メジャー短編 (調整中)
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梓『さっすが未架! 走り幅跳び、校内一位だよ(>_<)』
『と~ぜん!』
女子の中で髪の短い一際目立つ女の子
・・・夏村未架さん
*クラスメート*
*人懐っこく、明るい性格の彼女は僕のクラス・・・いや校内男女問わず人気がある
何よりも・・・
「夏村・・・お前、小学校からやり直してこい」
『ひどいわ先生! いくら私が可愛いからって』
「違うだろ」
黒板に出て珍回答を連発する夏村さんに、コツっと教科書でこずく先生
教室中が笑いの渦に飲み込まれた
そう彼女、夏村さんは運動神経は男子顔負けにすごいんだけど、勉強はこの通りのおバカちゃんだ
彼女の一番の人気の理由は、このギャップにある
天才と馬鹿は紙一重って言うけど、彼女はまさにそれだ
そして僕もそのギャップにやられた一人・・・
*
倉「やっぱ可愛いよな~」
寿「なにが?」
野球部の更衣室でユニホームから制服へ着替えながら、話題は今人気の夏村さんの事だ
倉「はぁ~・・未架ちゃん、彼氏とかいんのかなぁ」
寿「さぁ・・どうだろうね?」
もう一度溜め息を吐く倉本
倉本は彼女の事が好きみたいだ
かなり本気で
素気なく返事をしている僕だけど、正直なとこ気になる・・・
今までそんな噂は聞きはしないが、実際のところはどうなんだろう?
本人に確認するのが一番手っ取り早い
でも、そんな事直球で聞けないし・・(好きだってバレバレ・・)
実際、夏村さんとはクラスが一緒なだけで、仲良しというわけじゃない
言葉を交わすと言ったら挨拶程度
彼女からしてみれば、僕なんてただのクラスメートに過ぎないんだろう
そんな想いを抱きながら季節は夏に差し掛かった
*丁度期末テストが終わり、生徒たちの心は夏休みまっしぐらだった
僕はと言うと、やっぱり野球三昧
嬉しく思う反面、なんだか悲しく思う・・・
部活も終り、僕たちも帰宅しようとした
寿「あっ! 悪い倉本、先に行っててくれ」
倉「なんだ? 忘れ物か?」
寿「あぁ、取ってくるよ」
倉本に先に行かせて、僕は足早に教室へ向った
教室の入り口付近に近づくと、何やらうめき声のようなものが聞こえてくる
空耳ではなさそうだ・・・
そろりと教室を覗きこんでみた
『う゛~~~~~・・・・・・先生のおバカぁ~・・』
そこにいたのは、幽霊でもなければポルターガイストでもなく、一人の女子生徒だった
頭を机に突っ伏していて独り言を言っている
*
『なんで私だけ補習なの~・・・みんなは夏休みまっしぐらなのにぃ・・・たかが、赤点の3つや4つや5つあっただけで・・・・・・・・・・・』
突っ伏していたのはおバカさんで有名な夏村さんだった
それにしても、赤点5つって・・ほぼ半分じゃないか・・・・ι
それはさておき、もしかしてこれは仲良くなれるチャンスなんじゃないのか?
教室には夏村さんと僕の2人だけ・・・
『あ~~・・・全然わかんないし・・・全然終わんないよぉ~(:_;)』
寿「僕でよければ教えてあげようか?」
『ふぇ?』
頭を上げた彼女はいかにも助けてほしそうに僕を見上げた
『でも、何で私が補習だってわかったの?』
寿「物凄く口に出してたよ?」
『あ、そっか・・・』
やっぱりおバカさんだなぁ・・・と思いながら、夏村さんの席の前に座り勉強を教えることになった
*
教えること数十分
僕はあることに気付いた
寿「なんだ、夏村さん以外に出来るんだね」
『だって佐藤君が教えてくれるとすっごく解りやすいんだもん!』
なんて笑顔で言うもんだから、つい頬を紅く染めちゃうんだよ
そして無事、課題プリントが終わった頃、外はオレンジ色から藍色へと変わり始めていた
『佐藤君ありがとね! 助かっちゃった』
寿「言ってくれればいつでも教えてあげるよ!」
『佐藤君って意外に世話好きなんだぁ』
そうかな? と言うと、満面の笑みで頷いてくれた
ま、相手にも寄るけどね・・・
寿「夏村さん暗いし、送っていくよ! 家ってどの辺?」
『えっ! いいよ、そんな悪いし・・』
寿「僕は女の子を一人で帰すような薄情な奴じゃないけど?」
ちょっと強調するように言ったら、少し困った顔をしてはにかみながら、じゃぁお願いします。 と2人で歩きだした
かなりキミに近づけた気がした
きっとクラスメートから、同じクラスの佐藤君ぐらいには変わっただろう
次は、仲良しの佐藤君になるようにアピールしていかないと!
覚悟しててよね!
きっとキミを振り向かせてみせるから!!
*END*
*