メジャー短編 (調整中)
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「次、夏村!」
『はい!』
大きく息を吸って…風を斬るように走って…力強く地面を蹴って…跳ぶ……
~ハチミツとレモン~
『きゃ~~~!!未架かっこいい~vV惚れ直したぁ(>_<)』
『はは…ありがと加奈実!』
私、夏村未架
友ノ浦中学二年の陸上大好き人間
んで、横でキャーキャー言ってるのは、幼なじみの加奈実
『ねぇねぇ未架!今日野球部で練習試合やってるんだって!見にイコ☆』
『え~いいよ、私は…って加奈実!』
『ほら行っくよん(>_<)』
あまり野球部には行きたくないのだが……
キイィン
『やってるやってる!!』
いっつも加奈実に半ば強引に連れてこられる
『あ!未架見て!次、佐藤先輩だよ~V』
『…』
そう…なぜ私が、野球部に行きたくないのかと言うと…
…佐藤寿也この人がいるからだ
あれは一ヶ月前の事…
「夏村の事…好きなんだ、付き合ってくれ」
まただよ…中学入ってから何人目だよ…
三年の先輩、しかも剣道部の主将…知らないわけではないが、話すのはもちろん初めてだ
『…スミマセン、私先輩の事あんまり知らないし…』
「俺の事は、付き合っていけばわかるだろ?それに付き合わなきゃわからないこともある」
『…はぁ』
「な!絶対後悔しないって!」
『私、今陸上の事しか頭に無いんで、色恋沙汰は他所でやってください』
その場を去ろうとしたとき、壁を背に先輩の両腕で、逃げられないように挟まれた
「そんなこと言わずにさ、一回も男と付き合った事ないんだろ?なら…」
『うるさいな!!嫌だって言ってんだ!今初めて話した奴と付き合える訳無いだろ!
それに、男になんか興味ねぇよ!』
先輩の手を除けて帰ろうとしたとき、後ろから腕を引っ張られ、後ろに無造作に置いてあるマットの上に押し倒された
『いっ…!な、何すんだ!』
「なら…俺が男を教えてやるよ…そうすりゃぁ、お前もその気になるだろ?」
そう言って、上に被さってきた
抵抗しようとするが、男に敵うはずがなく、先輩は首筋に顔を埋めてきた
『何すんだ…やめろ!!』
片腕で軽々と両腕を押さえられていて、どうすることもできない
びくともしない…
先輩の手がスカートの中に入ってくる
犯られる……っ
『…やだ…やめ』
そう思った瞬間
先輩は私から離れて、後ろへと派手に転がった
何が起きたのか解らなかった…それは転がっていった先輩も同じだった
「やめなよ、学校だよ…?」
私の前にいたのは、野球部キャプテンの佐藤寿也だった
「…っ、佐藤…何しやがる!お前には関係ねぇだろ!」
「関係ないけどね、ただ…力付くっていうのは見てていい気がしない…」
「テメェ…」
「いいの?僕がこの事、先生に言っちゃっても?来週、試合だったよね?剣道部」
それを
二人きりになったわけだか、気まずい空気が漂っている…
何も女子に人気のこの人じゃなくても_・。)
苦手なんだよなぁ…こういう誰にでも優しい奴…ボロが出そうで困る
「さて、何か言うことはない?」
『…誰も…助けてくれなんて言ってないだろ』
「クス…ウワサ通りだね!陸上部エースの夏村未架ちゃん」
『う…うるさいな!もう用はないだろ!ほっといてよ!』
男になんか弱みを見せたくない!だから早くどっか行けよ!!
「生憎、こんなに震えてる女の子を見捨てていくほど、僕は薄情じゃないから」
と、自分の上着を掛けてくれた
それが無償に腹立たしかった
今まで、散々男だと馬鹿にされた…だから私は言葉遣いを荒げ、男のように振る舞ってきた
中学に入った途端、周りは女扱いしやがる!ふざけんな!今まで耐えてきた私はなんだったんだよ!!
