ハンター試験編
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ヌメーレ湿原。
通称 ”詐欺師の塒(ネグラ)”。
「十分注意してついて来て下さい
騙されると、死にますよ」
地下から地上へ抜けると、そこは危険な湿原だった。
二次試験会場へは、どうやらここを通って行かなくてはいけないようだ。
「ウソだ!!
そいつは、ウソをついている!!」
突然の声に現れたのは、手傷を負った男。
サトツをニセの試験官だと言い、自分が本物の試験官だと主張する。
証拠に、ヌメーレ湿原に生息する人面猿を見せつけた。 その顔は、サトツに似ている。
そのせいもあり、受験生達には動揺が走った。
「くそっ! どっちが本物なんだ」
『見分ける方法ならあるよ』
「ホントか?!」
『本物なら、ハンターのライセンスカードを持っているはず』
だが男が言うには、隙を突かれ奪われたそうだ。
なるほど…
これで、どっちが本物の試験官かわかっ…
ぐぁあああ!!
瞬間、男の悲鳴が上がった。
視線を向けると、男の顔には数枚のトランプが刺さっていた。 同じくして、サトツにも同様にトランプが投げられていた。
一人は倒れ、無残な姿に。
手っ取り早く済ませたかったのか、それとも…
攻撃したのは。
『…ヒソカ』
「何も、そこまでしなくても」
「どちらが本物かなど、一目瞭然だったはずだ」
「何? なんでわかんだよ」
『ライセンスカードを奪われたって言った時点で、分かるでしょ
プロのハンターが、人面猿ごときに騙されるはずないからね』
一悶着あったが、再び試験を再開した。
地下とは違い、泥濘(ヌカルミ)の中を走るため、体力の消耗が激しい。 それと重なり、かなりの濃い霧が出てきた。
前方を走る受験生さえ、注意していないと見失いそうなほどだ。
そんな中、悲鳴がそこら中から上がり始めた。
「知らねーうちに、パニックに巻き込まれちまったぜ」
「どうやら
後方集団が、途中から別の方向へ誘導されてしまったらしいな」
その悲鳴は、前方集団の耳にも届いていた。
「ゴン!」
「え? 何?」
「ボヤっとすんなよ
この霧だ、一度はぐれたらアウトだぜ」
と、ゴンには言ったものの、キルアも気になってはいるようだ。
たった数週間一緒にいただけのはずなのに、やけに気にしている自分自身にも、疑問を持っていた。
――
―――
一方。
はぐれたカシス達は、ヒソカの試験官ごっこという名の暇潰しに、付き合わされていた。
「君ら全員、不合格だね♦
残りは、君達3人だけ♥」
ゆっくりと近づいてくるヒソカ。
クラピカは、両隣の2人に小声で話し掛けた。
「いいか。 私が合図したら、バラバラに逃げるんだ」
確かに
それが的確な判断かも
あいつは強い
私達3人がかりでも、勝てるかどうか…
「今だ!!」
クラピカの合図で、3人バラバラに走った。
少し走ると、後ろからレオリオの声が聞こえてきた。
!!
レオリオのバカ!
返り討ちにあうだけなのに!
カシスは、迷う事なく体を反転させ、来た道を急いで引き返して行った。
「てやぁああ!!」
レオリオの振りかざした棒切れは、いとも簡単に避けられ、ヒソカに背後を取られていた。
しまっ!
思った瞬間。
レオリオの背中を踏み付け、ヒソカの拳を左腕で受け止めた。
「なっ、カシス!?」
間一髪…間に合った
そう思った時だった。
ヒソカの拳を受け止めたはずのカシスの腕は、いつの間にかヒソカに掴まれていた。
掴み上げられた腕にカシスの体は、地面に降りる事なく宙ぶらりん状態だ。
「ヘェ~、やるねキミ★」
『…離しなさいよ』
「ん~、いいねぇ♦ おいしそうな果実だ♥」
ゾゾゾ…
違う意味で、危険を感じる。
この変態奇術師め…
「テメェの相手は、オレだ!!」
背後から攻撃を仕掛けるレオリオ。 だが返り討ちにあい、そのまま倒れ込んでしまった。
『レオリオ! っ…!』
「キミ。 すでにアレ、身につけてるんだろ?」
顎を持ち上げられたカシス。
ヒソカの言っていることが何なのか、直ぐに分かった。
ニヤリと怪しく笑うヒソカの顔が、ぐっと近づく。
「ますます、おいしそうだ♥」
っ…
身体が…動かない
ヒソカから瞳を逸らせないでいると、突然ヒソカの顔面に何かがぶつかった。
釣竿の…ルアー?
『ゴン!?』
ゴンは、素早くヒソカの死角に回り込み、釣竿を振りかざす。 が、逆に捕らわれてしまった。
同時に解放されたカシスだが、膝を付き一歩も動けないでいる。
ヒソカの尋常ではないオーラに、気圧されてしまったのだ。
ドクン…ドクン……
…こんな
気圧されるなんて
あいつ
本当に、強い
「カシス! 大丈夫か!?」
『! …クラピカ』
気がつけば目の前には、変態ではなく綺麗な顔を心配の色に染め、覗き込んでくるクラピカがいた。
「怪我はないか?」
『私は大丈夫……! レオリオの方が重傷……って、あれ? レオリオは?』
「ヒソカが連れていったよ」
『ゴン』
「急ごう!」
ゴンの鼻を頼りに、ヒソカの後を追った。
――
―――
―――――
「どうやら、間に合ったようだな」
レオリオは、木に凭れていて一応無事のようだ。
「よく無事に辿り着けたな」
『当たり前でしょ!
それとも、あのまま脱落しとけばよかったわけ?』
「別に…そういうわけじゃ」
『素直に”また会えて嬉しい!”とか言えば、可愛げがあるのに…』
「言って欲しいわけ?」
『…………やっぱ、いい』
「言ってやってもいいぜ?
カシスが、どうしてもって言うなら」
ちっ
遊んだつもりが、遊ばれてしまった
ホント
生意気なんだから…
・END・
11/11/12
15/9/22(修正)