想い出のカケラ (調整中)
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小さい頃、よくこの公園でお兄ちゃんとキャッチボールをした…
お兄ちゃんがリトルに入るまでは…
第1話
[出会い]
*
<ポーン…ポーン>
『・・・』
広い公園で、壁を相手にキャッチボールをしている一人の少女
<ポーン、コロコロ…>
『・・・フー』
つまらない!っといいたげな顔をして、何か物足りなさそうに溜息をついているのは、この物語の主人公にしてヒロインの夏村未架本人だ。
『お兄ちゃん早く帰ってこないかなぁ…』
未架には佑という五つ離れた兄、女手一人で子供二人を育てた義母・稚紗の三人家族だ。
佑がリトルに入るまではここで毎日、日が暮れるまで野球で遊んでいた…でもそれからは、一人だった…。
グローブを持った男の子が家路を急いで公園の横を抜けようとしていた
<ポーン>
「・・・?」
<ポーン、パシ>
『・・・つまんない』
「・・あの」
『ひゃわっ!』
背後からいきなり声を掛けられたのでビックリしてボールを取り損ねてしまった。
恐る恐る後ろを振り返るとそこには、眼鏡を掛けた同い年くらいの男の子が、グローブを持って立っていた。
*
「キミ野球やるの?」
『へぁ?』
いきなりそう聞かれて、気の抜けたような返事をしてしまった…。
「一人でやるのつまらないと思うんだ…」
『…だから?』
「ぇ…う…ん、だ、だから良かったら一緒に…やらないかなって…」
なにやら、声を掛けたものの、どう話せばいいのかわからず、とてもおどおどしている様子だ…。
未架は彼が持っているグローブを見て、野球をやるのか聞いてみた。
今までおどおどしていた表情が一変し、とても嬉しそうな表情になって言った。
「うん!友達の吾郎君と一緒にやってるんだ!」
『ふ~ん…』
「ぁ…」
転がったボールを拾いに行った未架を見て、とても不安な顔をした男の子に
『一人の女の子にいきなり声を掛けるのはマナー違反だよ』
「…え?!」
背を向けたままの、未架の思いがけない言葉に少し驚いた
『いいよ、未架も一人でつまんなかったからo(^-^)o』
<ドキッ>
*
いきなりニコッと笑った未架に一瞬戸惑ってしまった男の子はなんとか言葉を出すことが出来た。
寿「ぁ…、ほ、ほんとに!ぼ、ぼく、佐藤寿也っていうんだ!キミは?」
『夏村未架、毎日この公園で遊んでるの』
寿「じゃあ、明日ぼくもここに来るよ!吾郎君も呼んで、一緒にキャッチボールしよ!」
『うん!!』
初めて出来た野球友達は、私のこれからの人生に大きな影響をもたらすとは、思いもしなかった
*END*
*07.11.4修正