠であるというのをここまでであまり示唆したくない反面、後から見ればそう見えるタイトルにしたくて、これを選びました。
誰も大っぴらに祝福できない妊娠でしたが、その実、全員内心は喜ばしく思っていたので、祝福というワードはいれたいと考えました。自分が面倒くさい大人が好きなばっかりに……。

3.ならず者の道
コストを支払えば1ターンに1体だけ指定し、相手の防御をスルーして攻撃できる能力を付与できます。自分がよく大型なカードで殴るデッキをよく使うので、とても好きなカードです。
裏社会の人間はどこまでもそれを背負い続けることになると個人的には考えているため、非合法さを前面に出せるタイトルにしたいと考えました。

4.君は川にたどり着いた
前作で選んだ「悪党の住処をみつけた」と同じ、モード選択で効果を使い分けるシリーズのカード。
レモラが産むか産まないかを悩むシーンでしたので、望まない子どもは川に流す(ヒルコとか)イメージもあり、また選択肢というものが存在するこのタイトルを選びました。

5.未来の目撃
青の低コストの山札操作系カード。イラストがとてもきれいで好き。
レモラもブラムも、ろくな家庭環境で育っていないイメージでいたので、いざこどもを望んでもそれは別世界の事象であることと、まだふたりがお互いに遠慮しながら互いに寂しがりであるのも描写できて楽しかったです。家族とは?というのは自分が今探求しているテーマでもあります。
純粋に自分を心配してくれたクラゲの子は、隣の保護者に愛されてきたのでしょう。赤の他人を思いやることが当然の世界で生きる彼らが、ふたりの欲しい未来なのではと、そういう面もあったりします。正解はふたりがこれから決めていくのですが。

6.宝石の睡蓮
MtGのカードでは伝説的に有名である、BlackLotusの簡易版。これまでの多くの簡易版は登場しましたが、その中でも最も新しいこのカードは特に強力な汎用カードです。先日の新弾で出た特別イラスト版が美しすぎて禿げました。
完全に無コストで、望む色の新たなリソースを生み出すことができます。ただし、使うと失われます。使えるのは一度だけです。ここからレモラの根幹を掘り下げることにシフトしていきました。
ここまででDay1、次がDay2、朝チュン後がDay3みたいな感じで、自分がよく書く短編3本分ぐらいになりました。ようやるわ。

7.致命的な一押し
黒の手軽な除去カード。このカードより先に相手に損害を与えられていれば、消費コストはそのままでより強力な除去能力を適用できます。小さなことでもタイミング次第では大打撃になり得るものです。
ブラムさんがVⅠPパーなのはよそ様とのご交流で生えた設定です。大変気に入っております。感謝。

8.涙の氾濫
場にでているカードすべてを持ち主の手札にもどす大掃除カード。また自分のカードが一定数戻っていれば手札から1枚を無コストで場に出すこともでき、一気に相手にとどめを刺しにいくことも可能です。このカード自体が個人的にとても好きで、あとは完全に字面で選びました。
よくある、昔の思い出の作品も今の肥えた目でみると粗さがわかって幻滅しちゃう現象です。ただ、それで嫌いになるかと言われたらそうでもなく、思い出の作品という立場は不動なわけです。不思議です。


後半へ続く
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