貴方と私の生きる道 (調整中)
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『かなり大きな街ですね』
龍「そうだな」
最近、煌帝国の傘下に治めたばかりの街
街の大通りには、所狭しと露店が並んでおり、活気が溢れている
この街は主に、行商人達の通り道となる街だ
街と街の中間に位置しており、休憩や物資の補充にも重要な交差点となっている
今回、視察ということで白龍はこの街に訪れていた
従者であるフィアと、数人の護衛のみ
皇子の視察にしては、護衛の人数が少な過ぎる
今は、視察などに割(サ)く兵などない、との事だ
それでなくとも、王位継承権が一番低い皇子、というのも邪魔をしていた
だが白龍は、然(サ)してそのことを気にしてはいないようだ
言ってしまえば、信頼の置ける従者が一人いてくれればそれで良いのだ
話をしながら街中を歩いていく
人が溢れかえっているというのに、白龍が進む先に人はいない
皆、道を開けて行くのだ
いや
避けて行く・・と言った方が正しいか
”煌帝国皇子の視察”
街中の人々が知っている行事になっていた
傘下に入ったと言っても、納得して下ったわけではない
武力によって、制圧されたにすぎない
人々の視線は冷めたものだ
悔しさ、恨み、憎しみといった感情を込めて視線を送ってくる者も少なくはない
白龍の表情も、終始険しいものだった
商店街を外れた一本の道に目が止まった
じっと見つめた後、白龍の足はそちらへ向かった
『皇子
その先は、余り治安が良くないと聞きます
行かれるのは、危険かと思いますが・・』
龍「そういう場所こそ、見ておかなくてはいけない
その国や街の実態を知るにはな」
そう言うと、白龍は階段を下りて行った
・・まったく
そう言う所は、昔と変わっていないのだから・・・
眉を八の字にして笑うフィアも、遅れまいと後を追った
道を進むと、やはりそこには貧しい人々の暮らしぶりが伺える
曲がり角を曲がると、今来た道よりも多少道幅が広い道に出た
すると
『皇子!!』
龍「!?」
ガシャン! と音を立てて地面に散らばった植木鉢
間一髪の所で、フィアが白龍を押し、上から落ちてきた鉢を避けたのだ
すると、それを合図にぞろぞろと刃物を手にした人々が現れた
あっと言う間に、囲まれてしまったのだ
男「お前らのせいで、俺たちの暮らしはめちゃくちゃだ!」
男「お前らさえ来なければ・・妻も子供も、死なずに済んだのに・・っ!」
女『夫を返せ!!』
女『息子を返してよ!!』
次々に飛び交う、憎しみの種
武力で下した結果がこれだ
弱い者に程しわ寄せが来る
彼らの鬱憤(ウップン)は、吐き捨てる所も無く蓄積していくばかり
その恨みの念が、今回の視察で白龍に向けられたのだ
直接関与してないにしても、煌帝国の皇子
無関係では済まない
人々の怒りは、静まる事なく刃として向かってきた
仕方無しに、こちらも戦闘態勢に入った
『鎮圧する!
なるべく、彼らを傷つけぬように
皇子は下がっていてください!』
白龍を背に、彼らの攻撃を受け止める
・
今回は、ただの視察目的であるが故に、白龍は愛用の槍を荷車に置いてきてしまったのだ
治安の良い街
暴動など、頭の片隅にもなかったのだろう
しかし、部下が戦っているにも拘(カカ)わらず、自分だけ下がって守られているだけなんて
そんな事、白龍の自尊心が許さなかった
地面に刺さっていた剣を手にし、応戦しようとする
が
白龍に襲いかかった男の剣を受けたのは、間に割って入ったフィアだった
男の剣を弾き飛ばし、鳩尾(ミゾオチ)に肘をめり込ませ気絶させる
龍「フィア」
『皇子、お下がりください! 危険です!』
龍「皆が戦っているのに、俺だけ下がるなど出来るか!」
『彼等は、獣でも敵国の兵でもない
ただの一般人なのですよ!
あなたが刃を向けるべき相手は、彼等ではないはずです!』
龍「っ!」
・・そうだ
俺は・・そのために、毎日鍛練しているんじゃないか・・・
フィアの言葉に顔を俯かせた
その一瞬の隙に、白龍の背後に回った男が剣を振り上げる
『白龍様!!』
ザンッ
――
―――
―――――
ガタゴト・・
無事、暴動は鎮圧し、視察も終えた
白龍達は、煌帝国へ戻るべく岐路についていた
1台の馬車に、前後には馬に乗った護衛兵
『・・っ』
龍「まったく・・お前は」
『白龍様・・もう少し、優しく・・・いたたι』
龍「自業自得だ
顔に傷など・・・」
白龍を背に庇った時、剣の切っ先がフィアの頬を切ったのだ
血は出たものの、傷口は浅く済んだ
その傷を今まさに、白龍に手当てしてもらっている最中
『白龍様が切られるよりマシです』
龍「そう言う事を言っているのではない
仮にも、嫁入り前の娘なんだ
跡が残りでもしたらどうする」
『構いません
白龍様が無事なら、それで結構です』
従者としては申し分ないのだが・・
フィアは、どうも女性としての意識が欠如している
俺がいくら言っても、何故かそこだけは頑固で仕方がない
そう言う所は、姉上と似ていて困る所だ・・
龍「嫁のもらい手が無くなるぞ?」
『それならそれで好都合です
私は、嫁になど行きませんから』
龍「とは言っても
この先、何があるかわからないからな
急に嫁ぐことになるなど、珍しくもない」
『白龍様は、そんなに私を嫁がせたいのですか?』
龍「そういうわけでは・・・」
俯くフィアに少し言い過ぎたかと、焦る白龍
すると、消毒をしていた腕を、きゅっと握られる
『私を・・ずっとお傍に置いて下さると言ったのは、嘘だったのですか?』
##IMGR45##
龍「・・・・・」
##IMGR46##
今にも泣き出しそうな上目使いで見つめてくる従者に、小さく心臓が跳ねた
その所為か、フリーズした白龍からは、すぐに言葉が出て来なかった
・
龍「・・・そ、そうではない
とにかく、俺が言いたいのは
顔に傷を作るな、と言う事だ!
それが
たとえ、俺を守るためでもだ」
守るな・・とは言わない
言っても お前は それを否定する
それに
俺を守るのが本来の
従者としての使命でもある
それを紡(ツム)ぐということは
俺の傍に フィアを置く理由が失われてしまう
と言う事にもなりうる
それは
困るし・・・嫌だ
白龍は、そっとフィアの頬を撫でた
龍「せっかくの、綺麗な肌だからな」
そんなセリフを、そんな顔で言われては、誰だって勘違いをしてしまうだろう
だが、そんなモノに引っ掛かる従者ではない
『白龍様って・・天然ですね』
龍「・・は?」
ニッコリ笑うフィアに、頭に?を飛ばす白龍
傍(ハタ)から見たら、いい雰囲気なのだが・・
天然同士の攻防戦(?)は、どっちも折れないし、落ちない
見ているこっちが、恥ずかしくなってくる・・・よね?
・END・
13/4/30
◇ほんと、見ていて恥ずかしくなってきちゃいます・・///私だけ?
素直なのに、何か違う! なんか・・じれったい! じれったいんだ!
なのに、独占欲だけは強いウチの白龍ちゃんは、どうしようもないですね・・・
・・・・・・よし!
もっと、いじめてやるv
そして気付け! 白龍ー(>_<)ノ
龍「もっとマシなコメント書いたらどうですか?」
陸「・・・・・はい、すみませんι」