キメラアント編
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
衝撃の事実。
カイトの言っていることは、恐らく真実だろう。
キルア自身、思い当たる節があるからだ。
しかし思いの外、キルアは冷静だった。
そして、疑問をぶつける。
「けど、おかしくねぇか?
紺碧の瞳ってのは、10歳までに覚醒するんだろ? つまり、覚醒=死
カシスがソレを覚醒してんなら、なんでカシスは生きてんだよ」
カシスはキルアより年上のはず。
ゆうに、10歳を越えている。
当然の疑問だ。
「開眼したからと言って、すぐに覚醒するわけじゃない
だが、10歳を越えて瞳を持ちながら生きた例はない
カシスがジンさんに拾われた時は、まだ覚醒する前だった
それが、アイツの運命を左右することになったんだ
ジンさんは、一目でカシスの眼が”紺碧の瞳”だと理解した
そして、カシスに念を教えたんだ」
「念? ……そうか
覚醒する前に、力をコントロールする術を覚えさせたのか
だから、カシスは生き延びれた」
「あぁ。 だがコントロールすると言っても、並大抵のことじゃない
考えてもみろ
自分のオーラの何十倍もの力をコントロールするんだ」
「………………ていうか、それって…無理だろ
普通に考えて…」
もし、今自分がそうなったら。
そう考えたら、冷や汗が出た。
今の自分のオーラが倍になるだけで、制御しきれるか疑問だ。
それが何十倍だなんて、自分だけじゃなく、この世界の誰しも、そんなこと出来ないんじゃないか。
そう思えてならない。
しかし現に
カシスは、それをやってのけている。
彼女が生きている事が、何よりも証拠だ。
「今のカシスは、制御しているというよりも、力で押さえ込んでいる状態だろう
まだ完全には、コントロール出来ていないはずだ
つまり
いつ暴走してもおかしくない
と、言っても過言じゃない」
「……」
何故そんな重要なことを隠していたのか?
そんな疑問が頭にチラついた。
キルアの表情から、それを読み取ったのか、カイトは更に口を開いた。
「一つ、弁解しておく
カシスは、この事を話さなかったんじゃない。 話せなかったんだ」
「…」
アイツにとってオレ達は、その程度だったってことなのか?
「お前達を大事に思っているのは事実だろう
お前に身の上話しをしたのが、カシスが心を開いている証だ
そこは信じてやってほしい
だからこそ、話せなかったんだ」
「…なんで」
「お前達に、敬遠されるのが怖かったんだろうな」
「敬遠……?
オレ達がそんなこと」
「しない…とは、言いきれないだろう?
勿論、お前達の事は信頼している
だが、もしも…万が一、受け入れてくれなかったら?
カシスにしてみれば、絶対じゃなかった
それほどまでに、お前達に嫌われる事を恐れている」
それは
最も信頼し、愛情を注いでくれた肉親に
裏切られ
捨てられたから
その時のカシスの心情は、計り知れないだろう
人間不信になっても、おかしくなかった
しかし
カシスは、横道にも邪の道にも逸(ソ)れることなく、真っ直ぐ歩いてきた
だからこそ、強靭な精神力が備(ソナ)わった
その年齢に、沿ぐわないほどに
キルアは何も言わず、視線を落とした。
頭の中で、その壮絶な事実を整理しているのだろう。
その心情は、カイトでもわからない。
全てを知った上で、カシスへの気持ちが揺らぐのであれば、その時は…
「……」
「……」
パチパチと、薪(タキギ)の弾く音だけが、2人の間の沈黙に音を上げていた。
「……もし」
「…」
カイトの声に、落としていた視線を若干あげる。
「もし…今の話を聞いて、少しでもカシスに疑念を抱くのであれば
突き放す事はしないでくれ
せめて、お前達の友として、離れて行ってほしい
これ以上、アイツの傷口を刔ることはしたくない」
カシスは
何も悪くない
だから
アイツには
人並みに、幸せになってほしい
その権利がある
頼む、というように少し頭を下げるカイト。
当時の彼女を、目の当たりにしているからこその行動。
カイトにとっても、カシスは可愛い妹分なのだ。 幸せになってほしいと、節に願っている。
そんなカイトに、キルアはフッと笑みを浮かべた。
「もっとヤバイ事だと思った」
「…」
「生憎。 オレも常人ってわけじゃないから
特殊な環境って言ったら、オレも同じ様なもんだし
気持ちは変わらない
むしろ、すっきりした
これで、アイツと真っ正面から向き合える」
何の迷いもない。
真っ直ぐな瞳。
真っ直ぐな言葉。
カイトは、眼を丸くし
そして、フッと口角を上げた。
「…そうか」
杞憂…だったな
こいつらになら…
いや
こいつになら
任せられる
目元を隠すように、帽子を被り直す。
いい仲間に
巡り会えたな
カシス
・END・
13/8/2
23/1/1(修正)
◇まとまりがない・・・(-.-;)
そして、解りづらくてスミマセン;
ヒロイン設定で、簡潔に解りやすく書いておきます