キメラアント編
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「行くか」
「うん!」
体調は万全。
最後の決闘に赴(オモム)くゴンとキルア。
手を振って見送るカシスとビスケ。
小さな背中を見送りながら、昨夜の事を思い出す。
――
―――
「キルア
勝負よ、あたしと!」
一ヶ月間、全く敵と闘えなかったキルア。
ビスケも、それは予想外だったようだ。
ビスケは、ムキムキマッチョの本来の姿を見せた。
そして、防戦一方の勝負が始まる。
「ハァ……ハァ…」
「わたったかい?
あんたの弱点
それは、見切りの早さ!」
―――
――
様子を見る限りじゃ、落ち込んだり動揺はしていないと思う
体に染み付いた習慣は、そう簡単に拭い切れるものじゃない
ハンター試験の時や、ゾルディック家に行った時も違和感はあった
でも、暗殺一家はそういうものなんだと思ってた
私が感じた以上に
キルアの家族は、キルアのことを大切にしている
過保護とも思えるような戦闘育成法は、キルアに対する過剰な愛から来ているんだ
幸か不幸か
それが、今のキルアの足枷となってる
『勝てるかな…あの2人』
「さぁね。 あたしにもわからないわさ
どう、決着がつくか…」
すると、ビスケはどこから出してきたのか、鞄を一つ取り出した。
「じゃ、あたしの役目はここまでだから
後はよろしく!
また、連絡するわさ」
『(…逃げたな)』
と、物凄い早さで帰って行った。
カシスの後ろの扉から覗く、恐ろしい目に捕まらない為に。
――
―――
朝陽が昇り始めた頃。
街の入口にゴンとキルアの姿があった。
その表情は、少し影が見え隠れしている。
何かに気づいたのか、2人の足取りが止まった。
「……カシス」
待っていたカシスは、2人に歩み寄った。
俯いたゴンが、結果を報告しようと口を開く。
「カシス……ごめん。 オレ達っ!」
「!」
ゴンの言葉も聞かず、2人を抱きしめた。
目を丸くするゴンとキルア。
『お帰り。 2人とも』
結果は、聞かずとも分かっている
けど
だからと言って
何もしないわけにはいかないんだから
今回の敗戦も
初めて味わう悔しさも
すべて、次にいかせばいい
最後にぐっと腕に力を入れて、2人を離した。
『これからは、私が2人の修行を見るからね』
「…うん!」
「…」
負けた闘いにこそ、得るものは多いから
・
気持ちを新たに、宿へと足を進める。
「ビスケは?」
『とっくに逃げたよ』
「逃げたって…」
話していると、立ち止まる足達。
目の前に建っているのは、紛れも無く自分達の宿のはず。
しかし、そこから放たれる禍禍(マガマガ)しい憎悪に、ある人物の心の中が見て取れる。
まるでお化け屋敷にでも入るように、慎重に扉を開け、中に入った。
なんか
予想以上に、凄いことになってる…
廊下や壁は、無惨にも切り刻まれていた。
そして、キルアがある部屋の扉を開いた。
『…パーム』
「責任とってもらうわよ」
中には
数十体もの切り刻まれたゴン人形と、ガタガタに刃毀(コボ)れした包丁を手にした鬼婆…ではなく、パームがいた。
「言ったわよね?
必ず、私をNGLへ連れて行くって…!」
「うん。 ごめん」
「謝ってなんか、もらいたくないわ」
「うん…
じゃあ、どうすればいい?」
「………そうね
一つ
私の言うことを、何でも聞いてもらうわよ」
「お前な!
ゴンが今どんな気持ちでいると」
「うん、わかった!」
「……つきあって」
「…はぁ?」
「?」
「私と
つきあって…!」
まさかのパームからの告白。
予期せぬ出来事に、キルアは驚きを隠せないでいる。
即OKを出すゴンに、口を挟んでいた。
そんなキルアを、宥(ナダ)めるカシス。
結局
キルアが納得しないまま、晴れてカップルになったゴンとパーム。
明日、デートの約束を取り付けることで、やっと解放された。
漸く、キルアと2人でジムへと向かうことが出来た。
「ゴン…お前、すげーな」
「え? 何が?」
ダンベルを持ち上げながら、感じた疑問をぶつけてみる。
「もしかして、お前さ……」
「ん?」
「デートとか、したことあんの?」
「うん、あるよ」
あまりにも自然に暴露してくれたため、キルアの方が意外にダメージを受けていた。
そのほとんどがミトとのデートだが、くじら島に来る女性の船乗りも多いため、そのお姉様方に色々と教えてもらったのだとか。
ま、まじか……
ゴンって、そういう事には疎いと思ってたけど……案外、進んでる
ていうか
いろいろって…なんだ?!
何処まで教わってんだよ!?
こ………こいつ
大人だ……!!
今度は、逆にゴンから質問された。
「キルアはないの?
デートしたこと」
「なっ、ねーよ!
あるわけねーだろ!!
生まれたその日から、生活全部が暗殺の修行
家を出て、ゴンと会ってからはずっと一緒にいたんだ
デートする暇なんて、あるわけねーよ」
「そっか
あ、でもキルア
デートしてたじゃん。 カシスと」
ドキリと大きく心臓が脈打った。
いきなりの話題に、慌てるキルア。
オレが? カシスと?
「ほら、ヨークシンの時に!」
「………ああ…
(そうか…あれはデートだったのか……)」
ちょっと頬を染めるキルア。
お互いにそういう意識が無かったために、デートと認識していなかったのだろう。
そうなると
当然、カシスも然りだ。
すると
キルアは、あることに気付いた。
…そうだ
カシスに頼めば…
カシスなら
30日間ゴンを守り切れる
オレなんかよりも、ずっと安全だ
わざわざ
オレが 側にいなくても
でも……
―
―――
「あんたは、いずれ2人を見殺しにする
もしも明日…
シュートを倒せなければ
2人の元から、消えなさい!!」
―――
―
「…っ」
あぁ……くじけそうだ
自分で决めた事なのに…
本当は
これからだって
2人と ずっと……
・END・
14/2/14
23/1/5(修正)
◇バレンタインですね~(^^)
雪凄いですね~(^^)
キルアの気持ちも、暗いです
次回は、ストーカーですよ☆