『……女扱いするな!…あんたの助けなんか無くたって、あんな奴…!』
「それは無理な相談だなぁ…いくら男の言葉遣いをしても、キミはれっきとした女の子だからね!」
そう言って私の頭を優しく撫でてくれた
なんだろう…こんな…女の子扱いされてるのに…涙が出てくる…
「無理矢理あんなことされて、恐くないわけないだろ」
ヤバかった…先輩の胸に頭を付けて、顔を見られないようにするので、精一杯だった
『…こ…わ……かった………』
不覚にも泣いてしまったんだよ…
『…加奈実、私顔洗ってくるわ』
「え~未架!佐藤先輩見ないの~!」
『興味ない』
ヒラヒラと手をふって、その場から退散した聞くと、先輩は走って行った
水道場で豪快に顔を洗った
『フー』
「相変わらずだね☆」
『!!』
いきなり声をかけられたので、かなりビクついてしまった…
『…野球部のキャプテンとも在ろう人が、試合中にこんな所で油売ってていいんですかぁ?』
「プッ…、試合は終わったよ!僕も顔洗いに来たんだ」
蛇口をひねって顔を洗い始めた
『…それにしては、追っ掛けの子たちが探してましたけど?』
「え、そう?」
『あんまり逃げてると、愛想尽かされますよ(笑)』
「別に逃げてるわけじゃないさ…愛想尽かされるなら、むしろ有り難いけどね」
『さっすが、モテモテの寿也先輩は言うことちがいますね~』
と、先輩にも関わらず、バカにしたような発言
「一人の子に見ててもらえれば、あとはどうだっていいだろ?」
ドキンッ///
向けられた笑顔に、不覚にもときめいてしまった…
私は寿也先輩に恋心を抱いている…あの時から…
先輩に対してだけ妙に、強がったり茶化したり、バカにしたり…先輩に気付かれないようにするために…
こんなことが皆に知れたら、私は学校にいられなくなる…(泣)
梅雨…朝から雨がしんしんと降っている
雨の日は、練習が出来ないから嫌いだ…
授業が終わった後、図書室へ向かった
こんな雨の日は、静かな場所にいたいからだ
それに読書は好きだから
「悪い倉本、今日図書室に寄ってくから先帰ってくれ」
図書室へ向かい借りていた本を返した
ふと、窓際を見ると一人の髪の短い子が机に伏せていた
「…やっぱり」
そこには、本を開いたまま寝ている未架だった
「まったく……女の子がこんな無防備に寝るもんじゃないよ」
どれぐらいたっただろう?
うっすらと目を開けた…私、寝てた…?
「おはよう☆」
私の目に飛び込んできたのは、私と同じように、机に伏せてこちらを向いている寿也先輩だった
しかもかなり近い…
『…!!なっ…/////何してんだ!あんた…って…うわ、たったっ…うわぁ!』
目の前にいた寿也先輩にビックリして、勢いよく後ろに退けぞったため、派手に椅子から落ちた
先輩は大丈夫?と言って心配してくれたが、明らかに笑いを堪えている…
『っ~~…////ひ…卑怯だぞ!寝てる女子に近づくなんてっ!!』
心臓が異常にバクバクしているのが、嫌でもわかった
「あれ?女の子扱いされるの嫌いじゃなかった?」
わざとらしく言う寿也先輩
く~~~っ!むかつく~!楽しんでる…この人、絶対楽しんでるよ……
そう思いつつも、嬉しいと思ってる自分がいる…
日も暮れ始めていたので帰ることにした
『雨足強くなってる…』
朝そんなに降ってなかったから、傘持って来てないんだよなぁ
まぁいっか…これくらいなら
『じゃあ先輩、私帰りますんで!』
「えっ、ちょっと…未架ちゃん!」
雨の中、傘もささずに帰ろうとする私の腕を掴んで、止めた
「未架ちゃん、傘持ってないの?」
『朝あんまり降ってなかったから…大丈夫ですよ!これぐらいの雨なら濡れたって』
「だ~め!陸上部のエースが風邪なんて引いたら大変だろ?僕の傘に入っていきなよ、家まで送るからさ!」
『……///』
優しい先輩…みんなにもそうなんだろうなぁ……
色んな話をしながらあっという間に家についてしまった…
別れた後も、先輩が見えなくなるまでずっと見ていた…
すごく幸せ、こうやって先輩の側にいられるのが…
もっと一緒にいたい…なんてわがままかな…?
昼休み、いつも騒がしい加奈実が、今日はいつにも増して騒がしい
『最近、未架変だよ?』
加奈実がそう言ったが、何がどう変なのかさっぱり…
『なんか最近可愛くなった!前は男顔負けだったのに』
『な、何言ってんだよ加奈実…そんなわけないだろ?』
ヤバイ…恋愛に鋭い加奈実にバレるのも時間の問題か…
そう言うと、なにやらニヤニヤし始めた加奈実
…嫌な予感……
『佐藤先輩でしょ~?』
ぎくっ!(゚.゚;
『やっぱりね~、佐藤先輩の前だと未架女の子なんだもん☆』
『そっ、そんなんじゃないって!』
マズイぞ…バレてる(汗
『でも、加奈実は嬉しいな♪』
『え?』
『だって、未架はずぅーっと加奈実の憧れの女の子なんだもん☆中学に入ってからは特に!!
恋してる未架、すっごくかわいいよ!
だから、他の男の子も未架のことほっとかないんだよo(^-^)o』
『……ほら加奈実、口の周り御飯粒ついてる』
『えっ、うそ!』
嬉しかった…
まさか加奈実がそんな風に思っていてくれたなんて…加奈実にとって私は王子様だと思っていたから……
『あ!でも油断したらダメだよ!最近、佐藤先輩の周りをウロついてる一年生がいるんだって』
『そりゃあ、あれだけモテれば…』
『違うの!この間の休みの日、佐藤先輩とその子が仲良く歩いてるところを比奈ちゃんが見たって!』
あれだけモテるんだもん、彼女がいたって不思議じゃない…よね
〔先輩、今彼女いないらしいから…〕
ほんとに、いないのかな…
ザーー
下校時間になり、雨は本降りの大雨だった
『はぁー…また雨か…』
と、懲りずに傘を忘れる私…
その時、下駄箱の方からよく聞く声と可愛らしい声が聞こえた
寿也先輩と…あの子は加奈実が言ってた一年生…?
