選挙・アルカ編
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
何もかもが うんざりだった
暗殺の仕事も
自分に期待する家族も
抜け出したかった
この敷かれたレールから
だから、家を出た
何か当てがあったわけでもない
ただのゲーム感覚で、超難関だって言われてるハンター試験を受けてみようと思った
・
港に来たはいいが、肝心な出港時間がわからない
その辺の奴にでも聞くか
スケボー片手に港をぶらぶら
目ぼしい奴を探す
腕組みをしたスキンヘッドの男
コイツでいっか
他にも何人かいたが、コイツが一番マシっぽかった
「お嬢ちゃん、1人?」
「暇なら、俺達と遊びに行かねぇ?」
男2人が、女をナンパしている声が聞こえた
今時いるんだな
こんな、お決まり文句でナンパする奴
ダッセー…と思いながら、ナンパ男達の横を通る
ナンパされている女の姿が視界に入った
ナンパされた女の反応は、困り顔、助けを求める顔
はたまた、満更でもない顔
どんな顔か、ちょっとした興味本位で、ちらりと横目で見た
『遠慮します』
そう返した女の顔は、オレの予想した物とどれとも一致しなかった
呆れたような、うんざりしたような表情
そのまま横を通り過ぎていく
出港時間を聞こうと思っていたスキンヘッドの男の横も通り過ぎ、階段を上って行く
左に曲がり、少し歩いた所で再び港へ行く階段を下りる
下りきった所で、持っていたスケボーを地面に落とす
左足をスケボーに乗せ、前を見る
未だ頑張ってナンパをしている男達
1人が女の手首を掴み、無理矢理立たせていた
ほっとけばいい
自分でもそう思うし、そうするつもりだった
そもそも、興味も関心も無かったはずだ
でも、オレは
今から、あの女を助ける
なんで?
自分で自分のこの行動の意味がわからない
あの女の、何が気になったんだ?
右足で地面を蹴り、スケボーを走らせた
勢い良く、男達にぶつかりに行く
当然、激怒する男達を静かにさせた
・
「さて…と」
振り返ると、驚いているのか、少し目を丸くしている女
「助けてやった代わりに、ちょっと聞きたいことあるんだけどさ」
近くで見ると、まぁ…それなりに顔はいいと思う
ナンパされてたのも納得
『恩着せがましいわね
それに、助けてくれなんて、一言も言ってないんだけど』
予想を遥かに超えた思いもしない返答
てっきり”ありがとう”と、お礼を言われるだろうなどと思っていたから、余計に意表をつかれた
眉尻を少し上げて、こちらを睨むように視線を向けてくる
なんだ この女…
苛立ったのは確かだ
でも、苛立ちの中に、少しこの女に興味を持った自分もいた
さっき横を通り過ぎた時と同様
この女の、何がそんなに気になったのか
考えても考えても、わからない
助けてくれたお礼に、昼飯を奢ってくれると言って笑った女
その笑顔に
初めて オレの心臓が小さく跳ねていた
あの時のオレは、その事に気付きもしなかった
こんなにも、お前に惹かれていくなんて…
あの日
あの時
あの場所で
お前に、出会わなかったら
こんな、もどかしく、扱いにくいモノを
知らずに済んだのに…
でも オレ達は 出会った
それが 偶然なのか 必然なのか
それとも 運命だったのか
どれでもいい
冷え切ったオレの心が、あったかくなっていくのがわかる
心地良くて、くすぐったくて
時に、イラつかせる
目まぐるしく変わる心情に、戸惑い、振り回されることもある
その度に
”好き”が降り積もっていく
気付けば、もう引き返せない所まで来てて
”友達”では いられなくて
それでも お前には 伝えられなくて…
伝えてしまえば、今までの居心地の良い関係が壊れてしまう
お前が 離れていってしまったら
怖いと 思った
ずっと隣にいたいし
ずっと隣にいてほしい
オレの手を放さずに
その笑顔を 見ていたい
胸が 締め付けられる
どうしようもないくらい
好きなんだ
だから…
どうか
オレを 受け入れてほしい…
カシス
・END・
23/4/8
◇キルア語りのお話でした。
本編続きの話はあるのですが、急にキルア視点の話を入れたくなったので。 頭に浮かんだだけ、書きなぐってみました。
夢主に依存しているキルアになってほしい!
3/3ページ