キメラアント編
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
オレ達は
自惚れていた
2人合わせて
片腕を失った カイト以下
ヤツは そう判断した…!!
カシスも
片腕が使えない状態
それが 現実
おそらく
カイトとカシス 2人なら
こんなことには ならなかった
オレ達は
大馬鹿だ
「…!」
『キルア、そのまま進んで』
カシスは、右手に鉄扇を出す。
『奴らは、私が片付けるから』
「けどお前、片腕…」
見ると、カシスの切られた傷口付近は、鉄で覆われていた。
「……わかった」
頷くキルアを確認すると、カシスはその場を離れ、群がってきたキメラアントを、一掃しにいった。
腕を負傷し、仲間を置き去りにした直後だっていうのに
あいつには
動揺すら、微塵も感じられない
逃げるのに精一杯のオレとは……違う
悔しさからか、ぎりっと奥歯を噛み締めながら、元来た道を駆けて行った。
――
―――
ぜーっ
ぜーっ…
NGLの検問所まで、全速力で走ってきたキルア。 相当息切れしているようだ。
一先ず、スピン達に緊急事態を知らせるため、携帯で連絡を取った。
すると、応援部隊を連れて、すでにこちらに向かっているという。
携帯を切ったキルアは、カシスへ視線を向けた。
少し離れた所で、NGLを見つめているカシス。 夕焼けに照らされた碧みがかった髪が、キラキラと光を反射している。
「…」
今
何を思ってんだ?
カイトは
お前にとって
大事な 兄弟子
見殺しにすることになった原因のオレ達を
お前は
恨むか?
後悔する…?
自責の念に胸を締め付けていると、向こうの方から1台のトラックが走ってきた。
応援部隊のご到着だ。
しかし、トラックから降りてきたのは。
ネテロ会長!!
ハンター協会の会長自ら、現場へ赴(オモム)くとは、それほど今回の件はやばいということだ。
ネテロの後ろには2人。
大柄にサングラス。
肩に担ぐほどの長い何かを持った男・モラウ。
黒髪に黒眼鏡。
黒スーツを着た、インテリ系の男・ノヴ。
この3人、かなりの念の使い手だ。
それは、キルアも直ぐにわかった。
「巨大キメラアントが、人を喰うという信じ難い話
事実である以上
全力で被害拡大を防がねばならぬ」
言いたいことはわかってる
中途半端な戦力は、邪魔になる上、敵に吸収される虞(オソレ)がある
だからこその、3人小数精鋭
キルア達は、戦力外ということだ。
しかしネテロ会長からは、思いもよらぬ発言が出た。
「最寄りの街に2人…刺客を放った」
その言葉に、意表をつかれた。
てっきり、おはらい箱にされると思っていたからだ。
「闘(ヤ)る闘(ヤ)らぬは自由
じゃが…」
キルアの前に放られたのは、半分に折られた割符。
「倒してから、追っておいで
ハンターとして生きるなら
猫の手は要らん
必要なのは、強者のみ!」
言い残し、ネテロはカシスの元へと歩いて行った。
・
今だ、NGLの方を見つめているカシス。
ここからじゃ、カイトのオーラを感知することができない
あの時の、キメラアント
普通に考えたら
カイトじゃ……
「お嬢さんは、ついて来るかな?」
振り返るカシスは、首を横に振った。
キルアとの話は、聞こえていた。
ネテロもそれを承知で、聞いたのだろう。
『負傷したこの腕では、足を引っ張るのが関の山です
割符を勝ち取ることが出来たら、2人と共に増援に来ます』
「そうか」
『…ネテロ会長』
NGLへ向かう3人を、呼び止めた。
『私が知る限りの情報を、お伝えしたいのですが』
「中途半端な情報は、返って邪魔になるだけです」
「そういう事だ
自分の目で見て判断する」
『…言い方が悪かったようですね
私が見て、聞いたままをお伝えすることが出来ます』
「だからよ、嬢ちゃん」
モラウの言葉を、ネテロが止めた。
ネテロは、どういうことかカシスに問う。
『私の能力で、私の記憶を御三方の脳に直接送り込みます』
「ほぅ……では、やってもらおうかな」
「会長!?」
「丸腰で行くよりはマシじゃろ?」
モラウ・ノヴは、いささか腑に落ちないが、ネテロからの承諾の意をもらった。
カシスは、一度目を閉じた。
体に、オーラが充満していく。
そっと瞳を開くと
水色に近い灰色の瞳ではなく、美しい碧色の瞳が輝きを放っていた。
「「!!」」
「…ほぅ」
目を丸くする3人。
構わず、能力を発動させる。
右手で髪の毛を一本抜き、ぎゅっと握り締める。 スッと握り締めた手を広げると、桜の花びらの様な形をしたオーラが出来上がった。
その花びらに、ふっと息を吹きかけると、はらはらと舞い散る花びら達。 自由に舞っているようにも見えるが、花びらは3人を囲むように舞った。
すると
一つ、また一つと頭に吸い込まれるように消えていく花びら達。
”時間の共有”
これは、カシスの念能力の一つ。
”紺碧の瞳”の時にのみ、使用可能になる。
それはクラピカと同様に、具現化系から特質系に変わるからだ。
この能力により、相手に自分と同じ記憶を送り込むことが出来る。
それは、自分が体験した記憶となり、見て、聞いて、感じ取る事が出来る。 どう感じ取るかは、受け取った人それぞれ。
勿論、カシスが出会ったキメラアントのオーラも送ることができる。
だが
その記憶だけは、送ることはしなかった。
「…なるほど
こりゃ、スゲーな」
「…」
「ふむ
しかと受け取った」
『お気をつけて』
3人は、NGLへと入って行った。
「ネテロ会長
あの少女は?」
「ん? 新米ハンターじゃよ」
「ではなく、あの”瞳”ですよ」
「あれは、もしかして…」
「ワシも、人生で初めて見るのう
”紺碧の瞳”を持ちながら、生きながらえている人間を
この歳で、初体験をするとは
長生きは、するもんじゃな」
ネテロの笑い声は、カシスには届くことはなかった。
・END・
13/11/23
23/1/4(修正)
◇察していた方もいるかと思いますが、カシスちゃんも”特質系”設定ですf^_^;
能力は、徐々に書いて行きます!