楽しそうに話しながら、二人で帰って行った
『やっぱり…そうなんだ……』
いないわけないよ…あんなにも優しい人なんだから、彼女がいないわけ…
〔未架ちゃんと一緒で、今は野球のことで頭いっぱいだから…いないよ〕
何をやっているの?こんなこと考えたって、所詮憶測に過ぎないじゃない!!
先輩はいないって言ってた…なのに、自分の気持ちも先輩の気持ちも確かめずに、後悔ばかりするなんて私らしくない!!
最後の最後まで諦めない!それが私…夏村未架だろ!!
雨の中走り出した
ほんとのことを…自分の気持ちを伝えるために…
公園で二人を見つけた
声をかけようとした私の目には、抱き着いている二人の姿
心に何かが刺さったようだった…身体が怖ばって動こうにも動けない…二人から目が離れない
『好きなんです…佐藤先輩がずっと好きなんです!だから…お願いします!私と付き合ってください!!』
その子は寿也先輩に告白した…私が後ろにいるとも知らずに…
「…ごめん綾音ちゃん…」
『!』
「綾音ちゃんの事、野球に熱心でいい子だなって思う…でも後輩としか見れない」
『…先…輩?』
そう言って綾音と言う子を離し、私の方に目をやった
先輩と目が合った
「それに…僕の大事な子をほっとけないしね」
先輩は綾音ちゃんから離れて私の前に立った
『…せ…ん……ぱい…』
「何泣いてるの?傘もささずに」
そう言って涙を拭いてくれた
『わた…し…寿也先輩…に言いたく…て』
ダメでもいい、ちゃんと自分の気持ちあなたに伝えたい
『…好き…って伝え…たくて…』
濡れた私の頭をポンポンと撫でてくれた
「キミも気付きなよ!いいかげん…僕の気持ち」
『…へ…?』
先輩の言っている意味が解らなかった
頭の上に?を飛ばしている私を見て優しく微笑んでくれた
「好きだよ」
雨は嫌いだ…陸上ができなくなるから
でも今は…少しだけ好きになれるかも
甘ずっぱい恋を私に降らせてくれたから…
[END]
-おまけ-
「未架ちゃんお風呂入ってきなよ!制服乾かしとくから」
びしょ濡れになってしまったので、公園から近かった先輩の家で一旦雨宿りすることになった
『…寿也先輩も好きだったなんて…///私って…実は鈍感だったのか?』
先程の告白を思い出しながら、一人で百面相をしていた
『はっ!これって、もしかして…先輩の服!?』
置いてあった着替えは、自分が着るには随分と大きいものだった
『…これズボンはけないんだけど…ま~、上着だけでもこれだけ長ければいっか…』
着替えて、先輩のいる居間に足を運んだ
ちょうど先輩がホットココアを入れてくれたところだった
「あ!今ちょうど…!!」
『ご、ごめんなさい先輩…ズボンが大きすぎて…』
頭を掻きながら、ハラハラしながら言った
あれ?先輩固まってる…(゚.゚;
やっぱり、せっかく用意してくれた着替え、はかないのは失礼…(←鈍感なのでツッコムとこが違う)
「ダメだよ未架ちゃん…いくらなんでもそれは…」
先輩は立ち上がって、近づいてきた
やっぱダメじゃん(泣)
『ごめんなさい!着替えて…』
「…襲いたくなっちゃうだろ?」
私の耳元でそう囁いた先輩は……小悪魔だった
私は勢いよく襖に激突した
『な…何冗談いってんだ…////わ、悪ふざけは…やや、やめろよな!////』
「未架ちゃん…もう少し自覚しなよ…
今のキミ、僕が我慢できないくらい可愛いよ…」
『…ん!!』
先輩の優しい手が私の頬に止まったと思ったら、柔らかい感触が私の唇にあたった
『…ん……ちゅ…』
初めてするキス
キスにはロマンチックなイメージがあったが…
なんだか…苦しくなってきた
そんな中、私の口を割って何かが入って来た
『…!!』
先輩の舌が私の舌を絡めとり、どうしたらいいか…そんなこと考える余裕も無くなっていた
『ん…っ』
どんどん激しくなるキスに、足が耐えられずガクンと折れた
倒れ込む私を先輩が抱き留めてくれた、同時に激しく繋がっていた唇は開放された
『…はぁ……はぁ』
「クス…かわいいな…もう立ってらんないなんて☆」
『な…にする…』
「今日はこれで、なんとか我慢するけど…今後はどうなるかわかんないから」
そう言って私に、ニコッと笑顔を向ける先輩が黒かったのは言うまでもない…
[END]
◇あとがき◆
お疲れ様でしたー☆
片思いから発展ということで書きました…短編なのに長い……危うく、連載になるとこだった(-。-;)
今回初の微裏で書いてみました!
楽しいっすね(>_<)想像しながら書くと、黒寿って…いける…かっこいいよ……(←変態)
あぁ、思考回路が焼き切れそうなんで、この辺で失礼します☆