キメラアント編
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ナックルやイカルゴ達と合流し、今後の動きをどうするか話し合った。
今回の作戦は、護衛軍を王から離し、ネテロ会長と一対一(サシ)にすること。 現時点でその目的は達したとみていいだろう。
だが、目的を達したからといって、このまま帰還するわけにはいかない。
ゴンとカシスは、まだここにいるのだから。
話し合いの結果、二手に分かれることにした。
ナックルとメレオロンはゴンの様子を見に。
残った3人で王宮のどこかにいるカシスを探すことになった。
「探すのはいいけどよ、このだだっ広い王宮内をどうやって探すんだ?」
もっともな意見だ。
一部屋ずつ、くまなく探している時間はない。
しかし、探すチャンスは今しかないのも事実。
なぜなら、理由はわからないが、数分前に護衛軍の2人が血相を変えてどこかへ飛んで行ったのだ。 いつ戻って来るやもしれない。
考え込む中、キルアがある案を思いついた。
「始めるぞ
何か”視”えたり、変化があったら言ってくれ」
「わかったわ」
「加減しろよ、キルア」
「わかってるって」
王宮の屋上に来た3人。
パームは右眼を手で覆い、キルアは指先に集中した。
鳴雷!!
屋上から階下に鳴雷(ナルカミ)を放った。
それは、一本の電撃となり、地下の部屋まで到達した。
「どうだ?」
「変化なし」
「次だ」
キルアが思いついた案は、パームの”千里眼”を利用して見つけるというもの。
屋上から地下まで、キルアの鳴雷で打ち抜き、それがパームが”視”ているカシスの場所に映り込む、また変化があるかどうかで場所を絞り込もうというのだ。
数回繰り返した後、漸くパームの眼に雷が映り込んだ。
「この下のどこかの部屋に、カシスがいる」
それは丁度、玉座の間も含めての場所だった。
雷の貫通した穴を確認し、一部屋ずつ調べたが、どの部屋にもカシスの姿はなかった。
「どういう事だ?」
「確かに、キルアの雷は”視”えたはずなのに」
上から一階ずつ調べたはずなのに、なぜ何処にもいないのか。
考え込んでいると、何かを思い出したのか、イカルゴが突然走り出した。
何事かと思うも、顔を見合わせたキルアとパームもイカルゴの後を追った。
イカルゴが向かった先は、地下の制御室だった。
「…やっぱり、そうだ」
制御室に遅れて来た2人。
イカルゴは壁の掲示物を見上げていた。
キルア達も、その視線の先に目を向けた。
それは、この王宮の見取り図。
「ここだ!
この玉座の間の真下。 不自然な空間があるだろ?」
「!! 隠し部屋!?」
「ここ以外、考えられねぇ」
3人は、玉座の間の階段下まで急いだ。
・
モントゥトゥユピーとの闘いで、かなり破壊されている階段まで来た。
隠し部屋とあって、当然扉など目に見えてわかる物はない。
しかし、入口はどこかにあるはず。
壁を壊して入れば簡単なのだが、カシスがどの位置で眠っているのかわからない以上、無闇に壁や天井を破壊する事は出来ない。
「手分けして探しましょう」
階段周り、玉座の間、一階下の部屋など探し回った。
「…! これか」
隣に位置する部屋の壁にかかった大きな絵画を退かすと、扉らしき物があった。
取っ手はないが、不自然な切れ込みがある。
少し押してみると、壁が向こうへ押された。
キルアは2人を呼び、扉を押し入った。
中は8畳程の広さ。 壁には植物の葉に繭の糸のような白い糸が無数に張り巡らされていた。
そして、その中心の繭にはカシスが眠っていた。
「カシス!!」
踏み出しそうになる足をぐっと堪え、部屋の中を”凝”で確認した。 罠らしきものは無い。
安全を確認したキルアは、カシスに走り寄った。
キルアは、まずカシスの首に触れた。
触れた指先からは、トクトクと生きている音を感じた。
っ…
それに酷く安堵した。
パームの言葉を信じなかったわけではない。
カシスは生きている。 自分もそう思っていたし、願った。
しかし
心のどこかで疑心暗鬼になっていたのかもしれない。
本当に カシスは無事なのか?
生きているのだろうか? と…。
小さな不安の塵(チリ)は、思った以上に積もっていたようで。
カシスが確かに生きていると、目の前で確認出来たことにより、不安の塵は、ふわっとどこかへ消えていった。
「…カシス」
優しくカシスの頬に触れる手に、愛おしそうに名を呼ぶキルア。
その姿に、後ろの2人も安心したのだろう。
表情が和らいでいた。
だが、それも束の間の出来事。
パームの言葉に、一同に緊張が走った。
「大変よ! プフが戻ってくる」
「「!!」」
「ものすごいスピードで!
しかも…王と一緒に」
その一言により、誰もが思っただろう。
ネテロの敗北を。
そして、ネテロが殺されたという事を。
・
ナックル達への情報伝達はパーム達に任せ、キルアは一先ず、カシスを安全な場所へ連れて行く事にした。
カシスを抱きかかえ、王宮の外へと走る。
今だ、瞳を閉じたままのカシスに、ふと視線を落した。
…微動だにしねェ
ちゃんと生きてんのに
心臓は 動いてんのに…
なんか…このまま 目覚めないんじゃないかって
そう…思っちまう…
それほど 今のカシスは儚くて
オレの腕の中に 確かにいるのに
気を抜いたら 消えてしまいそうで…
そんな気がしてならない。
いっその事、何もかも投げ出して、2人でどこか遠くへ行けたら、どれだけいいか。
そんなことを思ってしまう自分に、カシスがどれだけ自分にとって大切な存在なのかを改めて感じた。
オレは キミなしでは 生きていけない
どこかで聞いたような、クサイ台詞。
それはねぇだろう。 と、バカにしていた。
だが今の自分なら、その言葉も素直に受け入れられる。
自分の命よりも、大事だと思える命。
心がくすぐられる。
カシスを抱き上げる手に、力が籠もる。
走るスピードを上げ、先を急いだ。
王宮の外に出たキルアの足を止めたのは、王よりも一足早く王宮に戻ってきていたシャウアプフだった。
「娘を返してもらおうか」
「はい、そうですかって言うとでも思ってんのか?」
「では、力づくにでも返してもらいましょうか!?」
キルアに襲いかかるシャウアプフだったが、攻撃した右手は空を切った。
一瞬、何が起こったのか解らなかった。
射程距離にいたはずのキルアが、気が付けば消えていたのだ。
少し視線を動かすと、そこにキルアの姿があった。
こいつ…
とんでもなく…疾い…!!!
思ったと同時に悟った。
自身の全力をもってしても、キルアを捕えるのは困難だと。
しかし、みすみす娘を渡すわけにはいかない。
大事な”器”なのだから。
そこでシャウアプフは、ある策を思いつく。
「そうそう。 一つ言っておきましょう
あまり娘に衝撃を与えないことをお勧めします」
「?」
「捕えた獲物に、我々が何もしていないと思いますか?
あなたが私の攻撃を避けるも受けるも、すべて娘に衝撃が伝わってしまうのですよ!!」
「…」
足を止めたキルアに、シャウアプフの爪が襲いかかる。
だが、その攻撃もキルアには届かず。
シャウアプフの後ろに移動したキルアは、ゆっくりとカシスを地面へ降ろした。
「ちょっと待ってろよ」
頭を撫でるキルアは、カシスを跨ぐ形でシャウアプフに向き合った。
そして自身を中心に、半径50センチ程の”円”を発動させた。
「この円の中に入ったら、殺す
こいつには
指一本、触れさせねェ」
キルアの忠告は当然聞き入れず、シャウアプフは攻撃を仕掛けたのだが。
「……」
バチっと電撃音と共に、シャウアプフの顔面の右半分が無くなっていた。
動揺の色を浮かべるシャウアプフは、一歩後ずさる。
「分身っつってもさ、元は全部お前の細胞だろ?
焼け焦げれば、そこは死ぬ…!」
キルアの能力が電撃である事を知ったシャウアプフは、分の悪さも痛感した。
すると突然、シャウアプフは数十体にも分裂したかと思ったら、一目散にどこかへ飛んで行ってしまった。
諦めたのか、分が悪くなり一度引いたのか。 その行動の意味は不明だ。
一つ息を吐くと、足元にいるカシスを抱き上げた。
とにかくシャウアプフが去った今、カシスを安全な場所まで運ぶ事が先決だ。
「キルア!!」
シャウアプフが去った後、パームと合流した。
しかし、パームの表情は困惑と焦りの色を浮かべていた。
何かあったのだと安易にわかった。
それが、ゴンだという事も。
嫌な予感がした…。
・END・
23/1/28
長らく間が空きました…(;´・ω・)
読み返したり、修正したりしていましたが、それが一段落しました。
そして、続きを書く熱が沸き上がってきましたので!
さてさて、最終決戦も例のごとく、かなり原作すっ飛ばしていきますよ!
書きたい所だけ、熱入れます。
まだまだ、じれったい2人ですが、自己満全開で行きますよ
早くキルアに告白させたい(>_<)